今回、貴重な経験をした。
しかし、反省すべき点が多い。
行こうとしたのは2泊3日で南アルプス、鋸~甲斐駒。
戸台から入山し、北沢峠へ下山する予定だった。
天気予報は
23日雨のち曇り
24日晴れ時々曇り
25日晴れ時々曇り
天気図を見ると
23日の前線を伴う低気圧の通過が気になったが
核心部の24日25日は高気圧に覆われる模様。
雪が気になり、アイゼンは用意したが・・・
23日はピンポイント予報では小雨で夕方には上がる見込みだったし、
稜線よりはるか手前の大岩で泊まる予定だったから特に問題はないだろうと思ってしまった。
まずこの判断が甘い。
スタート地点
予報通り小雨が降っています。
空はわりと明るい。
分岐まで2時間半の河原歩き。
そう、河原歩きなんです。
1つ目の堰堤を過ぎる。
この時点で確かほとんど水は見られませんでした。
2つ目の堰堤(ダム)の先に3つ目の堰堤が見えます。
基本的に右岸につけられた工事用の車道を歩きますが、途切れている所が多く、ダムまでの間に2回渡渉したと記憶しています。
3つ目の堰堤を超えた所。
ここは階段がつけられています。
この堰堤を超えた所が左岸に渡るところのようですが・・・
水量が多いです。
流れの端に赤テープを巻いた杭があり、左岸に赤テープが見えますが・・・
右岸の先にも赤テープが見えます。
そのまま右岸を進めないかと思いましたが・・・
右岸ギリギリを流れているので無理そう。
っで、若干足首からの浸水を受けながら渡ってしまいました。
そもそも、ここで引き返すべきですよね。
水も濁っているし、雨も降り続いている。
この後は河原から離れ、左岸につけられた登山道を歩く。
途切れているので、所々で河原には出るけど、角兵衛沢の分岐までは渡渉箇所はなし。
4つ目の堰堤も登山道で巻いて歩きます。
この間に雨が止みかけたかな?と思えば本降りになり・・・
を繰り返し・・・
水量が増えてきているのが気になりながらも進み続けた。
そして角兵衛沢分岐に到着
ケルンはありますが・・・
対岸に赤テープは見えますが・・・
どう考えても渡渉は無理です。
でも諦めきれず・・・
渡れそうなところはないかと探しながらさらに上流へ
ましそうなところでストックをさして水深を測るけど、どこを試しても太もも、あるいは腰あたりまできそう・・・
結局、このあたりを1時間くらいうろついてしまっていました。
さて、どうするか。
このあたりでビバーグして翌日水量がおさまってから鋸のピークだけピストンするか?
はたしてこの水は翌日にはおさまるのか?
出来れば縦走したいし・・・
このまま北沢峠まで行って、逆ルートにすれば2日でも縦走出来るな・・・
と、先に進むことを選んでしまった。
っで・・・
流れに進路を阻まれる。
対岸に標識が見えるが・・・
そう、北沢峠まで地図上で見ても沢を2回は越える。
歩く予定にしていなかったので、ろくにリサーチもしていなかった。
そして更に誤った判断。
「まだ12時過ぎだし、今から引き返せば15時には駐車場に着けるだろう」
と撤退を決める。
ビバーグしたら水量しだいでいつ行動開始できるか分からないし。
車に戻れば濡れた服や靴をエアコンで乾かせる。
テントも濡らさなくてすむ。
鋸は諦めて黒戸尾根から甲斐駒を目指すか。
なんて理由で。
結局、すべて自分の「欲」に負けている。
かくして、最後に渡渉した3つ目の堰堤上部までもどると・・・
河原一面、水浸しになっていました。
水量も勢いもさらに増し・・・
ここは河原。
ビバークするにも安全な高さの所ってどこまで戻ればいいんだ?
また上流に戻ることを心が拒否する。
水深はせいぜい膝下。
行ってしまえ・・・
堰堤の際は避けて出来るだけ幅が狭まって無理がなさそうな所を探す。
深みに足を入れて水圧を受ける。
これならいける。
あと1歩耐えれば渡れる。
と左足を踏み込んだ瞬間、この水圧はヤバい!
案の定、足をすくわれた。
左足が浮いた瞬間、足元から流された。
幸い、対岸の浅瀬に乗り上げて止まったけど全身ずぶ濡れ。
浅かっただけに顔が浸からなかったので助かった。
あのまま流されてたら、堰堤ですよ・・・
とりあえず、対岸に渡れたので下る。
二つ目の堰堤(ダム)の端に安全でテントが張りやすい広い場所を発見。
しばし、思案する。
理性はここでビバーグしろと言う。
この先、あと1時間近く河原歩きがある。
来るときに2回渡渉している。
危険だ。
しかし、ずぶ濡れになって余計に帰りたい気持ちが強くなってしまった。
そしてまた間違った判断。
無理だったらここに引き返してきたらいいと撤退を続けてしまった。
河原からは見えなかったが、岩壁ギリギリの所に道がついていたので、出来るだけ河原に降りないように進んだけど・・・
その道も途中で途切れ、河原に降りて進んでいると・・・
突然、峡谷中にサイレンの音が響き渡った。
ダムの放水だ!!
まともな判断能力を失っていたとしか言いようがない。
必死で近くの斜面を駆け上る。
さっきのビバーグ適地に戻りたかったけど、どのくらい増水するか分からないので戻れない。
なんで簡単に戻れると思ってしまったんだろう。
幸い、駆け登った所は崩れ残った登山道のようで流水面の最高位よりは高い。
若干落石が気になったけど、ほかに移るには一旦河原に降りないといけないのでココでビバーグとする。
結局、雨は夜も降り続いた。
テントの中が湿っぽい。
幸い、ザックは水没しなかったし、中身は防水していたので乾いた服に着替えることも出来た。
デジカメはおシャカになりましたが・・・
携帯は防水携帯でよかった。。。
濁流の音を子守唄に寝てると、何度も水に飲まれる夢を見た。
まいったなぁ~
そして朝。
ビバーグ地です。
ちょうどいい案配に木の枝があったので濡れ物を干す。
日が当たらないので乾かない。。。
空は快晴!
流された3つ目の堰堤の上に行ってみると・・・
水はずいぶんとひいていました。
この河原が一面水浸しでしたから。
ちょうど流されたと思われるところ。
ちょっと幅が広がってるような???
濁りがとれて川底が見えてます。
渡渉するにはまだちょっと水量が多いですが。
いい天気ですが、今回は引き上げます。
また来年リベンジかな。
青空が綺麗。
携帯カメラだから映りがイマイチですが。
河原を高巻く岩壁沿いの道
その先も高巻きの道はありましたが・・・
最終的にはほとんど河原歩き。
振り返ると甲斐駒がちらり
稜線は冠雪しているからどちらにしろ、縦走は無理ですね。
欲を出さずに安全を第一と心得るべし。