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読書の森

金井美恵子『家族アルバム』

麗かな春の午後は、甘い気分を誘ってくれます。
とは言え、コロナ禍でかつ深刻なウクライナの戦いの世の中、「甘い気分」と口にするのも憚られます。

それにこのところの、up down の激しい気候と自分の年齢、別な意味で危険な気分になってまいります。



家で大人しく在庫の本の整理をしてる内につい拾い読み、思わぬ発見があります。

先日紹介したアンソロジー『おいしい話』の中の金井美恵子の短編です。

金井美恵子は詩人でかなり激越な思想を持つと聞き、敬遠してたのですが、この物語はかなりほっこりしたものです。
「困ったもんだ」と言いながら笑えてしまうような感じであります。

祖父母や両親を食べ物が原因(!)で亡くした兄弟二人。
伊勢海老中毒で他界した母の通夜で、淡々とした何故かおかしみを込めた会話を交わすのです。

祖父はタルタルステーキと酒で中毒、父は河豚中毒、祖母はお餅を咽喉に詰まらせて、それぞれあえない最期を遂げているのです。

そこで兄弟はお互い食べ物で亡くなるなら、何で死ぬのが一番心残りがないか、と話し合う。

何でしょうね。こんなご時世だと、いっそその方が楽しいかな(!?)などと思ってしまう。^_^

金井美恵子さんは同世代の人で、この話の中に出てくる、かき氷のエピソードなど、震えるような懐かしさを覚えてしまいました。



デパートでカレーパンを購入しました。私としては高級パン?でございます。
カレーはカレーでも横須賀の海軍カレーでした。ただちょっとパンチ不足でありました。


1か月程前に蕗の薹だった彼らは立派な蕗となってます。
蕗の薹も蕗も注意して調理しないと、それこそ中毒する恐れがありますよ。
どうせ中毒するなら蕗より伊勢海老の方がよろしいので我慢します。

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