ABE GUITARS

ギター・ウクレレ制作
フレット楽器全般 修理調整

インレイ加工に関する考察

2009年02月14日 | ネック関連
ヤマキ・チャキ共にインレイは薄くなっていました。特にチャキのインレイは、場合によっては交換が必要、くらいの薄さでした。
一般的にインレイ加工は
指板にインレイを入れる→指板をネックに接着→ラディアス(アール)加工
という工程を踏みます。状態によっては指板の削り幅が大きくなることもあり、その場合は同時にインレイも削られて、結果薄くなってしまう、という訳です。
指板修正にも耐えうるインレイの厚みを確保するためには、ラディアス加工後のインレイ埋込みが理想で、そうすればインレイの削り幅は最小限に抑えることができます。オリジナルのギターを製作する時は、私はそのようにしています。
「修理調整が永遠に不必要」というギターは存在し得ない以上、「後々の修理のことを考えて製作されるべきだ」と、このような修理をするたびに思うのですが、特に量産のギターはそういう訳にもいかない、という事情もわかるので、とりあえずは対処療法的に修理をしていく他はありません。
メーカー側としては効率的な生産が必要なので仕方がありませんが、それでも、できるだけユーザーに負担をかけない構造にして欲しいものです。しかし、そういう構造だからこそリペアの仕事が成り立つとも言え、ギターの構造と修理との関係は大きな矛盾とパラドックスとを抱えている、と感じます。

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