シリウスの環

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国内漁船20万隻、15日に一斉休漁…燃料高騰対策求め

2008-07-15 23:27:08 | ニュース
国内漁船20万隻、15日に一斉休漁…燃料高騰対策求め(読売新聞) - goo ニュース
世界的な原油価格高騰を受けて15日、国内のほぼすべての漁船約20万隻が一斉に休漁する。漁師からは「燃料のコスト高が続けば廃業に追い込まれかねない」との声も出ており、燃油値上がり分の補てんなどの救済策を政府に求める。

***以上一部引用***

先日はイカ釣り漁船は休漁しましたが、今回は全ての漁船は休業です。
原油価格の高騰により燃料コストが高騰したにも関わらず、魚の取引価格はほぼ横ばい状態のため漁をすても赤字になる現状があります。

政府に救済策を求めていますが、救済策はあまり期待できないと思われます。
理由は以下のとおりです。
・漁業へ救済策を行なうと運輸など他の業種への救済を行なわないと不公平になる。
・漁業関係の族議員が少ない。←政治家に献金する関係組織が少ないため?

福田首相は環境保護を理由にガソリン等燃料価格の高騰を容認していますが、政治家としてまともな神経とは思えません。
現在の高騰が中長期的に継続した場合、日本の漁業は崩壊します。
運輸関係であれば、コスト増分を価格に上乗せすることが可能ですが、漁業の場合基本的にセリで卸価格が決まるためコストを転嫁できません。

運輸業はコストを転嫁できると述べましたが、安易に転嫁を行なうと業績悪化を招くため安易に転嫁できないというジレンマもあります。
航空業界では、地方路線の休止を打ち出すなど少なからず影響がでています。

現在の原油価格の高騰の原因ですが、米国のサブプライムローンが影響していると言われています。
これは、サブプライムローンに流れていた資金が、原油先物取引に流れたためです。

先物取引は本来リスクヘッジ(価格変動の影響を軽減するための手段)として用いられますが、問題となっているのは投機目的の取引です。
先物取引は、基本的の以下の流れで行なわれます。

・将来の価格上昇を予想して商品を購入、価格上昇後売却し利益をあげる。
・将来の価格下落を予想して商品を売却、価格下落後買戻し利益をあげる。

現物がなくても紙面や電子データでの取引が可能なのが特徴です。
リスクヘッジを目的とした先物取引の説明をしようと思ったのですが、長くなるので後日「勉強会」のカテゴリーにて説明します。

ともあれ、現時点では原油や小麦等の価格が下がる要素がまったく見えません。
物価の上昇と所得の上昇が等しく推移していればさほど問題はないのですが、現状では所得の上昇はない(むしろ下降気味)にも関わらず物価の上昇が続いています。
所得が減少するなか物価が上昇していく現象をスタグフレーションといいます。
2008年5月に日本銀行の白川総裁が参議院の財政金融委員会で「日本がスタグフレーションに陥るおそれがある」という認識を持っているとの発言がありました。
個人的には、既にスタグフレーションに陥っているという感じがしますが・・・。

よく耳にするインフレーション(所謂、インフレ)との違いは、インフレは物価の上昇により貨幣価値が低下する現象です。
原材料の高騰による物価上昇は、インフレの1種である「コストインフレ」と言われ、まさに現在の状況です。
需要インフレ(需要>供給による価格の上昇)であれば、供給側の売上は増加し更なる設備投資や賃金の上昇が見込めるため、好循環が期待できます。
しかし、コストインフレでは企業の売上は上がらず設備投資や賃金上昇も見込めません。
むしろ、コスト増に対応するため設備投資の削減や賃金抑制に向かったときに、スタグフレーションとなります。

大東亜戦争末期の格言(?)として、「国滅びて銀河あり」という言葉があります。
銀河とは、大東亜戦争末期に開発された陸上爆撃機です。
軍の無謀な性能要求を実現するために、量産性や整備性が極端に低く出撃できない機体が続出しました。
「国滅びて銀河あり」とは、国が滅んでも格納庫には多数の銀河は並んでいる状態を揶揄してのものです。
今の福祉よりも道路を優先する行政を見ていると、「国滅びて道路あり」と過去に言われかねない気がします。

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