松本清張『西郷札』
『西郷札』はかの松本清張の処女作であり、それにふさわしい初々しさに満ちている。 作者が4...
松本清張 『西郷札』 その2
没落した士族の息子雄吾は、父の後妻の連れ子季乃と兄妹のように育つ。 父親は亡くなり、...
松本清張 『西郷札』最終章
作者は作品を書く時間も経費も惜しんだ。 新聞社の帰り道、近道の鉄路を通って 星明かりの...
錦繍
一面に錦を織りなしたように山が紅葉する様子を錦繍と言う。 宮本輝氏の名作に『錦繍』が...
錦繍 その2
『錦繍』は十年前に別れた夫婦が蔵王を登るゴンドラの中で再会する場面から始まる。 時は錦...
錦繍 最終章
『錦繍』を渡してから何日か後、彼がちょっと照れた顔で私に本を差し出してくれた。 灰谷健...
小池真理子 その1
同じ場所へは行けるが、同じ時間に行く事は不可能だ。 大好きな故郷がもはや子ども時...
小池真理子 その2
有名な『恋』を始めとして、彼女の小説は徹底的にエンターテイメントである。 作者の描く...
小池真理子 最終章
小池真理子の夫君は作家の藤田宜永である。 彼が直木賞を受賞した時、インタビューアーが「...
ピーナッツとラムネの匂う映画館
降りしきる冷たい雨を見て、ふと映画のワンシーンを思い出した。 往年の時代劇の名優、片...