ルネッサンスの時代のボローニャを中心に活躍した
アミーコ・アスペルティーニ(Amico Aspertini)は
少々エキセントリックな画家として知られています。
ロレンツォ・コスタ(Lorenzo Costa)や
フランチェスコ・フランチャ(Francesco Francia)などに師事した
正統派のボローニャ派画家でもあり、
マニエリズムのさきがけともいわれる技法で
独特の世界を描き出しています。
ヴァザーリによれば信じられないくらいに筆が早く、
時には片手に薄いグレー、片手に濃いグレーの筆を持ち、
一気に両手を使って
キアロスクーロ(CHIAROSCURO:明暗技法)を
完成させることができたともいいます。
そんな彼が手がけた作品で長く行方不明となっていた作品を
ウフィツィ友の会がある骨董市で購入し、修復を完了し
ウフィツィ美術館に寄贈することになり、
毎年恒例の年末の展覧会「I Mai Visti」に展示されています。
1500年代半ばにパオロ・ジョヴィオ(Paolo Giovio)が編纂した
人物賞賛伝ともいえるELOGIOという
時代を代表する人物辞典では
各人物の項に肖像画の挿絵が入っています。
このなかで
アレッサンドロ・アキッリーニ(Alessandro Achillini)という、
哲学者であり論理学・薬学の講師でもあった人物の
記載に添えられた肖像画のオリジナルが
今回展示されているアスペルティーニの作品です。
時代遅れのカワウソの革の襟をつけた赤いマントを羽織って、
斜に構え薄気味悪い笑みを浮かべている男性が、
当時名声を馳せた学者だったわけですが、
この風変わりな哲学者をエキセントリックな画家が描くことで、
ある意味非常に繊細な部分まで
表現されているようにも見受けられます。
今年の「I Mai Visti」のテーマはSanti,poeti, navigatori。
いつものようにウフィツィ美術館の西翼の
Sala Reali Posteで開催されています。
I mai visti
Santi, poeti, navigatori
会場:ウフィツィ美術館付属Sala Reali Poste
会期:2009年12月16日から2010年1月31日まで
開館時間:10:00-17:00
休館日:毎週月曜日、12月25日、1月1日
入場料:無料
詳細インフォメーション
私は個人的にAsperitiniが苦手です。
あまりにも薄気味悪くてだめなんですが。
中にはすばらしい色使いの作品もあったりして
時々はっとさせられるんですけどね。
どうも気持ちよく鑑賞できなくて・・・。
この人物を上手く捉えてるのかもしれないけど、
こわーい!
それにしても、いつもここは無料なのに、
面白い展示をしてるよね。
行かなきゃ♪
やっぱり誰が見ても怖いよね、この絵。
でもせっかくだし、
ぜひ滞在中に一緒に行きましょう!