Akatsuki庵

後活(アトカツ)中!

キュートな色絵

2018年01月26日 06時04分47秒 | 美術館・博物館etc.
☆出光美術館 サイト
 『色絵 Japan CUTE!』
 ※3月25日(日)まで

江戸時代の初期から中期にかけて一気に花開いた色絵の世界。

京焼も伊万里も鍋島も、古九谷も。
考えてみれば、陶器か磁器は関係なく、みーんな「色絵」にくくることができるんだなぁ。

「分類」という視点に置いて、目から鱗が落ちた気分になった。

焼き物に色がつくということは、とても画期的なことであり、喜びに満ちた技術革新だったのだろう。

まずは季節を表現できる。草花や鳥たちや動物たちに色をつけて描くことができる。

松竹梅の大皿に漆器の屠蘇具が添うとよりJapan!な感じ。

古伊万里の桜花文や鍋島の野菜文やら、見ているだけで面白かった。

古九谷も初めて「おもしろい」と思った。
脇に小袖の見本帳みたいな図があって、着物の図柄と極めてよく似ている。

小袖が先で絵皿が参考にしたのか、はたまた逆なのかはわからない。

だけど、小袖も絵皿も当時の流行の最先端をいっていたのは間違いなさそうだ。

流行の先端といえば、乾山の十二ヶ月花鳥図角皿?
本当にあちこちで見かける。流行っていたんだろうなぁ。

そして、日本の色絵は世界へも。

絵柄を真似たイギリス製(とくに多かった)、オランダ製、ドイツ(マイセン)製ぐらいは知っていたが、
そして中国製まであったのには驚いた。(逆輸入!)

オーストリアのウイーン窯とかポーランドのワルシャワ窯というのもあって、珍しい。

後半はモチーフに人間や動物を取り込んだ、絵柄じゃなくて像。

柿右衛門の女性の像がいい。
髷や小袖など、当時の風俗がよくわかる。お化粧も再現されているのだろう、きっと。

仁清も「色絵」になる。
3ヶ月前に門司で見たお茶碗や香合にまた“再会”。
東へ西へ。お茶碗も旅をする。ご苦労なことだ。

最後は輸出用の酒器。
蛇口のついたタイプのものがすごい。

ティーカップとソーサもあった。

鎖国しながらも、自分たちと全く違う文化を持つ「外国」の存在を知り、
何の疑問もなく、その「外国」へ売るための、外国人が使う食器を造った江戸時代の陶工たち。

自らが海を渡って、その道具を使う人々と交流したいという思いはなかたのかなぁ。
ということが気になった。

出光美術館の次の出し物も茶道具関連。
 『宋磁』 4月21日(土)~6月10日(日)

楽しみ。
(サントリー美術館のカードで割引になるし)

※出光美術館バックナンバーリスト
2017.10月『京みやび ―仁清・乾山と色絵の競演』(門司)
2017.5月『茶の湯のうつわ ―和漢の世界』
2016.6月『美の祝典』Ⅱ(パート2)
2015.10月『日本の美・発見X躍動と回帰 ―桃山の美術』
2014.11月『仁清・乾山と京の工芸 ―風雅のうつわ』
2014.3月『没後50年・大回顧展『板谷波山の夢みたもの-〈至福〉の近代日本陶芸』』
2013.6月『やきものに親しむ10 古染付と祥瑞』
2013.5月 『源氏絵と伊勢絵』
2012.9月 『白く美しいやきもの 純なる世界』
2012.4月 『悠久の美 -唐物茶陶から青銅器まで』
2011.8月 『明・清陶磁の名品 -官窯の洗練、民窯の創造』
2011.1月 『酒井抱一生誕250年 琳派芸術 ―光悦・宗達から江戸琳派―』
2010.12月 『やきものに親しむVIII 茶陶の道 ―天目と呉州赤絵―』
2010年9月『SENGAI Zen and Humaor 仙』
2010年4月『茶 Tea-喫茶のたのしみ』
2010年1月『麗しのうつわ』
2008年12月『陶磁の東西交流』
2008年4月『柿右衛門と鍋島』
2007年11月『乾山の美術と光琳』
2009年3月『出光美術館コレクションの至宝「茶の湯の美」』 栃木県立美術館

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 大寒 次候 水沢腹堅 | トップ | 2014年 京都・安上がりの旅 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

美術館・博物館etc.」カテゴリの最新記事