1980年にUNESCOの世界文化遺産に指定され
2007年には現代の世界7不思議にも選ばれた
ローマのコロッセオ。
周囲527メートル、
長径187,5メートル、短径156,5メートルの楕円形で
アレーナ部分は86メートルX54メートル、
総表面積は13,000平方メートル。
もともとは52メートルあった高さは
現在は48,5メートルの巨大な石造建築物です。
Vespasiano(ヴェスパジアーノ)が紀元72年に建築を開始し
Tito(ティト)の時代、紀元80年に完成。
50000人の観客を収容することができる建物で
完成時には祝賀記念として格闘技観戦が催され
10000人の闘士が駆り出され
2000人の闘士、9000匹の猛獣が
命を落としたといわれています。
現在はローマ観光のメッカとなっており、
年間3,200,000人が訪問する人気スポットでもあります。
2008年には通常のメインテナンスのために
700,000ユーロが費やされています。
2010年5月9日早朝6時、
まだ開館前のコロッセオで建物の一部が崩壊しました。
地階部分の廊下の天井の一部が落ちて
保護網に衝突して粉砕しました。
開館前だったために怪我人もなく、
その後、崩壊した部分を囲い
観光ルート迂回という形で応急処置を行い
8:30には通常通り営業を開始しています。
去る3月30日にはドムス・アウレアの
大理石置き場となっていた天井が
完全に崩壊するという事故もあったばかりで
今回の崩壊はそれに比べれば
崩落した石は50センチ平方で規模が小さいとはいえ
もちろん開館時間中であれば
観光客に怪我の恐れもあったわけです。
ローマの遺跡の保存状態への警鐘であると考えるべき事故です。
コロッセオやネロ帝のドムスロマーナ以外に
パラティーノの丘にあるティベリオのドムス、
アウレリア街道沿いの石壁や古代水道橋なども
劣化に伴い、崩壊の可能性が十分にあるといわれています。
コロッセオに関しては23,000,000ユーロが
総修復費用として必要とされているようですが
もちろん資金不足。
現在も世界中からのスポンサーを募っている状況です。
しかも今年の夏までには地下の一部の一般公開なども含め、
まだまだコロッセオ改造計画は始まったばかりなのです。
ローマ市長Alemanno(アレマンノ)氏によれば
現在イタリアでこうした文化事業に快く資金提供してくれる
イタリアの実業家は一握り。
そのなかでもトップに名が挙げられているのは
Tod'sのオーナーである
Diego Della Valle(ディエゴ・デッラ・ヴァッレ)。
彼が今後どれくらいの資金提供をするのかも注目されています。
これとは別に4月に日本出張を行っていたAlemanno氏は
実は日本のとある企業とも
スポンサーの件で話をほぼ固めてきているようです。
これは実現すれば
両国にとって非常に嬉しいニュースではないかと思います。
いずれにしても必要なのは
計画的かつ予防的な修復とメインテナンス。
人材と資金があれば解決する問題なのですが、
そこが今一番難しいのがイタリアの現状。
Colosseo
Piazza del Colosseo 1
休館日:1月1日、5月1日、12月25日
開館時間:8:30-19:15(3月30日から8月31日まで)
入場料:9,00ユーロ
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます