お役に立てれば 〜日日是好日のアダチマ日記〜

日々の暮らしでの小さな工夫や発見、お気に入りのものたちの記録。
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ジュニアじゃなくてもジュニア新書、のススメ 『女性画家 10の叫び』著:堀尾真紀子

2016-12-15 06:00:00 | 勝手に書店員
おはようございます。アダチマです。

「メアリー・カサット展」を観に行った際に、
京都国立近代美術館の1階にあるミュージアムショップで見つけました。
タイトル通り、10名の女性画家の生い立ちから画業を辿った著作。


子どもの頃、よく父親から手渡された岩波ジュニア新書が懐かしくもあり、
(実は当時はあまり熱心に読まなかった。。。反省)
学童向けの平易なことばで書かれていてパラパラと読めそう。
箸休めの読書用に、買って帰りました。
同時期に京都伊勢丹で企画展が開催されていたマリー・ローランサン
含まれていたし。

10人のうち、作風や作品が思い浮かぶ画家が6名。
そのうちのひとり、「ニキ・ド・サンファル」はNHK日曜美術館の
放送を見て知りました。
「フリーダ・カーロ」は映画『フリーダ』をかつて観て以来のファンで、
今年、写真家の石内都さんを追ったドキュメンタリー映画、
『フリーダ・カーロの遺品』を観てますます引かれるようになった存在です。

「小倉遊亀」は日本画家として名前のみ知っているけれど、
私の頭の中で作品と結びついていない。
初めて名前を知った画家も3名もいて、私にもまだまだ未開の地がたくさんあるのだな、と。

本をめくるうちに、著者の名前にも何か見覚えがある様な気がしてきました。
略歴を確かめると、日曜美術館第3代司会者、とあります。
勘を頼りに撮りためた日曜美術館のDVDを観ると、昨年の放送
「放送開始40周年記念。アンコール放送、私と八木一夫」
の中に、その回のゲスト(つまり、タイトルの”私”ですね)である、
版画家の池田満寿夫さんと一緒に出演されていました。1983年の放送。

若かりし頃の池田満寿夫さんのやんちゃだけれど明晰な語り口も印象的でしたが、
画面向かって左手でうなずく男性アナウンサーと司会の堀尾真紀子さんの出で立ちも、
80年代を彷彿させる懐かしいものでした。

そんな訳で、色々と映像を思い浮かべながら、リラックスして読める本でした。
ただし、各画家の作品は一人1作もしくは画像掲載無しの章もあり、
載っている写真も全てモノクロ。
あくまで絵を見た後や図録等作品を確認できる書物を傍らに置いて、
読んで頂くのがよいのかな、とも思いました。

未成年者に向けた教育的メッセージとは捉えずに、
美術に興味を持つきっかけとして、パラパラ読むのにはおススメです。大人の方にも。
何せ、美術展の図録に収録された解説は、
あまりユーザーフレンドリーとは言えないですから。

ジュニアもシニアも、日日是好日

アダチマ


女性画家 10の叫び (岩波ジュニア新書)
クリエーター情報なし
岩波書店