ミラノのブレラ美術館の設立200年を記念して
2009年は各種イベントが企画されています。
その第1弾として
1月から開催されているのがカラバッジョ展。
出展数はわずか4点ですが、
秀作ぞろいで見ごたえのあるものとなっています。
Il ragazzo con canestro di frutta
ローマ・ボルゲーゼ美術館所蔵の「果物籠と少年」
i Musici
ニューヨーク・メトロポリタン美術館所蔵の「音楽家」
Cena in Emmaus
ロンドン・ナショナルギャラリー所蔵の「エマウスの晩餐」
Cena in Emmaus
ブレラ美術館所蔵の「エマウスの晩餐」
ブレラ美術館所蔵の「エマウスの晩餐」は
1606年頃にローマで製作されたもので
1601年に製作された同テーマの作品と比較展示。
先に製作された
ロンドン・ナショナルギャラリー所蔵の作品には
1500年代ロンバルド派の影響が滲み出ており
店主を含んだ4名が食事の並べられたテーブルを囲み、
キリストがパンをちぎり
祝福を授ける仕草に移ろうとする場面で
2人の巡礼者を唖然とさせるシーンが描かれています。
左側の一点から差し込む光によって
全体的なシーンが照らし出され
光の中で遠近的な空間と
ドラマチックな動きが実現されています。
食卓の上の素材を中心に
静物画としての描きこみ方も忠実で
非常に写実的に、浮き上がってくるように描かれています。
一方ブレラ所蔵の同テーマの作品では
先に製作された作品の
直後のシーンを描くような形になっており
パンはちぎられ、キリストは祝福の仕草を見せ
今まさに暇を告げようという瞬間を捕らえています。
全体的に暗闇に包まれ、
光は一点からわずかに差し込み
単純明快にキリストの祝福の仕草を照らし出すように
効果的に描かれています。
この画法は
後のカラバッジョの作品全体に見られるようになります。
上記2点に加え、
カラバッジョの若き時代の作品が展示されています。
「果物籠と少年」は
ローマに到着したばかりのカラヴァッジョが仕事をしていた
Giuseppe Cesari(ジュゼッペ・チェーザリ)の工房が
所有していたもの。
1607年にこの工房が差し押さえとなり、
この作品も枢機卿Scipione Borghese
(シピオーネ・ボルゲーゼ)の手に渡り、
現在もボルゲーゼ美術館に所蔵されています。
1593年から1594年にかけて
やはりチェーザリの工房で製作された「音楽家」は
ローマ滞在初期の作品とされており、
枢機卿Francesco Maria Del Monte
(フランチェスコ・マリア・デル・モンテ)の依頼で
製作されたものとされています。
カラヴァッジョが
はじめて複数の人物のコンポジションを試みた作品とされ
たった一人のモデルを、
それぞれ違うポーズで描きこんでいるところも特徴。
美術館入場料はカラヴァッジョ展も含め10,00ユーロ。
もしくは200年祭通じての各種イベントに
複数回入場できるパスは20,00ユーロ。
4月からはラファエロ展も始まるので
在住者ならパス購入のほうがお得。
3月29日までのカラヴァッジョ展。
4作品を見るのは
時間および入場制限がかけられています。
40名15分間の完全入れ替え制となっているため
チケット売り場で
カラバッジョ4作品が展示されている第15展示室への
入場時間が記載された紙を渡されます。
Caravaggio ospita Caravaggio
会期:2009年3月29日まで
開館時間:8:30-19:15
会場:Pinacoteca di Brera(ブレラ美術館)
Via Brera 28 Milano
入場料:10,00ユーロ 200年祭パス20,00ユーロ
詳細インフォメーション:http://www.brera.beniculturali.it
これ、見てみたいなぁ。
でも3月末ではちょっと無理だわ~。
イタリアが待っているよぉ!!
何とかブレラ美術館予約できたので
晴れてカラバッジョ展を見に行けることに。
会期ぎりぎりだけどね。