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読書の森

ジェラシー(続き)



萌は白いポロシャツに紺のスカートと言う学生の様な格好で現れた。
「ふん、若い子ぶって」
奈美はずッと睨みつけていた。

途中から奈美に気付いた萌はひどく哀しそうな目で奈美を見た。

同じバスに乗り、奈美は威嚇するように前の席に座る。
美容院でカットしたばかりのスッキリした髪。いい家の主婦らしい抑えた色気のある服装、隙を見せたくなかった。
萌に泰との間柄を聞きたい。どう切り出そう。

突然後ろから声が掛かった。
「田所さんの奥さん誤解です!」
「エッ?」
「先輩の奥様でしょ」

唐突な言葉に驚いて振り返ると萌は泣き出しそうな顔になっている。



奈美は慌てた。
「ねえ、いくらなんでも突然すぎない?私何か誤解してるのですか。何で田所と分かったの」
バスを降りて萌にゆっくりと尋ねた。
奈美の方が年下なのに、一人前の女ではなく子どもを相手にしている気分になった。
相手は教養はあるかもしれないが、ちょっと何かが足りないと、余裕が出てきた。

「私、田所さんの結婚パーティーに呼んでいただきましたから。大勢の中にいましたから、奥さんは覚えてらっしゃらないでしょうが。奥さんのお顔覚えてるんです」

「じゃあ、その頃から主人と仲良かったの。ただの友達だったの?」

萌は哀しかった。
奈美の残酷な視線、無遠慮な言葉。
萌は人一倍敏感で、いちいち傷ついた。
言われの無い誤解はされたくないから、奈美に話しかけたが、相手の意地悪さを感じてしまう。

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