☆出光美術館 サイト
『仁清・乾山と京の工芸 ―風雅のうつわ』
※12月21日(日)まで
久しぶりの出光美術館。
野々村仁清は大好きなので、サイトから予め展示リストと見どころの解説を印刷。
予習もバッチリ☆
まずは京焼の成立過程から。
もともと、宮中や寺社の食器~白い釉薬のかかった器~の需要から
焼き物は製造される土壌にあった。
とはいえ、最初は他の土地で作られた陶器を摸倣することから始まったとは。
今更ながら意外に感じた。
高麗の伊羅保茶碗と(京焼の)伊羅保写茶碗、並べてみると、見事なコピーっぷり!
唐津写や高取写、はては御本写まで、初期の京焼は実にコピー天国
一つ評価を間違えれば“バッタもん”になりかねない
なんてことを思ってしまうほど。
江戸時代初期の京焼って、こんなんのだったのかぁ。
そういえば、この頃って、宗易形の茶碗もあっただろうし、
織部や志野といった美濃焼が京の町にもてはやされていたのだっけ。
(せともの町)
そして、ある時期を境に美濃焼は忘れ去られ、
代わって台頭するのが京焼というわけ。
でも、最初は写ものから。
なるほど。
仁清の初期の作品も信楽写。
そういえば、現存する仁清最古の作品も三島写の水指だった。←香川県にある。こちら
たとえ、写ものであっても京みやびを出そうと優雅な曲線やおしゃれな耳をつけるところが
やっぱ仁清だなぁ
乾山の写もすごい。
オランダのデルフト写なんて、オリジナルより高度な彩色と形。
さび絵や宋胡禄も、私は乾山の方が好きだな。
極めつけは仁阿弥道八のドイツ製の壺の写し
いかにもドイツの壺を日本人が写しました~なんだけど、
ちゃんと日本テイストにしてしまうところがなんともユニーク。
(顔は笑える。さすが道八)
写しものを楽しんだあとは白釉の世界。
以前から、仁清の作品を見て、鮮やかな色使いと白いスッとしたものの
いわば両極端の作品が同時期に存在するのを不思議に思っていた。
今回、その疑問が解決。
白釉は公家からの求めに応じて作り、
色絵は武家(大名家)からの発注だったのだ。
なんだか逆じゃないの???と思いつつ、
でも、公家は衣装とか諸々が鮮やかな分、小道具の陶磁器はシンプルさを求めたのかも。
なんて、考えてみたり。
仁清の白釉は本当にフォルムが美しい。
高取の水指を参考にしたとおぼしき白釉耳付水指なんて、耳のつけどころが雅
平安時代の甑(=御酒を入れる器)のようで。
さび絵の富士山文茶碗も狩野探幽の絵をそのまま陶器に反映したような繊細さ。
「鍬形」花入もまた然り。
前日、「和風総本家」を見ていたので、思ったんだけど。
「鍬」じゃなくて、流鏑馬用の弓矢の先端の形じゃないかなぁ。
そして、後半の部屋に移動。
展示品は一変
鮮やかな色絵の世界。
仁清に発注した大名家は主に加賀前田家と丸亀京極家だったそうな。
だから、国宝の仁清作の香合は金沢に遺され、最古の作品が高松から出てきたのか。
華麗な釘隠し、京漆器の模様を鮮やかに反映した熨斗文茶碗。
かわいい香合。
黒漆を見事に再現した仁清黒。
眼福、眼福、堪能させてもらった。
乾山の器も見事だったけど、
今回は仁清メインで見たから、感想は割愛。
(こちらも、とてもヨカッタよー)
仁清、乾山に始まった京焼が華麗に受け継がれていったであろう器と
仁阿弥道八の作品を3点を見て、展示室を出た。
陶片室は京焼と同時期に焼かれたであろう京都以外の陶磁器。
唐津や美濃など。
暮れから来年春先(12/20~2015/3/1)にサントリー美術館で道八展がかかるようで。
こちらも楽しみ。
にほんブログ村
人気ブログランキングへ
応援ヨロシク致しマス
★出光美術館バックナンバーリスト
2014.3月『没後50年・大回顧展『板谷波山の夢みたもの-〈至福〉の近代日本陶芸』』
2013.6月『やきものに親しむ10 古染付と祥瑞』
2013.5月 『源氏絵と伊勢絵』
2012.9月 『白く美しいやきもの 純なる世界』
2012.4月 『悠久の美 -唐物茶陶から青銅器まで』
2011.8月 『明・清陶磁の名品 -官窯の洗練、民窯の創造』
2011.1月 『酒井抱一生誕250年 琳派芸術 ―光悦・宗達から江戸琳派―』
2010.12月 『やきものに親しむVIII 茶陶の道 ―天目と呉州赤絵―』
2010年9月『SENGAI Zen and Humaor 仙』
2010年4月『茶 Tea-喫茶のたのしみ』
2010年1月『麗しのうつわ』
2008年12月『陶磁の東西交流』
2008年4月『柿右衛門と鍋島』
2007年11月『乾山の美術と光琳』
※2009年3月『出光美術館コレクションの至宝「茶の湯の美」』 栃木県立美術館
『仁清・乾山と京の工芸 ―風雅のうつわ』
※12月21日(日)まで
久しぶりの出光美術館。
野々村仁清は大好きなので、サイトから予め展示リストと見どころの解説を印刷。
予習もバッチリ☆
まずは京焼の成立過程から。
もともと、宮中や寺社の食器~白い釉薬のかかった器~の需要から
焼き物は製造される土壌にあった。
とはいえ、最初は他の土地で作られた陶器を摸倣することから始まったとは。
今更ながら意外に感じた。
高麗の伊羅保茶碗と(京焼の)伊羅保写茶碗、並べてみると、見事なコピーっぷり!
唐津写や高取写、はては御本写まで、初期の京焼は実にコピー天国
一つ評価を間違えれば“バッタもん”になりかねない
なんてことを思ってしまうほど。
江戸時代初期の京焼って、こんなんのだったのかぁ。
そういえば、この頃って、宗易形の茶碗もあっただろうし、
織部や志野といった美濃焼が京の町にもてはやされていたのだっけ。
(せともの町)
そして、ある時期を境に美濃焼は忘れ去られ、
代わって台頭するのが京焼というわけ。
でも、最初は写ものから。
なるほど。
仁清の初期の作品も信楽写。
そういえば、現存する仁清最古の作品も三島写の水指だった。←香川県にある。こちら
たとえ、写ものであっても京みやびを出そうと優雅な曲線やおしゃれな耳をつけるところが
やっぱ仁清だなぁ
乾山の写もすごい。
オランダのデルフト写なんて、オリジナルより高度な彩色と形。
さび絵や宋胡禄も、私は乾山の方が好きだな。
極めつけは仁阿弥道八のドイツ製の壺の写し
いかにもドイツの壺を日本人が写しました~なんだけど、
ちゃんと日本テイストにしてしまうところがなんともユニーク。
(顔は笑える。さすが道八)
写しものを楽しんだあとは白釉の世界。
以前から、仁清の作品を見て、鮮やかな色使いと白いスッとしたものの
いわば両極端の作品が同時期に存在するのを不思議に思っていた。
今回、その疑問が解決。
白釉は公家からの求めに応じて作り、
色絵は武家(大名家)からの発注だったのだ。
なんだか逆じゃないの???と思いつつ、
でも、公家は衣装とか諸々が鮮やかな分、小道具の陶磁器はシンプルさを求めたのかも。
なんて、考えてみたり。
仁清の白釉は本当にフォルムが美しい。
高取の水指を参考にしたとおぼしき白釉耳付水指なんて、耳のつけどころが雅
平安時代の甑(=御酒を入れる器)のようで。
さび絵の富士山文茶碗も狩野探幽の絵をそのまま陶器に反映したような繊細さ。
「鍬形」花入もまた然り。
前日、「和風総本家」を見ていたので、思ったんだけど。
「鍬」じゃなくて、流鏑馬用の弓矢の先端の形じゃないかなぁ。
そして、後半の部屋に移動。
展示品は一変
鮮やかな色絵の世界。
仁清に発注した大名家は主に加賀前田家と丸亀京極家だったそうな。
だから、国宝の仁清作の香合は金沢に遺され、最古の作品が高松から出てきたのか。
華麗な釘隠し、京漆器の模様を鮮やかに反映した熨斗文茶碗。
かわいい香合。
黒漆を見事に再現した仁清黒。
眼福、眼福、堪能させてもらった。
乾山の器も見事だったけど、
今回は仁清メインで見たから、感想は割愛。
(こちらも、とてもヨカッタよー)
仁清、乾山に始まった京焼が華麗に受け継がれていったであろう器と
仁阿弥道八の作品を3点を見て、展示室を出た。
陶片室は京焼と同時期に焼かれたであろう京都以外の陶磁器。
唐津や美濃など。
暮れから来年春先(12/20~2015/3/1)にサントリー美術館で道八展がかかるようで。
こちらも楽しみ。
にほんブログ村
人気ブログランキングへ
応援ヨロシク致しマス
★出光美術館バックナンバーリスト
2014.3月『没後50年・大回顧展『板谷波山の夢みたもの-〈至福〉の近代日本陶芸』』
2013.6月『やきものに親しむ10 古染付と祥瑞』
2013.5月 『源氏絵と伊勢絵』
2012.9月 『白く美しいやきもの 純なる世界』
2012.4月 『悠久の美 -唐物茶陶から青銅器まで』
2011.8月 『明・清陶磁の名品 -官窯の洗練、民窯の創造』
2011.1月 『酒井抱一生誕250年 琳派芸術 ―光悦・宗達から江戸琳派―』
2010.12月 『やきものに親しむVIII 茶陶の道 ―天目と呉州赤絵―』
2010年9月『SENGAI Zen and Humaor 仙』
2010年4月『茶 Tea-喫茶のたのしみ』
2010年1月『麗しのうつわ』
2008年12月『陶磁の東西交流』
2008年4月『柿右衛門と鍋島』
2007年11月『乾山の美術と光琳』
※2009年3月『出光美術館コレクションの至宝「茶の湯の美」』 栃木県立美術館
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます