ABE GUITARS

ギター・ウクレレ制作
フレット楽器全般 修理調整

Graven J ネック作成

2009年03月31日 | ネック関連
グレーベンのJタイプをお預かりしています。
 

このギターはもう4年くらいお付き合いしていて、一度、指板修正とフレットの交換をした他、ヒーター修正やすり合わせ等の調整を何度もやっています。しかし、ネックが極端に弱いため、いくらやっても状態が落ち着かず、ネックリセットをしても解決できないと判断し、ネックそのものを新たに作成することになりました。

ヘッドプレートは剥がしてそのまま使います


通常ネックを外す時は、15フレットを外して、そのスロットからドブテイル溝の隙間に蒸気を注入し、指板を付けたまま外す方法を取るのですが、時々15フレットの位置とドブテイル溝の位置が極端にずれていて、蒸気を注入しようがない場合もあるので、その時は指板を剥がさざるをえません。このグレーベンは前回のヒーター修正で指板が剥れかけた経緯もあり、且つ確実にネックを外すため、指板を剥がすことにしました。

ブランケットで加熱し


ネックと指板の間にナイフを入れて


うまく剥れました。


次の工程 お問い合わせ ABE GUITARS
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マカフェリタイプ ブリッジ調整→完了!

2009年03月30日 | ブリッジ関連
ブリッジはもともと低かったこともあり、底にエボニーを貼り付けて高さをかさ上げします。
 

トップは若干のドーミング(アール)が施されているので、ペーパーでブリッジ底のアールを調整します


「ヒゲ」を取り付けて、オクターブ調整をして完了


剥離前                   剥離後

違いは明白です。サウンドも全然違います。やはり塗装が厚いと、振動を抑えてしまうことが実感できます。

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マカフェリタイプ 0フレット調整

2009年03月29日 | ナット・サドル作成・調整
マカフェリタイプには0フレットがあります。ナットはストリングスガイドとして機能し、0フレットが実質ナットの役目を果たしているので、0フレットの高さ調整を行いました。



「0フレットがないとギターじゃない」と宣う人もいらっしゃるようですが、確かに、開放弦の響きとフレットを押さえた時の響きには微妙な差が存在するので、「全てのポジションでの均一な音質」を求めるのであれば、0フレットは必要でしょう。オリジナルのマカフェリは設計思想として0フレットを採用したのかもしれませんが、実際には、一筋縄ではいかないナット溝の調整の手間を省くために0フレットを採用しているギターが圧倒的に多いのではないかと思います。しかし、きっちりと0フレットを調整しようとすると、ナット溝の調整に負けず劣らずそれなりに大変なので、何が手間を省くことになるのか、というのは、結構難しい問題です。続き お問い合わせ ABE GUITARS
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マカフェリタイプ ピックアップ取付

2009年03月28日 | アコギPU取付
マカフェリタイプはトップの再塗装を終え、ピックアップ取り付けに入ります。

ピックアップはマッキンタイアー、“フェザー”と呼ばれているように、薄く軽いのがその特徴です。

ボディとテールピースにエンドジャック穴の加工を施して


取り付けます。


サウンドホール形状の関係で手が入りにくいため難航しましたが貼り付けは無事完了。Xブレイシング・ファンブレイシングであれば、ブリッジプレートの後ろ辺りに貼り付けるのですが、このギターはブリッジ周辺にラダーブレイシングがあるので、そのブレイシングの後ろに貼り付けざるを得ませんでした。サウンド的には、インブリッジピエゾのような迫力はありませんが、トップの振動をバランスよく拾って、箱鳴りのいい感じを再現できています。パッシブなのでプリアンプを使った方が音作りしやすいと思います。続き お問い合わせ ABE GUITARS
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ヘッドストック バインディング完了

2009年03月27日 | 制作過程

ヘッドストックのバインディング、完了です。バインディングがあると、特にエボニーの場合は引き締まった感じが出ます。メイプル等、他の材料ではまた感じが違い、ちょっとしたところで印象は変わるものです。

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ヘッドストック バインディング加工

2009年03月26日 | 制作過程

ヘッドストック、バインディング加工中です。エボニーは堅い!折れる!かなり苦戦ですが、忍耐あるのみ。忍耐の量と技術の高さとは比例すると信じつつ…。

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2002 Martin OM-42 バインディング補修

2009年03月25日 | その他リペア
マーチンOM-42をお預かりしました。
 

指板エンドのバインディングが剥がれています。


接着剤を注入して


テープで固定


一昼夜置きクリーニングして完了。


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YAMAHA FG-180 バインディング・ピックガード補修

2009年03月24日 | その他リペア
初期のものと思われるヤマハFG-180をお預かりしました。


バックのバインディングが一部欠損しているので、補修します。


スロットのクリーニング後、接着剤で貼り付けていきます。


マスキングテープを使って固定


本来は塗装をしたいところなのですが、予算の関係上、塗装無しで仕上げます。スクレイパーでボディ境界部の凹凸を取り、マイクロメッシュで磨き、さらにコンパウンドでバフがけして光沢を出し、とりあえず遜色なく仕上がりました。


ピックガードも剥れかけていたので


接着剤を注入してクランピング


しっかりと接着できました。


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1992 Martin D-18 ナット・サドル作成

2009年03月23日 | ナット・サドル作成・調整
ナット・サドル作成は、ブログにアップしているものを数えただけでも、6本くらいやっているので、頻度が高いリペアです。
 

これが樹脂製のオリジナル


今回作成した牛骨製


サドルは牛骨製でしたが、高さが足りず、作り直しとなりました


PUがマウントされているので、溝をさらってクリーニングし、バランス調整も行います。思ったよりもバランスが取れず、結局トランスデューサーの引き込み穴を6弦側に開け直して、再度マウントした上で調整となりました。


新規作成完了


ギターの制作・修理に共通することですが、どの工程においても「ギターが本来持っているポテンシャルをいかにして最大限引き出すか」が課題だと思います。ナット・サドルは弦が直接触れる唯一のパーツとして、素材は重要なポイントです。樹脂製は樹脂製の個性があり、それはそれで決して悪いわけではないのですが、牛骨に交換してその違いを何度も体験すると、樹脂ではギターが本来持っているポテンシャルを引き出せていない、と感じざるを得ません。以前にも書きましたが、牛骨に換えると「曇りガラスが透明ガラスになったような」クリアーな響きに変わります(多少の個体差はありますが)。

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マカフェリタイプ 剥離完了!

2009年03月21日 | 塗装剥離・再塗装
あるポイントを越えると、剥離は一気に進みました


孤軍奮闘の末、ようやく完了です

境界部分を綺麗に仕上げるため、マスキングをやり直します。そしてペーパー+スクレイパーで木地調整。塗料が喰い込んで、かなりペーパーを当てないと取れない部分もあります。やりすぎるとトップが必要以上に薄くなってしまう恐れがあるので、結構神経使います。調整完了後、ウッドシーラーの吹き付け。サンディンぐシーラー→ツヤ消しと進めていきます。続き

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塗装剥離、四苦八苦中です!

2009年03月20日 | 塗装剥離・再塗装
マカフェリタイプ、塗装剥離進めていますが、かなりぶ厚い塗装で、難儀しています。予想していたように、ポリエステルのようで、剥ぐとその下にまた塗装の層が出てくる、という感じで、やってもやっても木地が見えてこない。これまでやってきた中でも、かなり手強い相手です。剥離剤はかなり強いものを使っているはずなのですが…少しずつやっていくしかありません。忍耐力を培うには、いい訓練かもしれません。

↑均一に剥離できないのは、塗膜の厚みが均一ではないからです。続き

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ヘッドストック バインディング溝加工

2009年03月19日 | 制作過程
ヘッドストックにはバインディングを施すため、ルーターで溝加工をします。


バインディングの幅と高さに合わせて、ルーターのベアリングの径を変えながら少しずつ削っていきます。
 

切れ込みの部分は、ノミで調整します。

to be continued...

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Yamaki ナット・サドル作成

2009年03月18日 | ナット・サドル作成・調整
フレットすり合わせを終えていたヤマキ、ナット作成です。弦の位置を決定し、溝加工


高さを調整して、磨いて完了。


サドルの溝が極端に浅かったため、ルーターで深くして


サドルも作成


ブリッジがかなり厚く、サドルの1弦側はブリッジに埋まってしまうことも考えられたので、ブリッジの削りも予定していました。が、十分なテンションが得られたので、とりあえず今回はブリッジの削りは無し、という判断をして、修理完了となりました。


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ネック作成中です

2009年03月17日 | 制作過程
指板幅を決めたところで、ネックをその幅に合わせて削り出します。ナットの幅は、ヘッドのバインディング加工にも関わってくるので、割と重要なポイントです。


指板に合わせてヤスリを使って削っていきます。
 

同時に形状もラフに成形していき


こんな感じになりました。角材だったのが、ネックになってきました。


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エピフォン エレガット PUバランス調整

2009年03月16日 | アコギPU取付
ブレイシングの補修を終えて、最後にPUのバランス調整です。

取り付けられているPUはLR BAGGSのelement。ケーブルタイで配線をまとめ、できるだけ空中に浮かせてボディに触れないようにします
 

1弦側に、溝に対して垂直に穴があけられて、そこからトランスデューサーが出ていたのですが、折れ曲がるように溝に納めるのは好ましくないので


6弦側に約60度の角度で穴を開け


折れ曲がらないように挿入します


これだけでも、バランスは格段に向上しました。サドル底の平面を出すなど微調整をして完了です。

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