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読書の森

イジメと長谷川町子『いじわるばあさん』

漫画の『サザエさん』を知ってる方でも、『いじわるばあさん』を知らない方今は多いでしょうね。

昭和の高度成長期、年寄りの数は少なくて(平均寿命は短いし戦争を挟んでたので)、大人数の家庭内も年功序列が効いて、舅姑は結構威張れたのです。

和服姿で、後ろでお団子髷を結ったスッピンの婆さん(なんと50代で老婆と新聞に書かれてた)は、昭和40年頃までよく見かました。
ただし、この漫画の主人公みたいに派手なイジメをする人は滅多にいません。爺さん婆さんは一応良識ある人生の達人のフリしてました。でも、ジメジメチクチク皮肉っぽく若い人をイジメる年寄りはかなりいたみたい。

ところが、この意地悪ばあさんのイジメはよく言えば陽性で明るい、悪く言えば恥ずかしい位あからさまでございます。

今どきのばあさんがこのマネしようものなら、若い子の集団から逆にコテンパンにやっつけられかねません。

前のを紹介して「私」と間違えられたらどうしよう?
などとあらぬ心配して削除してしまいました。


(な、訳ないのを選びました)
舞台は昭和40年代の前半(1960年代)。

こんなのばかりでなく、頭脳的ではあるけどかなり強烈ないじわるもあります。
気づいたのは、「気に食わない相手に意地悪仕掛ける気持ちは誰でも持ってるのではないか」という事です。
漫画を読むと結構私自身のストレス解消になりました。

もはや私もこのばあさんの境地に至ったようです。
自分を健気で一生懸命に見せてるのが美徳だった時代はとうに終わってしまったのをしみじみ自覚致します。


実は作者長谷川町子も小学生の時強烈な意地悪を男子生徒に仕掛けたそうです。

学級委員をしていて自習を怠けている男の子の頭を定規で叩いて、卒業式の時仕返しをしようとした子を学校の物置に閉じ込めて帰っちゃたそうです。
相当ヤンチャで酷いと思いますが。
それで町子さんは、サザエさんより意地悪ばあさんの方が自分のキャラクターに近いとか、言ったそうな。

「そんな事言ったらお嫁の口が無くなるわよ」なんて時代が過ぎてしまったのでしょうか?

意地悪ばあさん』は思いついたら単独で直ぐ悪戯を実行しちゃう、陰湿ではない。
ホントはいけない事ですがね。

ただ、憎たらしい相手をやっつけるいじわるもユーモラスに仕掛ければ、半分笑って済ませる事が出来るかも。
お互いにバカらしいと苦笑いして終わりになったら平和です。

憎たらしい相手との関係で陰湿な成り行きを避けるためにも面白い(?)イジメの工夫を凝らすだけでも、スッキリするかも、と物騒な事を考えてしまいました。


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