不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

L'inventore del telefono

2004-05-13 01:42:24 | うんちく・小ネタ
どこの国でもそうなのかもしれないけど
愛国主義というか、
自分のところが一番という考え方ってありますよね。
イタリア人は特に「おらが村主義」が強い国民だといえます。
campanilismoといいます。
で、ちょっとウンチクを述べたいふうなおじさんの
ウンチク話を聞く機会に恵まれたりすると
次から次へと「本当ですか?」といいたくなるような
お国自慢が始まります。
「イタリアで初めての~」
「ヨーロッパで初めての~」
「世界で初めての~」
「世界で一番大きな~」
「世界で一番おいしい~」
とにかく何でもいいのです、なんでも一番。

ということを念頭において
「電話の発明者」といったら誰でしょう。

普通の人は当然、
ベル(Alexander Graham Bell)と答えますよね。
それが日本のいや世界の常識のはず。
私ももちろんそう思ってました。

それが!
驚いたことにそうでもないらしい??
(イタリア人、
特に今回はフィレンツェ市民にとっては
そうではないらしいことが判明!)

先日フィレンツェのサンタ・クローチェ教会にて
あるセレモニーが行われたのです。
そのセレモニー自体のお知らせは
私のところには届かず(届くわけがない!)
先ほどちょっとした記事を読んでいて知ったのですが。

サンタ・クローチェ教会といえば
フィレンツェが世界に誇る有名人が永眠する教会。
(ミケランジェロとか、ガリレオとか・・・)
その教会に久々に記念碑が付けられることになったのですが、
これがなんと「電話の発明者」。
つまりフィレンツェ市民によると
「電話の発明者はフィレンツェ人」なわけです。
で名誉なことなので、遺体はないからお墓は作れないけど
記念碑作ってサンタクローチェ教会につけちゃおうということです。

彼はAntonio Meucci(アントニオ・メウッチ)という人で
フィレンツェの下町に1808年4月13日に生まれ
小さい頃から電気いじりが好きだったようです。
フィレンツェのペルゴラ劇場のメカニックとして働いていましたが
その後1845年にClifter(LongIsland)に移住しています。
そこでキャンドルの工場をもっていたらしく、
1849年にそこで「世界で初めての」電話機を実現したのですが
経済的な問題で特許取得ができなかったと。

その後、彼のなくなる三年前、
1886年には数々の裁判紛争と鑑定を経て
一応、この発明はメウッチのものと認定されてはいるようです。
そんな話今まで聞いたこともなかった・・・。

実際にメウッチが初めての電話機なるものを実現したときには
かの有名なベルはまだ2歳になったばかりの幼子。
ということは、まぁアイデアとしての「電話」は
もしかしたらメウッチから出ているのかもしれないですね。
そんなことはもう今となってはわかりませんが。

とにかく、フィレンツェでは市を揚げて
「世界初の電話発明」を祝っているわけです。
(なんといってもこの記念碑除幕セレモニーには
市長が参列していますからねぇ)
いいわぁ、その「郷土愛」!


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6 コメント

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おはようございます。 (キヨミ~ナ)
2004-05-13 02:48:20
おはようございます。
私もSからそのように聞いております。
アメリカもそれを認めたとか。
たいていの物はイタリア人が発明しているようです。
(ほんとかぁ?)
多分その頃のイタリア人は、特許を取ることに執着していなかったり、お金がなくて取れなかったりしたのでしょうね。
(いまでもか?)
発明する過程が楽しくて、その後はどうでもいいのかもしれませんね。
(自己満足?)
先ごろのノーベル賞受賞も日本人含めアメリカ人が取ったことになっておりますが、その中にはアメリカで研究を続けたイタリア人も含まれていましたよね。
日本ではアメリカ人として報道されていたような。

>キヨミーナさん (albero4)
2004-05-13 03:34:13
>キヨミーナさん
そうなんか、
イタリア人の間では普通の話なのか、メウッチ。
それにね、確かにイタリア人が特許取るために
躍起になっている姿って想像できないし、
そうあってほしくないよね。
こうもっと暢気で…。ね。
そういえば、今思い出したけど、
インスタントコーヒーは
実は日本人が発明したんだけど、
特許取らないでいたら
(たぶん考えもしなかったんだろうね)
アメリカ人に先を越されてしまったとか。
まぁ、人に欺かれているくらいのほうが
人間らしくて好きだわ。
そうそう、sarsの第一発見者もイタリア人医師でしょ。
偉いのよ、イタリア人!(味方?)
味方? (キヨミ~ナ)
2004-05-13 04:34:17
味方?
そうかぁ、インスタントコーヒーもアメリカ人にやられてしまってたのかぁ。
その頃の日本人も特許なんて考えなかったでしょうねぇ。

それにイタリアで申請した特許って世界に通じないらしいし。
アメリカの特許は全世界に通じるのよ。
きっと宇宙までも。
いまや世界特許戦争。
そんなとこにイタリア人混じってほしくないですね。
混じれないか。
(昔のことを掘起こしてくるところが面白いですが。)

それにしても夜更かししてますねぇ。
胸を張って自分の国が大好きっていえるイタリア人... (りんりん)
2004-05-13 16:50:02
胸を張って自分の国が大好きっていえるイタリア人いいですね
もちろん自分の国日本を好きですが、自分がそこまで自分の国日本を大好きっっていえるか、そこまで知っているか自信がないです。
見習ってもっと自分国のことをいばれるくらい知るようになりたいですね
ここ最近、すこ~し右に傾いている僕です。瓦屋根... (ハヤト)
2004-05-13 17:15:02
ここ最近、すこ~し右に傾いている僕です。瓦屋根の日本家屋、嫌いだったのに今は好き。継承していかなくちゃなあ、なんて思います。不思議だ。
>キヨミーナさん (albero4)
2004-05-13 23:51:16
>キヨミーナさん
今日は夜更かししません、と決めました。(笑)
インスタントコーヒーの特許に関しては
発明した日本人は研究目的でアメリカに行ってたみたい。
でも研究一筋で、
特許なんて考えてもみなかったんだろうね。
もし特許とってたらすごい大金手にしていたのかしらねぇ。
イタリア人には暢気であってほしい、やっぱり。

>りんりんさん
私も日本は好きですよ。
というか故郷がね、好き。東京はやっぱり苦手。
でも私は海外に出て
自分が如何に自分の国のことを知らなかったか、
まざまざと見せ付けられました。
世界に誇れる伝統芸や文化を
もっときちんと学ぶべきだよ、日本人
と思っているのです。偉そうに。

>ハヤトさん
年を重ねるっていうのは
ある意味では素敵なことなんじゃないかな。
昔は受け入れられなかったものを
受け入れられるように
自分が成長するってことだと思うからね。
瓦屋根の日本家屋が少しづつ好きになったのは、
そういう効果なんじゃないのかな。
私も嫌いだった日本が好きになってきたもの。



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