黒猫のつぶやき

法科大学院問題やその他の法律問題,資格,時事問題などについて日々つぶやいています。かなりの辛口ブログです。

司法試験の「無価値化」がもたらすもの

2008-09-13 15:20:41 | 法曹養成関係(H25.1まで)
 9月11日,法務省から平成20年度新司法試験の結果が公表されました。
 法務省発表の資料によると,今年の合格者数は2,065人。昨年より数は増えていますが,事前の想定合格者数は2,100~2,500人とされていましたから,とうとう想定合格者数を下回る数になったことを意味しています。
 そして,今年の新司法試験の合格ラインは,短答式と論文式の総合評価で940点以上とされています。ちなみに,平成18年度は915点以上,平成19年度は925点以上でしたから,素点だけでみると年々合格ラインは上がっているということになりますが,過去問の集積により予備校(または予備校化した法科大学院)における試験対策がやりやすくなっていること,問題が年々平易化されている可能性があることから,この数字をもって合格者の実力が年々上がっていると評価するのは早計というものでしょう。
 前回の記事でも書いたとおり,最近の二回試験では,以前なら追試の対象となったイージーミス程度は見逃され,起案が日本語になっていないとか,法律知識がないといった答案だけを不合格としているのに,それでも不合格者が増えているというのが問題にされていますが,これは「まともな日本語の文章が書けない」人や「まともな法律知識がない」人が司法試験に合格してしまっていることを意味しています。
 また,二回試験を突破して無事弁護士になれた人の中にも,民法や刑法に関する基本的知識が不十分な人が多く,ユーザー側である企業の法務担当者の中には,「最近の若手弁護士はめちゃくちゃなことを平気で言うので,お前じゃ話にならないからボスを呼んでくれといった対応をするようになった」などと話す人もいます。
 それと,前々回の記事には書きませんでしたが,新60期を採用した弁護士の中には,「法科大学院では相当の実務教育が行われていると聞いていたから採用してみたのに,いざ採用してみると実務の知識などまるで身に付いていないので失望した」などという感想を漏らす人もいたそうです。この採用された新60期は,自分の無力を十分に自覚して実務知識の習得に励むなら生き残れるかも知れませんが,それを怠ったら早々にクビになるでしょう。勤務弁護士には,一般的に労働基準法の適用はないと考えている弁護士が多いですからね。
 すなわち,数年前までなら,司法試験合格者といえば,それだけで「法律に関する相当の専門的知識や素養のある人」というお墨付きをもらった人という意味があり,企業への就職でもそれなりに有利になったはずなのですが,合格者数の増加等に伴う質の低下により,次第に「司法試験合格者」にそのような意味合いはなくなり,むしろ事情通の間では「新人弁護士は役立たず」という評価が広まり,新たに弁護士を雇用する法律事務所や企業などでも「新人弁護士はいらない。むしろ経験者を採用したい」と考えるところが多くなっているようです。
 なので,今回の記事では,新司法試験合格者の皆さんに「おめでとう」なんて賛辞を書く気にはとてもなれません。まあ落ちるよりはましでしょうが,今回の新司法試験に合格した人たちの大半には,厳しい茨の道,というより殺人的なサバイバルレースが待っているわけですからね。

 ところで,司法試験合格者よりも前に,政府の大学院重視政策により取得者が粗製乱造されてしまった肩書として,大学院の博士号が挙げられます。5年間の大学修士課程・博士課程を修了し,論文を書いて博士号をもらった人の中にも,現実には月収15万円くらいのノラ博士が多いという社会の現実を描いた本として,『高学歴ワーキングプア』という書籍が出版されていますが,この本の内容についてはこのブログでも以前に触れたことがあります。
 もっとも,この『高学歴ワーキングプア』によると,博士号をもらった人すべてが「高学歴ワーキングプア」になっているわけではなくて,博士の中にも序列があるらしいです。
 すなわち,①東大卒→東大大学院卒の人が当然序列としては一番上で,次に来るのが②東大卒→東大以外の大学院卒の人。こういう人は,自分の専攻したい分野が東大の大学院にはないとか,何か考えがあってのことだと思われるそうです。
 その次が,③東大以外の大学卒→東大大学院卒。こういう人は「学歴粉飾」と揶揄されるそうです。そして最も救いようのないのが,④東大以外の大学卒→東大以外の大学院卒。博士号まで取っているのに食べていくだけで精一杯という「高学歴ワーキングプア」になっているのは,主に④の人だそうです。
 まあ,これにはある程度合理的な理由があって,某東大教授の発言によると,大学院でまともな教育が行われているのは東大くらいで,よその大学院でやっているのは,「教育」というより馬や羊の「放牧」に等しいそうです。

 そして,このような序列は,おそらく新司法試験合格者にも相当程度当てはまるのではないかと思います。大手渉外事務所が優秀な学生を青田買いしているというのも,おそらくは専ら東大ローの学生がその対象でしょうし,法科大学院の中で学生に厳しいカリキュラムを課し,厳格な修了認定を行っているのも,黒猫の見聞きする限りではおそらく東大ローくらいでしょう。
 第1回の新司法試験で合格率トップになった愛知学院大学については,関係者のインタビューで,なぜ合格率トップになったのか自分にも分からない,学生の自主的勉強に任せていたのが功を奏したのではないかというようなコメントがされていました。まさに羊の「放牧」ですね。ちなみに,その愛知学院大学,今年の合格者数はゼロです。
 もともと,旧司法試験時代における合格者の顔ぶれ(出身大学別)をみると,早稲田,中央,慶応,一橋,京大といった大学の出身者が学歴としては普通レベルで,その中で東大卒が頭一つ出ているという状況でした。そのため,新司法試験下でも,東大ロー卒の合格者であれば,おそらく実務界でも高く評価され,あまり就職には困らないでしょうから,年収200万円以下とか,月収7万円といったワーキング・プア・ロイヤーになってしまうのは,おそらくそれ以外の法科大学院出身者ということになるでしょう。
 こうして考えていくと,今年の新司法試験で,東大ロー卒の人数がトップの200人となったのは意味深ですね。もともと,東大ローの定員は200人くらいであり,本来ならより規模の大きい中央大ローなどに合格者数で勝てるはずはないのですが,実際には出願者数・受験者数も東大ロー卒がトップになっています。
 おそらく,東大ロー卒であれば,新司法試験で1年くらいつまずいても,合格すれば明るい未来が待っているので,みんな受験制限の3回を使いきるまで頑張るのでしょうが,他のロー卒の人の多くは,新司法試験段階でつまずいているようでは合格してもろくな未来は待っていないということで,一度不合格になるとあきらめて企業への就職などの道を選んでしまうのでしょう。
 そうとでも考えなければ,今回東大ロー卒の合格者数が中央大ロー卒の合格者数(196人)を上回ってしまったことの説明がつきません。
 今回の新司法試験で合格率が5割を上回ったのは,一橋大(61.4%),東大,中央大,慶応大の4校のようですが,東大が合格率トップにならないのは,大学院の授業で試験対策を一切やらない(むしろ試験対策をやらせないように仕向けている)からで,同じ合格率5割強でも,東大ロー卒の司法試験合格と,他のロー卒の司法試験合格とでは,かなり意味が異なると考えた方がよいでしょう。

 黒猫は東大法卒なので,このように書くと露骨な学歴差別をやっていると思われるでしょうが,本当は,こんな風に東大東大と繰り返すような記事を書きたくはありません。そのため,これまでの記事では東大ローを賛美するようなことは極力書かないようにしていたのですが,今回の合格発表を見ていると,どうしても東大という学歴の効用について書かないと,現代法曹界の実情には迫れないということがはっきりしてきたので,あえて書くことにしたのです。
 実をいうと,黒猫が司法修習をやっていた時期ですらも,東大卒と他大学卒の格差というものはそれなりにありました。修習生指導担当の検察官も「やっぱり東大卒は違うねえ」なんて言っていましたし,修習生の間でも「なんであいつが渉外事務所に入れたんだ?」「東大卒だからだろう」なんて会話が飛び交っていたりしました。
 それでも,司法試験合格者という肩書にそれなりの価値のあった頃は,別に聞いたことのないような大学の出身者でも,司法試験に合格していればそれなりの就職先はありましたから,出身大学による格差はそれほど深刻なものではありませんでした。
 しかし,最近のように司法試験合格者という肩書が粗製濫造され,いわゆる司法試験の「無価値化」が進行していくと,同じ司法試験合格者でも,出身大学による差別がより露骨に現われてくるようになるでしょう。
 今年の新司法試験合格者数上位校は,1位が東大200人,2位が中央大196人,3位が慶応大165人,4位が早大130人,5位が京大100人,6位が明治大84人,7位が一橋大78人,8位が神戸大70人,9位が同志社大,東北大,立命館大のそれぞれ59人となっています。
 第1回や第2回のように,聞いたことのない大学が合格率上位に来るような現象は姿を消しましたが,上記の顔ぶれのうち,明治はちょっと就職厳しいでしょうね。神戸と同志社,東北,立命館は,たしか偏差値は高めの大学だったので,地元なら学歴として通用するかもしれませんが,東京ではちょっと厳しいかな。

 実際のところをいうと,たとえ東大法卒でも,それほど優秀な人ばかり集まっているわけではありません。某東大教授の発言によると,東大法学部の学生のうち,3分の1は無条件で法曹に向いている,3分の1は鍛え上げれば法曹になれるが,残り3分の1は法曹には向かないというのが実情のようで,黒猫自身も,お前それでも東大法卒かと石を投げたくなるような人間に会ったことがあるので,おそらくその教授の評価は的を得ているのだろうと思います。
 もっとも,天下の東大法学部でさえその程度ということは,他の大学では一体どうなるんだというのが当然現われてくる疑問であり,おそらく,他の大学の法学部では,法曹にはとても向いていない人の比率がもっと高いのでしょうね。そのため,法律事務所における新人弁護士の採用でも,企業における採用でも,東大卒と他大学卒の志望者がいて,採用面接でどちらの側が優れているのか評価がはっきり分からなければ,確率論で東大卒を採用してしまうという結論になりやすいわけです。
 司法試験の「無価値化」が進み,出身大学による学歴差別が新人弁護士の間でもはっきり表れてくるようになると,実力はありながら家庭の事情や運の問題で東大やその他の有名大学には進学できなかった人は,たとえ頑張って司法試験に合格してもやり直しの効かない社会になってしまうということを意味していますが,それが社会の正しいあり方であるとは,黒猫にはどうしても思えないのです。
 先日,黒猫の通っているエレクトーン教室の後輩で,たしか青山学院大学に進学した男子学生が自殺してしまうという事件がありましたが,その後になって,こうした受験に失敗して二流の大学にしか入れないと,その後の人生もたかが知れているという現実を思い知らされるような現象に直面してしまうと,なんかいたたまれない気分になってきます。

 一方,司法試験と並ぶ難関国家資格である公認会計士試験については,そもそも出身大学別の合格者数が公表されていないので実態はよく分かりませんが,東大の経済学部では会計学は脇に追いやられているという事情もあり,東大生で公認会計士を目指す人はそれほど多くないほか,高卒や専門学校卒で公認会計士になる人もそれなりにいるので,学歴による差別は,少なくとも法曹界ほどひどくはないようです。
 会計大学院については,在学中合格者・卒業者合格者を合わせても,平成19年度試験合格者の2.5%にしか達しておらず,はっきり言って「会計大学院は行くだけ無駄」というのが正直な結論でしょう。
 法科大学院についても,平成23年度から予備試験が実施されることになっており,規制改革会議では,現在のところ予備試験合格者と法科大学院出身者の合格率を同じ程度にせよという圧力を法務省にかけているようですが,法科大学院の現状をみる限り,予備試験の難易度を思い切り下げない限り,それを実現するのは難しいでしょう。おそらくは,予備試験の合格者が新司法試験合格者の大半を占めるようになり,法科大学院卒業者のほとんどは締め出されてしまうと思います。
 それに,実務教育の担保がほとんど出来ていない法科大学院出身者と異なり,予備試験では実務基礎科目も試験範囲に入っていますから,少なくとも長期的には,下手な法科大学院出身者よりは,予備試験合格者の方が実務側の評価も高くなると予想されます。
 もし,黒猫が知人から司法試験を受けたいなどと相談されたら,今の黒猫は躊躇なくこう答えます。
「今の司法試験制度は腐っているし,弁護士業界も今のところあまり将来性がないので,受験するなら司法試験より公認会計士試験にしておきなさい。どうしても弁護士になりたいのであれば,法科大学院に行くよりは,むしろ平成23年度から始まる予備試験合格を目指しなさい。どうしても法科大学院に行きたいのであれば,東京大学法科大学院を目指しなさい。それ以外の法科大学院は,はっきり言って行くだけ時間とお金の浪費にしかなりません。」

129 コメント

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愛知学院と愛知大学は別です (Unknown)
2008-09-13 15:57:16
第1回の新司法試験で合格率トップになったのは,「愛知学院大学」ではなく「愛知大学」です。今年の合格者0だったのが愛知学院大学で,両者は別のロースクールです。どっちも三流大学ですが。
余りつまらない事実誤認をしていると全体の論旨もおかしいと思われかねないので,ご注意ください。
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東大ローの定員は300人です (200人のうちの1人)
2008-09-13 16:42:23
200人は既修の定員で、未修と合わせれば1学年全体の定員は300人です。
余りつまらない事実誤認をしていると全体の論旨もおかしいと思われかねないので,ご注意ください。
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ご教示下さい (通りすがりの弁護士)
2008-09-13 17:07:28
貴職が東大について多大な愛校心ないし自負・誇りをお持ちなことはとてもよく伝わりました。
そのような優秀な能力を東大法学部卒としてお持ちの貴職は法曹実務家として実際にどのような実績をあげられておられるのか、小職のような不出来な弁護士にお教え下さいませんか?
貴職の一連の論旨からすると、貴職は多数の難解な法的紛争を解決していると思われますが、貴職のブログからは貴職の法曹実務家としての具体的な実績が伝わりません。
これでは貴職のせっかくの記事の説得力にも影響を及ぼしかねないので、どうか教えて下さい。
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実務家試験としての正確は? (受験生)
2008-09-13 17:20:19
東大のロースクール卒業生の合格率が低い原因は他のロースクールとは違い、質の高い大学院教育に時間を割かれる。その結果として東大ロースクール生は試験対策をしないようにしう向けられていると解釈できるのですが。

そこで質問です。

なぜ、実務家を養成するはずのプロフェッショナルスクールで「質の高い」教育を施されているはずの学生が、実務家登用試験で高いパフォーマンスを発揮できないのでしょうか?


黒猫先生から見て、その「質の高い」教育には実務という観点からみてその位置づけはどのようなものなのでしょうか?

個人的には実務とは無縁の学者の「趣味」を押し付けている度合いが高いだけにしか見えないのですが。


最も、黒猫先生がおっしゃるように優秀な東大ロー生のパフォーマンスが低い原因は試験対策不足にある点には同感です。ある意味可哀想ではあるのですが。
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質問です。 (受験生)
2008-09-13 17:23:15
すいません、タイトルを打ち間違えました。削除してください。


東大のロースクール卒業生の合格率が低い原因は他のロースクールとは違い、質の高い大学院教育に時間を割かれる。その結果として東大ロースクール生は試験対策をしないようにしう向けられていると解釈できるのですが。

そこで質問です。

なぜ、実務家を養成するはずのプロフェッショナルスクールで「質の高い」教育を施されているはずの学生が、実務家登用試験で高いパフォーマンスを発揮できないのでしょうか?


黒猫先生から見て、その「質の高い」教育には実務という観点からみてその位置づけはどのようなものなのでしょうか?

個人的には実務とは無縁の学者の「趣味」を押し付けている度合いが高いだけにしか見えないのですが。


最も、黒猫先生がおっしゃるように優秀な東大ロー生のパフォーマンスが低い原因は試験対策不足にある点には同感です。ある意味可哀想ではあるのですが。
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間違いはだれにもあるでしょうが (通りすがり)
2008-09-13 17:32:05
 機種依存文字を使わない,という程度の簡単なルールは守りましょう。

 的は射るものであって,得るものではありません。

>東大が合格率トップにならないのは,大学院の授業で試験対策を一切やらない(むしろ試験対策をやらせないように仕向けている)から

 黒猫さまは,各大学院の授業をみな把握されているのでしょうか。それが分からない以上,酸っぱいブドウのように聞こえますね。 


余りつまらない誤りをしていると全体の論旨もおかしいと思われかねないので,ご注意ください。
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Unknown (Unknown)
2008-09-13 18:21:03
今回の新司法試験で合格率が5割を上回ったのは4校ではなく5校です。学歴的には取るに足りませんが、地道にがんばっております。
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↑正確に誤るよりは,漠然と正しくありたい (ねどべど)
2008-09-13 18:42:38
従前の法曹界は司法試験合格者のほぼ全員の就職先を提供してきました。また,就職後も,彼らがそれなりの報酬を得られるような状況でした。したがって,合格者間における格差あるいは序列は,さほど目立たなかった(もちろん,これはあくまで目立たなかったというだけで,たとえば大手渉外事務所に就職するためには,学歴,若さなどの点において厳然たる高いハードルが存在しましたが,渉外事務所志望は合格者の中で多数派を形成したわけでもなく,たとえば東大卒・大学3年生で旧試合格を果たした合格者が地方のマチベン(嫌な言葉ですね)に就職するのも全然珍しくない光景だったと思います。)。

しかし,状況は変わりました。日弁連の必死の取り組みにもかかわらず,今回の新試験の合格者(新62期?)の就職は極めて厳しいものになるのは間違いないでしょう。そのときには,既にツテ・縁・コネを有する一部の例外を除いた大多数の合格者(最近は,一部(大規模事務所など)合格発表前に就職活動(採用活動)が行われていますが)の就職活動が,大学生の就職活動と似たようなものになることが予想されます。すなわち,「学歴」が(従前とは比較にならないぐらいに)重視されることになる,ということです。

今回の黒猫氏の記事は,上記のような認識(多少違うかもしれませんが)を前提に,採用側の論理を考察したものと考えられます。この問題は,特に法科大学院への進学を考えている方々にとって非常に重要なテーマを含むものと思われます。愛知のローの名前や東大ローの定員,誤字脱字等の些末な議論よりも,本記事読者による有益な議論・情報提供が活発に行われることを期待します。
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Unknown (シロネコ)
2008-09-13 21:03:53
>大手渉外事務所が優秀な学生を青田買いしているというのも,おそらくは専ら東大ローの学生がその対象でしょうし,法科大学院の中で学生に厳しいカリキュラムを課し,厳格な修了認定を行っているのも,黒猫の見聞きする限りではおそらく東大ローくらいでしょう。


おそらく、おそらくと、憶測でものを書くのはやめよう。せめて「見聞きする」範囲を広げてからにしたらどうだい?些末な誤認ではなくて、根本的な認識の誤りがあるな。
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苦しそうですね (新司法法曹)
2008-09-13 21:05:56
はじめまして。文章拝読しました。
貴職は東大卒の旧司法試験合格者であることを大変誇りにしているようですね。
そのこと自体は統計上極めて貴重なものであるので、誇りにしていきるのも結構ですし、十分に理由のあることと思います。

でも、貴方の論旨は間違っています。
他人が自殺する理由は本人しか分かりません。そのことを只の同じエレクトーン教室に通う者同士に過ぎず、「確か青山学院大学に通っていた」と言う程度の貴方がその心中を忖度することはおこがましいことですし、まして自分の見解の補強材料に使うのは不見識と言われても仕方のないことではありませんか。

それから、東大が現在も学力において日本で最も優秀な学生を集めていることはそのとおりですが、テストでよい点をとることができることと法曹としての適性は必ずしも一致しないでしょう。そのことは現役法曹でそれほどの自負をお持ちの先生こそが一番ご存じではないですか?私は大企業に勤めていた経験があるので経験上知っているのですが、先生の誇られる旧試験合格者である法律家(もちろん東大現役時代合格)の先生方が如何に人の話を聞かずこちらのニーズを汲み取らないかということにずいぶん辟易させられたものです。そのような感想を持っている実務担当者はきっと非常に多いと思いますよ。もちろん「先生」方には面と向かって言いませんでしたが。(念のため申し添えますが私も先生と同じ東大法学部卒です)
先生が書かれているように、「お前それでも東大卒か」と言うような弁護士さんにも度々出会いましたが、それは他の大学と同じような頻度であり、結局「東大卒だから法曹に向いている」という前提自体がそれほど根拠のないものではないか、というのが私の持っている結論です。先生はあまりに「東大か否か」「旧試験か新試験か」という二分論にとらわれすぎているのではないでしょうか。人の優秀さ(多様性)はそのような簡単な括りで理解できるものではないとおもいますし、それにあまりにもこだわっておられる姿を拝見すると、むしろ先生はかえって「東大卒の旧試験合格者」である自分自身に苦しんでおられるようにすら思われます。

確かに今の法曹養成制度が問題を抱えていることは私自身が法科大学院修了者ですので、よく分かっています。
しかし、新司法試験合格者を何でもかんでも十把一絡げにして、しかもすべて自分の目や耳で確かめたことでなく、伝聞証拠だけを元にして一律に貶めるのは思考停止という非常に性急な行為であるという印象を拭えません。先生ご自身の仰る「自らは優秀である」との自負にはあまりにもそぐわない行いのような気がして、残念でならないのです。
どうかどんなに「辛口」であっても、説得力のある意見をお示しください。
特に、貴職のご意見によって傷つく人たちこそを説得できるだけの十分な説得力のあるご意見を書かれますようお願いします。

今後とも同じ(先生は「同じにするな」と仰るかもしれませんね)法曹としてお互いに精進して参りましょう。
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