◎AWとは?
一言で言うと、「兵器化されたAA」の事。具体的にはIWS(内蔵兵装システム)と呼ばれる機能を人為的に付加したAAの事。これは、兵器の情報を体内で格納できるサイズのデータ片に変換し、使用する際に再変換して展開するという体内格納庫システムで、これを使用する事により、今まで物理的に運ぶのが困難だった量の兵装が一体だけで輸送でき、しかも状況に応じて兵装を自由に変更できるので、直接的に作戦の幅を広げる事に繋がる、という先進軍事技術である。
大戦末期から研究が開始されていた技術だが、実用化されたのはここ数年である。何故システムの実用化が遅れたのかというと、原因として再変換時のトラブルがあったからといえる。データ片への変換までは既存の技術を応用すれば良かったが、再変換して展開する際、その出現箇所がランダムになってしまうという問題が発生した。偶然手の届く範囲に兵装が展開されればいいが、そうでない場所に展開された場合は兵器を格納・再展開しなければならない。その間に攻撃を受けて死んでは意味がない、ということで実用化が見送られてきた。しかし、生体回路によってあらかじめ生成する箇所を何箇所か設定しておき、その箇所とコードを合致させる事で適切な箇所で展開するという技術が近年になって生み出され、やっと実現化される事となった。
また、生体回路の応用によってエネルギー兵器の使用も可能になり、兵装選択の幅がさらに広がった。これがAWの実用性向上に繋がった、というのは言うまでもない。中央政府軍主導による量産化や新たなタイプの開発により、その種類も次々と増えている。
◎AW各種仕様と概略
・IWSE
IWSの実動実験モデルとして開発されたタイプ。大まかに分けると、三種類のタイプが存在する。
*試験型Ⅰ~Ⅳ
生体回路実験の初期実験型モデル。出力が低いため、実弾兵器のみを使用する事ができる。また武装も二種類しか使用できない。Ⅴの暴走事故の際、Ⅴの迎撃に向かわせるも全個体が撃墜・死亡している。被験者の負担が軽かったため、動作は比較的安定的であった。
すべてがほぼ同時期に開発・試験開始されている。
*試験型Ⅴ~Ⅸ
生体回路実験の高出力多装備型モデル。出力レベルは格段に上昇し、エネルギー兵器の使用も可能になった。一方でⅤの暴走事故のように、個体の処理能力がシステムに追いつかずに過負荷がかかり、暴走する危険性も高くなってしまった為、回路の設計がほとんど共通しているⅥに対しては一度破壊処分命令が下されたほどである。Ⅶ以降のモデルについては、生体回路側で出力の調整の大半を自動的に行う補助デバイスを搭載する事により、個体の暴走をほぼ完全に抑える事に成功している。またⅥにおいても補助制御デバイスを使用する事で、暴走を完全に抑制できている。
開発開始順にⅤ,Ⅵ,Ⅶ,Ⅷ,Ⅸ。
*最終試作・超高出力試験型Ⅹ~rex
生体回路を実装した実戦用の最終試験モデル。更なる出力の上昇とともに遠隔攻撃兵器などの使用をも可能にし、攻撃可能範囲および攻撃目標数を格段に増やす事に成功した。また、新たな兵装として『イージス』対実弾・対エネルギー兵器シールドシステムが搭載され、防御力も格段に上がっている。Ⅹは生体回路露出型、それ以降のモデルは完全な内蔵型となっている。特に、rexは戦略級大量殺戮兵器の使用も可能な超高出力型の生体回路を搭載し、戦場における迅速な拠点制圧作戦も一体のみで遂行可能なほどの性能を有する。
開発開始順にⅩ,Genesis(G-1),Genocide(G-2),Rex。
・量産型AW(政府軍製AW)
試験型の実験データより十分実戦での使用が可能と認められ、IWSは更なる生体回路の改良と整備性の向上がおこなわれた。そして、第13独立機動群の採用を皮切りに、中央政府軍各部隊において量産型のAWが採用される事となった。ここでは現用IWSのイヴィルレイと、兵装各種を説明する。
*イヴィルレイ
量産型AWとして高い整備性と汎用性を誇るモデル。内蔵兵装の種類によって高機動・近距離攻撃・重攻撃・後方支援・索敵の五種類に分かれる。また、特殊なタイプとしてイヴィルスナイパー(高高度からの精密狙撃特化)が存在する。
○高機動型
主武装をビームライフルとエネルギーブレードとし、予備武装としてグレネードランチャー追加装備型マシンガンと対装甲アーミーナイフ二本を装備する。武装自体は大したものではないが、背部と脚部に高出力のスラスターウイングを展開し、空中を高速で移動できる。兵士の大半はこれを選択している。
○近距離攻撃型
主武装を大型のエネルギーブレード二本とし、予備武装として投擲榴弾とエネルギートリプルクロー二本、対装甲アーミーナイフ二本を装備する。高機動型と同じくスラスターウイングが展開できるが、出力は多少劣る。しかし、至近距離においての戦闘能力は高い。
○重攻撃型
主武装は四連装ミサイルランチャーと重ライフル砲。予備武装としてチャフディスペンサーと高性能小型爆雷を装備する他、特殊兵装として小型の巡航ミサイル搭載装備も積んでいる。質量的にも他のタイプと比べ重くなるため、スラスターウイングは大型・高出力化している。また、生体回路も他のタイプより耐久性が高い。
○後方支援型
主武装は両腰にマウントして使用するタイプの高出力ビームブラスター砲二門と対空小型ミサイル。予備武装としてフレア・チャフディスペンサーと近距離戦闘用のマシンガンを装備している。重攻撃型よりは軽いものの、やはり質量があるためスラスターウイングは大型化している。ただし、重攻撃型よりは小回りが利く。
○索敵型
主武装は通常のライフルのみ。予備武装もマシンガンとアーミーナイフ二本という貧弱な武装だが、エネルギー消費を極限まで削った結果、長時間の作戦遂行が可能になっている。また、完全内蔵・索敵特化型のAWローレライと同じく、特殊な広範囲索敵システムを搭載しているため、レーダー使用不可という条件下でも目標の補足が可能である。直接戦闘に関わるという事はなく、比較的戦闘の少ない高高度での活動のみ。スラスターウイングは燃焼効率が高く、エネルギー消費が少ない。
○イヴィルスナイパー
イヴィルレイの発展形ともいえるタイプ。主武装はロングレンジレーザーライフルと光学望遠スコープ。予備武装として至近距離での戦闘用にエネルギーブレード一本と、通常ライフル、そして対装甲アーミーナイフ二本を標準で装備している。スラスターウイングは索敵型に近い低燃費型だが、出力はレーザーライフルへのエネルギー供給のために高出力化されている。索敵型と同じく、高高度域で作戦を行う。
*ラインゴルト
最新鋭の技術を投入し、さらに機能強化を実現した上位機種モデルといってもいいAW。イヴィルレイとは設計コンセプト自体が異なり、より強力で、より効率のよい回路設計になっている。中距離での戦闘を視野に置き、高出力ビームライフルとエネルギーブレードを標準の主武装としている。また、予備武装にも小型のビームガンを装備し、エネルギー兵器を追加。そして、最大の特徴はイージスシステムを試験的に投入した事であり、最大四方向の攻撃に対して自動で防御シールドを発生させ、無効化する事が可能になった。これによって使用している兵士の生存確率も格段に上がっている。主に独立機動群の隊長クラスが使用し始めている。現段階では普及率が非常に低いものの、今後イヴィルレイに変わる主力AWとなる可能性が高い。
・一部装備型AW
全身をAW化するのではなく、腕や脚といった身体の一部だけにIWSを実装し、元々戦闘能力の高い兵士に更なる能力を提供するタイプのAW。主流が全身型の為現段階ではあまり使用されていないものの、今後未開拓地での使用が期待されている簡易型でもある。出力は全身に装備するタイプと比べると低く、扱える装備も実装した箇所によって制限されるが、それでも確実な戦力強化には繋がっているようである。
・イルデーナフ製AW
中央政府が開発を進めているのと同じように、イルデーナフも独自にAWの開発、すなわちIWS技術の開発を進めていた。基本概念が共通しているとはいえ、中央政府製のそれとは全く異なった構造になっている。また、中央政府軍よりも一足先に量産化を開始している。現在『IWSヴァンガード』は戦闘用、およびイルデーナフメンバーの護衛として使用されている。特に注目すべきはイージスシステムの採用であり、全方位とまではいかないものの、ほぼ死角なしの防御機能を備えている事である。主武装はビームマシンガン(ビームライフル仕様もあり)とエネルギーブレード、予備武装は榴弾発射筒装備アサルトライフルと対装甲剣、そして二連装フックショットとなっている。
また、戦場においてヴァンガードとは異なる形態のAWが数種類確認されているが、その詳細は一切明らかになっていない。
(C)akkiy/akkiy_d/あっきぃ
一言で言うと、「兵器化されたAA」の事。具体的にはIWS(内蔵兵装システム)と呼ばれる機能を人為的に付加したAAの事。これは、兵器の情報を体内で格納できるサイズのデータ片に変換し、使用する際に再変換して展開するという体内格納庫システムで、これを使用する事により、今まで物理的に運ぶのが困難だった量の兵装が一体だけで輸送でき、しかも状況に応じて兵装を自由に変更できるので、直接的に作戦の幅を広げる事に繋がる、という先進軍事技術である。
大戦末期から研究が開始されていた技術だが、実用化されたのはここ数年である。何故システムの実用化が遅れたのかというと、原因として再変換時のトラブルがあったからといえる。データ片への変換までは既存の技術を応用すれば良かったが、再変換して展開する際、その出現箇所がランダムになってしまうという問題が発生した。偶然手の届く範囲に兵装が展開されればいいが、そうでない場所に展開された場合は兵器を格納・再展開しなければならない。その間に攻撃を受けて死んでは意味がない、ということで実用化が見送られてきた。しかし、生体回路によってあらかじめ生成する箇所を何箇所か設定しておき、その箇所とコードを合致させる事で適切な箇所で展開するという技術が近年になって生み出され、やっと実現化される事となった。
また、生体回路の応用によってエネルギー兵器の使用も可能になり、兵装選択の幅がさらに広がった。これがAWの実用性向上に繋がった、というのは言うまでもない。中央政府軍主導による量産化や新たなタイプの開発により、その種類も次々と増えている。
◎AW各種仕様と概略
・IWSE
IWSの実動実験モデルとして開発されたタイプ。大まかに分けると、三種類のタイプが存在する。
*試験型Ⅰ~Ⅳ
生体回路実験の初期実験型モデル。出力が低いため、実弾兵器のみを使用する事ができる。また武装も二種類しか使用できない。Ⅴの暴走事故の際、Ⅴの迎撃に向かわせるも全個体が撃墜・死亡している。被験者の負担が軽かったため、動作は比較的安定的であった。
すべてがほぼ同時期に開発・試験開始されている。
*試験型Ⅴ~Ⅸ
生体回路実験の高出力多装備型モデル。出力レベルは格段に上昇し、エネルギー兵器の使用も可能になった。一方でⅤの暴走事故のように、個体の処理能力がシステムに追いつかずに過負荷がかかり、暴走する危険性も高くなってしまった為、回路の設計がほとんど共通しているⅥに対しては一度破壊処分命令が下されたほどである。Ⅶ以降のモデルについては、生体回路側で出力の調整の大半を自動的に行う補助デバイスを搭載する事により、個体の暴走をほぼ完全に抑える事に成功している。またⅥにおいても補助制御デバイスを使用する事で、暴走を完全に抑制できている。
開発開始順にⅤ,Ⅵ,Ⅶ,Ⅷ,Ⅸ。
*最終試作・超高出力試験型Ⅹ~rex
生体回路を実装した実戦用の最終試験モデル。更なる出力の上昇とともに遠隔攻撃兵器などの使用をも可能にし、攻撃可能範囲および攻撃目標数を格段に増やす事に成功した。また、新たな兵装として『イージス』対実弾・対エネルギー兵器シールドシステムが搭載され、防御力も格段に上がっている。Ⅹは生体回路露出型、それ以降のモデルは完全な内蔵型となっている。特に、rexは戦略級大量殺戮兵器の使用も可能な超高出力型の生体回路を搭載し、戦場における迅速な拠点制圧作戦も一体のみで遂行可能なほどの性能を有する。
開発開始順にⅩ,Genesis(G-1),Genocide(G-2),Rex。
・量産型AW(政府軍製AW)
試験型の実験データより十分実戦での使用が可能と認められ、IWSは更なる生体回路の改良と整備性の向上がおこなわれた。そして、第13独立機動群の採用を皮切りに、中央政府軍各部隊において量産型のAWが採用される事となった。ここでは現用IWSのイヴィルレイと、兵装各種を説明する。
*イヴィルレイ
量産型AWとして高い整備性と汎用性を誇るモデル。内蔵兵装の種類によって高機動・近距離攻撃・重攻撃・後方支援・索敵の五種類に分かれる。また、特殊なタイプとしてイヴィルスナイパー(高高度からの精密狙撃特化)が存在する。
○高機動型
主武装をビームライフルとエネルギーブレードとし、予備武装としてグレネードランチャー追加装備型マシンガンと対装甲アーミーナイフ二本を装備する。武装自体は大したものではないが、背部と脚部に高出力のスラスターウイングを展開し、空中を高速で移動できる。兵士の大半はこれを選択している。
○近距離攻撃型
主武装を大型のエネルギーブレード二本とし、予備武装として投擲榴弾とエネルギートリプルクロー二本、対装甲アーミーナイフ二本を装備する。高機動型と同じくスラスターウイングが展開できるが、出力は多少劣る。しかし、至近距離においての戦闘能力は高い。
○重攻撃型
主武装は四連装ミサイルランチャーと重ライフル砲。予備武装としてチャフディスペンサーと高性能小型爆雷を装備する他、特殊兵装として小型の巡航ミサイル搭載装備も積んでいる。質量的にも他のタイプと比べ重くなるため、スラスターウイングは大型・高出力化している。また、生体回路も他のタイプより耐久性が高い。
○後方支援型
主武装は両腰にマウントして使用するタイプの高出力ビームブラスター砲二門と対空小型ミサイル。予備武装としてフレア・チャフディスペンサーと近距離戦闘用のマシンガンを装備している。重攻撃型よりは軽いものの、やはり質量があるためスラスターウイングは大型化している。ただし、重攻撃型よりは小回りが利く。
○索敵型
主武装は通常のライフルのみ。予備武装もマシンガンとアーミーナイフ二本という貧弱な武装だが、エネルギー消費を極限まで削った結果、長時間の作戦遂行が可能になっている。また、完全内蔵・索敵特化型のAWローレライと同じく、特殊な広範囲索敵システムを搭載しているため、レーダー使用不可という条件下でも目標の補足が可能である。直接戦闘に関わるという事はなく、比較的戦闘の少ない高高度での活動のみ。スラスターウイングは燃焼効率が高く、エネルギー消費が少ない。
○イヴィルスナイパー
イヴィルレイの発展形ともいえるタイプ。主武装はロングレンジレーザーライフルと光学望遠スコープ。予備武装として至近距離での戦闘用にエネルギーブレード一本と、通常ライフル、そして対装甲アーミーナイフ二本を標準で装備している。スラスターウイングは索敵型に近い低燃費型だが、出力はレーザーライフルへのエネルギー供給のために高出力化されている。索敵型と同じく、高高度域で作戦を行う。
*ラインゴルト
最新鋭の技術を投入し、さらに機能強化を実現した上位機種モデルといってもいいAW。イヴィルレイとは設計コンセプト自体が異なり、より強力で、より効率のよい回路設計になっている。中距離での戦闘を視野に置き、高出力ビームライフルとエネルギーブレードを標準の主武装としている。また、予備武装にも小型のビームガンを装備し、エネルギー兵器を追加。そして、最大の特徴はイージスシステムを試験的に投入した事であり、最大四方向の攻撃に対して自動で防御シールドを発生させ、無効化する事が可能になった。これによって使用している兵士の生存確率も格段に上がっている。主に独立機動群の隊長クラスが使用し始めている。現段階では普及率が非常に低いものの、今後イヴィルレイに変わる主力AWとなる可能性が高い。
・一部装備型AW
全身をAW化するのではなく、腕や脚といった身体の一部だけにIWSを実装し、元々戦闘能力の高い兵士に更なる能力を提供するタイプのAW。主流が全身型の為現段階ではあまり使用されていないものの、今後未開拓地での使用が期待されている簡易型でもある。出力は全身に装備するタイプと比べると低く、扱える装備も実装した箇所によって制限されるが、それでも確実な戦力強化には繋がっているようである。
・イルデーナフ製AW
中央政府が開発を進めているのと同じように、イルデーナフも独自にAWの開発、すなわちIWS技術の開発を進めていた。基本概念が共通しているとはいえ、中央政府製のそれとは全く異なった構造になっている。また、中央政府軍よりも一足先に量産化を開始している。現在『IWSヴァンガード』は戦闘用、およびイルデーナフメンバーの護衛として使用されている。特に注目すべきはイージスシステムの採用であり、全方位とまではいかないものの、ほぼ死角なしの防御機能を備えている事である。主武装はビームマシンガン(ビームライフル仕様もあり)とエネルギーブレード、予備武装は榴弾発射筒装備アサルトライフルと対装甲剣、そして二連装フックショットとなっている。
また、戦場においてヴァンガードとは異なる形態のAWが数種類確認されているが、その詳細は一切明らかになっていない。
(C)akkiy/akkiy_d/あっきぃ