黒猫のつぶやき

法科大学院問題やその他の法律問題,資格,時事問題などについて日々つぶやいています。かなりの辛口ブログです。

弁護士業界のジェネレーション・ギャップ

2009-02-04 03:05:17 | 弁護士業務
 前回の記事でお伝えしたとおり、今年の東京弁護士会の会長選挙は、現執行部派のY氏、反対派のT氏、そして若手弁護士のI氏が立候補しています。
 昨年の日弁連会長選挙に立候補した高山氏といい、今回のT氏といい、戦前の事例を引き合いに出して「弁護士自治崩壊の危機」を強く訴えているのですが、黒猫くらいの世代の弁護士にとってみると、そもそも弁護士自治という言葉自体、既にピンとこないところがあります。
 司法試験の合格者が年間500人程度だった頃には、おそらく同期の修習生の間には「同じ釜の飯を食った仲」という感じで強い連帯感があり、それが弁護士自治の基礎になっていたのかもしれませんが、黒猫が修習生であった時期(54期~55期)の頃には、修習期間が1年半に短縮されており、研修所での修習も1クラス約70名という大所帯であったため、たとえ同期の修習生の間でも、それほど強い連帯感というものはなかったように思います。
 ましてや、最近の60期や61期の修習生に至っては、修習生の人数がさらに増加したほか,修習期間が1年にまで短縮されてしまっている上に,二回試験では毎年100人以上の落第者を出す事態が常態化し,仮に二回試験は突破できても激烈な就職難が待っているといった状況にあるようであり、そのような若手弁護士達に、昔の弁護士のような「一体感」を要求することには、どう考えても無理があると思います。
 むしろ、現在の会長人事は、不透明な派閥間の調整で候補者が決まり,また法テラスという法務省の天下り団体としか思えない団体に、実質的な理由もなく国選弁護事務を移管し(これはどう考えても法テラスの利権拡充を目的にしているとしか考えられず、弁護人の独立性という観点からはむしろ明らかに不適切な制度変更でしょう)、これに反対しようとした刑事弁護委員会の執行部を強引な方法ですげ替えるなど、現在の弁護士会は権力者に追随し、国の意のままに動くことしか能のない御用団体に堕していると評した方が正鵠を得ており,そもそも「弁護士自治」を体現している存在だとは思えません。
 一方、対立候補側のT氏は,人権擁護がどうとか,憲法改悪阻止がどうのと叫んでいるようですが,未曾有の就職難でむしろ弁護士自身の生存権が脅かされている状況では、そのような議論に若手弁護士の多くが共感を示すとはとても思えません。
 もっとも、そのような若手弁護士の代表を標榜するI弁護士の主張は、あまり真剣味が感じられず、若手弁護士の多くの票を獲得できるとは考えにくいのですが、T弁護士の主張も、特に若手弁護士の考え方からは大きな乖離が見られると考えざるを得ません。Y候補は、既に多くの弁護士の顰蹙を買っている裁判員制度の推進にこだわっているあたりで、あまり広汎な支持を集められるとは思えず、会員向けの選挙公報もあまり熱心でないところを見ると、おそらく派閥の組織票で最低限の得票を取れればいいやとでも考えているのでしょう。
 何となく、今年の東弁会長選挙は、かなり盛り上がりに欠ける選挙になるような気がします。

3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (Unknown)
2009-02-04 11:10:59
法テラスって法務省の人が天下りしてるんですか?その辺りの実態がよく分からないんですが…
返信する
タレコミしまーす。 (事情通)
2009-02-05 02:04:16

マジ目を疑ったんだけどさぁ、○○千○がこのサイトにいたの!!!
普通にヤりてーし全力でメッセ送ってみたら・・即レスキター!!!
メールやり取りしてたら結局その日に会う事になって即ハメwww
テンションアゲアゲだと簡単に引っかかるYO♪ やってみそーw

http://J0iKULZ.okinawa.frskfrsk.com/
返信する
Unknown (南太平洋)
2009-03-16 19:40:54
まあ、なんだ、自分が立候補すればよろしい。
返信する