黒猫のつぶやき

法科大学院問題やその他の法律問題,資格,時事問題などについて日々つぶやいています。かなりの辛口ブログです。

総務省における法科大学院(法曹養成制度)の評価について(1)

2011-01-31 18:48:38 | 法曹養成関係(H25.1まで)
 このブログでは,長年にわたり法科大学院の問題を批判的に取り上げてきましたが,総務省では平成22年12月21日,行政評価手続の一環として行われた『法科大学院(法曹養成制度)の評価に関する研究会報告書』を公表し,一般に対する意見募集手続きを行いました。既に出された意見は総務省のホームページ上で公表されていますが,現役の弁護士やら法科大学院生やら,寄せられた意見はまさしく法科大学院に対する批判・非難の大合唱。意見募集を行った総務省も,まさかこれほどの反響があるとは予想していなかったのではないでしょうか。
 なお,黒猫自身も当然意見書を書いたのですが,提出段階になってメールでの意見書は3,000字以内に制限されていることが判明。仕方ないので要旨だけをちょこっと書いて送ったのですが,せっかく作った意見書のほとんどが無駄になってしまいました。
 このままゴミ箱行きにするのも難なので,このブログで意見書の一部(研究会報告書に記載された指摘事項に対する意見)を公表することにします。かなり長くなりますが,法科大学院問題に関するこれまでの黒猫の活動の集大成というべき文書なので,ご興味のある方はご一読ください。

 今次の報告書では,各委員による法曹人口の拡大,法科大学院,司法試験に関する指摘事項が記載されているところ,これらの指摘の中には,法曹界の実情等に照らし妥当な指摘であると思われるものもあるが,一方で全く当を得ていないと思われるもののほか,基本的な法の在り方や法曹の基本理念すらも理解しておらず,その論者について法曹養成制度を検証する立場にある有識者としての適格性を疑わざるを得ないと思われるものも少なからず含まれているため,貴省において真に取り上げるべき指摘を選別する際の参考に供する観点から,以下,各指摘に対する当職の意見を述べるものとする。
【法曹人口の拡大について】
<指摘1>
 法曹人口を考える際に、日本の実情、社会における司法の機能、隣接法律専門職との関係、ニーズがどれだけあるのかといったことについての緻密な検討に基づかずに、何となく外国との比較で最低でもフランス並みにというような数字を設定したから、今このようなことになっているのではないか。
<意 見>
 全くそのとおりであり,今次の政策評価にあたっては,審議会意見書で示された数値目標がそもそも現実的妥当性を有するものであったか否かについて,事後的な検証を行うべきである。

<指摘2>
 法曹というものの中身、質を考えないで、人数を大幅に増やしたら、需給バランスが崩れるのは当たり前。日本における法曹の位置付けを変えるぐらい需要を高めていくためには、根本的に今までとは違った質のものを生み出す努力をしなくてはならないが、それが行われてこなかったから、今、こういう状況に至っているのではないか。
<意 見>
 これも全くそのとおりであり,審議会意見書では法曹人口の大幅拡充が必要であると主張しておきながら,法曹に対する社会的需要を高めていくために何が必要か,そのために法曹養成過程上どのような工夫が必要かといった問題について全く検討しておらず,単純に数ありきの議論しかしてこなかったことから,このように悲惨な状況に陥っているものと考えられる。

<指摘3>
 法廷で、裁判官、検察官、弁護士として活動していくためには、ある程度の能力が求められるが、民間ベースの仕事であれば求められる能力はマーケットメカニズムで決められていけばよい。それを一緒にしてしまったために、どちらもうまくいかなくなったのではないか。イギリスのソリスタ(法廷弁護士)、バリスタ(非法廷弁護士)のような二通りの試験制度とするという議論もあるのではないか。
<意 見>
 この指摘は当を得ていない。法廷活動を前提としない「民間ベースの仕事」については,既に弁理士・税理士・司法書士・社会保険労務士・行政書士といった隣接専門職がその相当部分を担っており,企業法務の担い手についても,従来の大学法学部卒業生等を中心とした人材が,既に企業内部で相当程度育成されており,東京商工会議所主催のビジネス実務法務検定など,このような企業法務に必要な能力の検定試験も既に存在していることから,これらに加えて別途「民間ベースの仕事」を対象とする非法廷弁護士のような資格制度を設ける実務上のニーズは,そもそもわが国には存在しない。

<指摘4>
・ 現在、弁護士は就職難で、これ以上、法曹資格保有者が増えたら更に悲惨な状態になると言われており、新司法試験合格者2,000 人というのも、現状からするとやむを得ないようにも思われる。ということは、法曹人口5万人の構想が問題だったのではないか。
<意 見>
 全くそのとおりである。

<指摘5>
 法曹人口5万人構想について、裁判官、検察官、弁護士の数を、それぞれどれぐらいにするかという議論がほとんど行われておらず、結果的に弁護士の数だけが拡大していくというようなことになっている。
<意 見>
 審議会意見書では,裁判官及び検察官の大幅増員も必要であると指摘されており,これらに関する議論がほとんど行われていないという指摘は当を得ていないが,実際には司法に関する国家予算との関係で,裁判官及び検察官の増員はほとんど実現しておらず,結果的に弁護士の数だけが拡大していくことになったのは指摘のとおりである。

<指摘6>
 法曹人口5万人構想の中には、企業で法務をやる人間も対象とされていたのではないかと思われるが、企業法務をはじめとする在野法曹のニーズとの合致は意識されていたのか。新卒入社後5年間労働した人材は立派な即戦力であるが、そこに「法律に関しては詳しい」新卒学生が加わって勝負になると考えていたのか。あるいは、生涯、法務関係の仕事のみを行う専門職的な利用しか考えていなかったのか。
<意 見>
 概ねそのとおりである。そもそも法科大学院構想においては,学者委員による「大学法学部の復権」及び「受験予備校の排除」しか念頭に置かれておらず,教育内容が実務法曹(裁判官,検察官及び弁護士)に対するニーズと合致しているかという点すら意識されていなかったのであるから,企業法務をはじめとする在野法曹のニーズとの合致など意識されていたはずがない。
 一応,法科大学院を卒業すると「法務博士」という肩書きが与えられるが,それ自体には何の価値もなく,司法試験に合格しなければ単なる「高学歴ワーキングプア」ないし「高学歴ニート」にしかなり得ないことは,当の法科大学院生及びその卒業生達が最もよく実感しているであろう。

<指摘7>
 一つの割り切りとして、弁護士の資格は上位3,000 人の方には与えましょう、ただし、全員が弁護士として食っていけるかどうかは別ですよという考え方はなかったのか。
<意 見>
 誰の指摘かは知らないが,冗談もいい加減にすべきである。現状の上位約2,000人でさえかなり無理をして弁護士資格を与えているのが実情なのに,一律上位3,000人には弁護士資格を与えるという取扱いを強行すれば,論文式試験で問題文を丸写しにしただけの答案さえも合格答案とせざるを得ないような事態になりかねない。
これ以上弁護士資格の質を落とせば,弁護士に対する社会的信頼はまさに地に墜ち,実質的には法律の素人である「弁護士」による消費者被害の事案も続出して,弁護士が「三百代言」などと社会的に信用できない職業として認識されていた時代が再現されるだけであり,何ら社会的利益に貢献するところはない。

<指摘8>
 法曹の役割を検討するに当たって、司法書士や社会保険労務士等の隣接法律専門職の役割をあまり考慮した議論が行われていないが、これで、的を得た解決策が得られるのか疑問。近年、特定社会保険労務士による労働審判の代理業務、司法書士のADRでの代理業務や多重債務者の救済など、隣接法律専門職の業務が拡大してきており、弁護士同士の競争だけでなく、弁護士とこれら隣接法律専門職との競争も増加している。
<意 見>
 全くそのとおりである。

<指摘9>
 法曹人口の増加による質の低下等の問題は、弁護士について言われているのではないか。裁判官、検察官は、成績上位者から採用すればよいので、法曹人口が拡大しても実害がそれほど直接は感じられないと思われる。
<意 見>
 この指摘はあまり当を得ていない。近年では,刑事事件でも検察官の単純ミスを原因とする無罪事件が増加傾向にあるなど,裁判官や検察官についても,質の低下は徐々に深刻な傾向として認識され始めている。
司法研修所の成績上位者から採用するといっても,法曹を目指す者自体が質量ともにかなり減少しているのであるから,その中における「成績上位者」の質も必然的に低下せざるを得ない。新任の裁判官や検察官の「質の低下」は,裁判所や検察庁内部の問題であるためあまり公にされることはないが,いずれ大幅に質の低下した裁判官や検察官を国家の要職に就けざるを得ない時代が到来することを考えると,想像しただけで身震いがする。

<指摘10>
 法曹人口問題は、見方を変えれば、政府と敵対できる法律家はどれぐらいに抑えるべきかという議論でもある。民事訴訟はどんどんADR化して裁判所外で処理されているので、最終的に行政訴訟、刑事訴訟で政府と敵対する法律家はどれぐらいいるべきなのかという議論でもある。
<意 見>
 この指摘は全く当を得ていない。ADR(裁判外紛争解決機関)については,従来に比べ制度が整備されたとはいえ,従来は裁判所で処理されていた民事事件がどんどん流れているというほどに利用が普及しているわけではなく,「民事訴訟はどんどんADR化して裁判所外で処理されている」という指摘に合理的根拠があるかは極めて疑問である。
 また,行政訴訟や刑事訴訟で実際に「政府と敵対する」のは,弁護士ではなくその事件の当事者であり,近年における行政訴訟の事件数増加は,法によれば国家権力とも対等に勝負することができるという,国民全体における権利意識の向上に起因するものであって,政府と敵対できる法律家の数を抑えるべきなどとする議論は,法治国家の存在意義そのものを否定するものである。誰の指摘かは知らないが,このように不見識な発言を平気で行う者は,法曹養成制度の評価を行う「有識者」として適当でないことから,研究会の構成員から直ちに除斥すべきである。

<指摘11>
 法科大学院を修了しても法曹になれなかった(司法試験に合格しなかった)人は欠陥商品だと言われているように見受けられるが、学んだことを他の隣接法律専門職等で活かす道もあるはずであり、それを視野に入れた議論がほとんど行われていないのは何故だろうか。
<意 見>
 この指摘はあまり当を得ていない。前述のとおり,法科大学院のカリキュラムは実務上のニーズとの整合性を考慮して組まれているわけではなく,極論すれば学者の自己満足のために組まれているに過ぎないほか,法科大学院において厳格な成績評価及び修了認定が行われるという建前が空文化しており,全受験者が法科大学院修了者であるはずの新司法試験においても,論文式試験の下位答案の中には,およそ法律問題の答案とは評価し難いレベルのものすら含まれているというのが実情である(最近は,司法試験の合格者であっても,法曹として必要な資質を備えているとは限らないことが明らかとなっていることから,司法修習生の就職活動においても司法試験の成績通知書提示を求められ,特に成績下位の合格者は就職が難しいと言われている)。
 つまり,最近は司法試験の合格者でさえも,成績下位の者はあまり価値がないと評価されているのに,法科大学院を修了したが司法試験に合格できない者の価値など,まともに評価されるわけがない(欠陥商品どころか,そもそも商品価値はないと言い切った方が適当ではないかと思われる)。
 また,司法書士であれば不動産登記法,弁理士であれば各種産業財産権法や特許の対象となる科学技術関連の知識,税理士であれば各種税法のほか簿記と財務諸表論,社会保険労務士であれば労働及び社会保険に関係する技術的な法令や通達等の知識などというように,各種の法律隣接専門職においては,それぞれ法科大学院の教育内容とも司法試験の内容とも大幅に異なる分野の知識が受験科目上も実務上も要求されており,これらの隣接専門職の資格を取得したいのであれば,資格試験予備校でそのための教育を相当期間受ける必要がある(行政書士については,一般教養科目は大学入試レベルでも対応できる程度の内容であり,法律科目の出題範囲は司法試験と概ね重複するため,上位の法科大学院修了者であれば試験合格自体はさほど難しくないと思われるが,実際に独立開業している行政書士の実務と試験内容の乖離は著しく,現にいる行政書士資格者の中にも,資格が何の役にも立っていない「ペーパー行政書士」が多いと言われている)。
 法科大学院で学んだことを,これらの隣接法律専門職等で活かす道があるもあるのではないかという発想は,全く現場の事情を知らない素人考えではあり得るのかも知れないが,多少なりとも実情を知っている者にとっては,全く現実的な議論ではない。

<指摘12>
 法曹資格がなくともできる重要な仕事もあり、法曹資格を取れなかった人の処遇の問題についても、司法書士、行政書士等の隣接法律専門職等の資格との関係を含めて考えていく必要がある。
<意 見>
 この指摘もあまり当を得ていない。理由は上述したとおりである。

<指摘13>
 今でも、例えば、学校でちょっとしたトラブルの時、親が来ないですぐ弁護士が来て、ああだこうだと言って困ると学校の先生が言っている。弁護士を増やすことが、変に需要を増やすことになりかねず、社会全体としてみると果たして幸せなことなのであろうかと考えてしまう。
<意 見>
 学校のトラブルですぐ弁護士が介入してくるというのは,法曹人口問題と直結する問題ではないようにも思われるが,米国などの例を持ち出すまでもなく,このまま法曹人口の拡大路線を続けた場合,こうした従来の社会通念に照らせば「変な」弁護士需要を増やす可能性が高いことはある意味当然のことであり,そうした傾向が社会全体として有益なことであるか否かについては,法曹人口に関連する問題として十分に議論する必要があると思われる。

【法科大学院について】
○ 制度設計、入学定員
<指摘14>
 法科大学院を設置するときに、法学部を廃止すべきではないかとの議論があったが、結局そうはしなかった。その結果、法学部を有する大学は、法科大学院をつくらないと存在価値が失われるかのような脅迫観念から、そのほとんどが設置したため、約6,000 人弱の入学定員になってしまった。
<意 見>
 全くそのとおりである。なお,法科大学院の制度設計にあたり手本とした米国では,ロースクールはあっても大学の法学部はなく,これと類似の制度を導入した韓国でも,法科大学院の設置に伴い法学部を廃止している。これらの例と比較しても,法科大学院を設置した場合に,経済的観点から既存の法学部と併存できるか否かという検討は極めて不充分であったと言わざるを得ず,その結果両者が共倒れの危機に陥っているのが現状であるということもできる。

<指摘15>
 法学部を廃止すると、企業等への22歳くらいの大学卒業者の就職者が、文系の場合、ほとんど経済学部だけになってしまい、偏ってしまうのではないか。
<意 見>
 経済学部以外にも,経営学部や文学部などもある(文学部の場合,企業への就職にあたっては語学力が主要な武器となる)ことから,必ずしもそのような結果にはならないと思われる。

<指摘16>
 教育というのは、一定のカリキュラムによる教育を受ければ、必要とされる能力が身につくということが前提になっているはず。法科大学院を修了しても新司法試験に合格できない人が多数いるというのは、うまく制度設計ができていないと思う。
<意 見>
 全くそのとおりである。ただし,法科大学院については,そもそも司法試験や実務に必要な能力は何かという観点から制度設計がなされたわけではない。
 すなわち,法律学者の学説と実務との乖離は従来から顕著であり,そのことを認識した司法試験の受験生達も,大学の講義を公然と無視し受験予備校に頼る傾向が顕著となっていた(当職の知人には,東京大学の法学部に在籍していながら授業には全く出席せず,司法試験の受験勉強による知識だけで法学部の試験を受け必要な単位を取得し卒業したという者もいるし,大学三年の時点で旧司法試験に合格した者は,もはやそれ以上大学に在籍する必要性を認めず,大学を中退して司法修習生となるのが一般的であったため,法曹界の間では「東京大学法学部卒業」より「東京大学法学部中退」の方が評価は高いという逆転現象すら生じていた)。
 法科大学院とは,要するにこのような状況に危機感ないし憤りを感じた法律学者達が,自分達の講義を法曹志望者に押し売りするために創設したに過ぎないものであり,このような機関にまともな制度設計を期待する方が間違っている。

<指摘17>
 現行制度の下では、ストレートに法曹になっても26歳で、受験3回目で合格すると29歳、不合格となると30 歳前後で就職先探しを始めるということになるが、例えば、法学部の学生は2年生の段階で法科大学院の選抜試験を行い、その後3年間で法律の専門的教育を行うことにすれば、法曹養成期間を1年間短くできる。そのような選択肢もあってよいのではないか。
<意 見>
 正当な意見だとは思うが,特に東京大学法学部生の場合,例えば大学2年生ないし3年生の段階で予備試験に合格し,4年生の段階で新司法試験に合格して,結局法科大学院には行かずに法曹になる者(法科大学院関係者は,現にこのような者を「超特急組」と呼んで,その出現を恐れている)が続出し,むしろ法科大学院へ行く者は落ちこぼれ組として扱われる可能性も高いことから,そのような対策を講じても,結局は後手に回ってしまうだけではないか。

<指摘18>
 法学部出身者は、学部で2年、法科大学院既修コースで2年、計4年間勉強することになるのに対し、法学部以外の者は法科大学院の未修コースの3年間の勉強で修了できることになっている。法学部出身者の勉強期間は、もっと短くてもよいという考え方も出てくるのではないか。
<意 見>
 東京大学法科大学院などの上位校に関しては,そういう考え方もあり得ると思われるが,実際には法学部出身者でも学力に自信がなく,敢えて法科大学院の未修者コースに入学する者が少なくないため,「法学部出身者」と言っても一概には論じられないことに留意すべきである。

<指摘19>
 入学定員の問題については、時間はかかっても、競争原理によって、良い法科大学院が残っていって制度が落ち着いていくという話であったが、他方で、法曹需要が伸びず、弁護士の就職難の問題が生じてきており、競争原理だけでは解決できなくなってきている。
<意 見>
 全くそのとおりである。最近は,東京大学法科大学院の修了者で,しかもストレートで司法試験に合格した者でさえも就職難に苦しむという状況になっており,このまま競争原理に任せて問題を放置しておけば,法曹全体が他の業界との競争に敗れて没落してしまい,法治国家の人的基礎が崩壊する危機にあることを関係者は十分認識すべきである。

<指摘20>
 旧国立大学の法科大学院の入学定員の削減が、一律に行われているようにみえるが、合格成績の良い大学院は教育環境・内容に優れていることが高い確率で推定され、志望者も多いはずで、市場原理が働いていないのは「法科大学院教育の充実」というテーゼとも矛盾しているように思われる。また、法科大学院の経営を考えれば、一定規模の学生数は必要であり、それを確保するために大学院の質を高めるよう努力するわけであるから、この点からも旧国立大学のみ一律削減の方向でそろっているのは奇異に映る。
<意 見>
 指摘の趣旨がいまいち不分明であるが,要するに新司法試験の成績が悪い法科大学院を潰すか,そのような法科大学院を中心に入学定員の大幅削減を実施すべきという趣旨であれば,その限りにおいて賛同する。
 ただし,法科大学院に対する人気の急低下に伴い,合格成績の良い大学院であっても相対的な質の低下は避けられず,東京大学などの有名大学では入学者の質及び大学のブランドを維持するために入学定員の削減を行わざるを得ないというのが実情であって,そのため一律削減という方向性で動いているものと推察されるため,一律削減の方向性に対する批判の根拠としては充分でないと思われる。
((2)へ続く)

1 コメント

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Unknown (Unknown)
2011-03-30 20:00:18
黒猫せんせ

こんなこと言ってる人もいるよ。
http://blog.livedoor.jp/hypholomafasciculare/archives/2971660.html

大丈夫なの弁護士会?