Edmond Benjamin James de Rothschild
(エドモンド・ベンジャミン・ジェイムス・デ・ロスチャイルド)は
かの有名なロスチャイルド家のメンバーで
フランスの銀行家として知られていました。
ロスチャイルド家は元々イギリスのユダヤ系の家系で
世界的な富を誇る一族として名を馳せていますが
エドモンドはその中でも特に博愛の精神に富み、
一族の事業よりもユダヤ世界での人道主義的な活動と
美術品蒐集に力を注ぎました。
彼はエジプトやシリア、パレスティナでの
遺跡発掘作業への援助も惜しみなく続けました。
そんな彼が生涯をかけて蒐集したのが
様々なアーティストのデッサン画で
そのコレクションはデッサン40000点以上、
絵画約3000点、書籍500点に及ぶといわれ
特にレンブラントの作品だけでも100点以上といわれています。
このコレクションの大半は子息に相続されていますが、
一部はルーブル美術館に寄贈されました。
膨大な収蔵品を誇るルーブル美術館から出展され、
フィレンツェのCasa Buonarotti(ブオナロッティの家)で
展示されている作品は
コレクションのうちのイタリア・ルネッサンス期の
画家たちの作品を中心に約90点。
あまりに膨大な数のため
実はこれまでルーブルでも展示されておらず、
今回が初の一般公開となる作品も多く含まれているので必見。
デッサン画なので派手さはまったくないのですが
ゴシック様式で描かれる古い城などの建築物、
多岐に亘るテーマで描かれる人物像や動物など
興味深いものが含まれています。
Pisanello(ピザネッロ)、Jacopo Salimbeni(ヤコポ・サリンベーニ)、
Leonardo(レオナルド)、Raffaello(ラファエロ)、
Benozzo Gozzoli(ベノッツォ・ゴッツォリ)、
Maso Finiguerra(マゾ・フィニグエッラ)などの作品のなかでも
特にFra Bartolomeo(フラ・バルトロメオ)の
Arcangelo Gabriele(大天使ガブリエレ)の優雅な美しさと
Pintoricchio(ピントリッキオ)の可愛らしい4人の子供たちは必見。
これを見るためだけに行ってもいいくらい興味深いです。
実際これを見るためだけにいったようなものです。
Francesco I(フランチェスコ1世)や
Caterina de Medici(カテリーナ・デ・メディチ)などの時代の
メディチ家とフランスとの深い繋がりによって
相互の宮廷での芸術家の往来と交流が盛んであったことを
証明する展覧会ともなっています。
Disegni dal Louvre
会場:Casa Buonarotti
Via Ghibellina 70 Firenze
会期:2009年9月14日まで
開館日:水曜日から月曜日
開館時間:9:30-16:00
休館日:火曜日
入場料:6,50ユーロ
ギベッリーナ通りは今車両通行量が少ないので
なんか周辺はがらんとしています。
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