今日の帰り、丸ノ内線の車内で立っていると、席に座っていた男が急に立ち上がって、去って行った。
俺は何も考えずそこに座った。
しかし、安直に座ってしまったことをすぐに後悔した。
右隣にいる婆がやばすぎる。
婆はA3サイズの用紙に印刷された人型の欄に、シャーペンで文字を書き続けている。
用紙は半分に、A4の大きさに折られているので、タイトルみたいなものが全ては読めない。
読めたのは「命乞い…」、「滅代…」。
婆は文字を書きながら、小さな声で何かを呟いている。
それはどうしても聴きとれなかった。
婆は頭には、白と黒の髪が半分づつ存在していた。
生えているというよりも、ただ存在しているという感じだった。
シャーペンを握る小指は少し短くて、切り落としたのではと思えた。
よく見ると不格好な爪がそこにはあって、そうではないと気付いた。
婆が文字を書きつけている紙は、色つきで、印刷もしっかりされている。
それは市販されているもののようだったが、明らかに何がしかの団体が、お布施を納めれば配布するような代物だった。
それに婆は、我武者羅に繰り返し、繰り返し書いていた。
平仮名で「いのちごい」と。
俺は何も考えずそこに座った。
しかし、安直に座ってしまったことをすぐに後悔した。
右隣にいる婆がやばすぎる。
婆はA3サイズの用紙に印刷された人型の欄に、シャーペンで文字を書き続けている。
用紙は半分に、A4の大きさに折られているので、タイトルみたいなものが全ては読めない。
読めたのは「命乞い…」、「滅代…」。
婆は文字を書きながら、小さな声で何かを呟いている。
それはどうしても聴きとれなかった。
婆は頭には、白と黒の髪が半分づつ存在していた。
生えているというよりも、ただ存在しているという感じだった。
シャーペンを握る小指は少し短くて、切り落としたのではと思えた。
よく見ると不格好な爪がそこにはあって、そうではないと気付いた。
婆が文字を書きつけている紙は、色つきで、印刷もしっかりされている。
それは市販されているもののようだったが、明らかに何がしかの団体が、お布施を納めれば配布するような代物だった。
それに婆は、我武者羅に繰り返し、繰り返し書いていた。
平仮名で「いのちごい」と。