或るひとつの記録

昔と違い、最近は完全に子供のために生きています。

帰省と反省

2006年12月31日 12時01分07秒 | Weblog
実家方面に向かう特急列車のなかで、私は今、ひどく後悔している。
ほんの30分前の出来事に対して。


30分前、特急発車時刻があと5分に迫り、私は駅のホームに急いでいた。
飲食店や本屋が並ぶ構内を早足で歩いると、販売員の女性が向かいから歩いてくるのに気づいた。

彼女の顔をはっきり認識できるところまで距離が縮まったとき、私の心臓も一気に縮まった。


リア・ディゾン!

そう、彼女はの顔はリア・ディゾンに酷似していた。

年末に増えた客の対応に疲れ、俯き加減で歩く彼女は、まさに「影のあるリア・ディゾン」。


私は迷った。
声をかけるべきか否か。
発車まであと5分、いや既に4分かもしれない。


すれ違うのはほんの一瞬だった。
些末な迷いが、私を躊躇させた。
私は行動を起こせなかった。

一瞬歩みを止め、振り返って彼女の後ろ姿を眺めた。
私はまだその迷いから抜け出せていなかった。
しかし、それを断ち切るように私は足を前に出した……。



私は今とてつもなく後悔している。
行為に必ずしも結果がついてくるものではないことはわかっている。
しかし、行動を起こさなければ、絶対に十全な結果など返ってこない。
私は行動を起こせなかったことを恥じている。


今年最も反省すべきことは、上野のリア・ディゾンに声をかけなかったことに決まりだ。