野に撃沈

多摩地区在住の中年日帰り放浪者。ペンタックスK10Dをバッグに野山と路地を彷徨中。現在 野に撃沈2 に引越しました。

霧積温泉―霧積館と金湯館

2006-12-05 | 旅行
 碓氷峠から横川に戻る途中、霧積温泉に寄った。77年西条八十の詩「帽子」をとり上げた映画「人間の証明」ゆかりの地である。j当時、「母さん、あの帽子どうしたでせうね」という一節が耳について離れなかった。分岐から9km先の温泉目指して狭い曲がりくねった道を行く。詩句のとおり晩秋の渓谷は深くなっていった。

長野新幹線の高架の下を通り、暫く行くと霧積ダムが見えてきた。

 滝を過ぎ、山道は更に細くなっていく。やっと建物らしきものがたち込み始めた霧の向こうに見えてきた。

 左の大正ロマンを彷彿させる六角形の建物は浴場で、対照的な右の純日本式の建物が本館となっている。

 どっしりとした落着きのある玄関。いかにも客を温かく迎えてくれそうだ。

 玄関脇に「帽子」の詩の看板があった。

 少し引き返して車を置いた。分かれ道を左に折れ、急な坂道を霧積温泉のもう一つの宿「金湯館」へと向かった。小半時も登っただろうかやっと深くなった霧の中に赤い屋根がぼんやりと浮かんできた。

 小さな沢沿いに立てられ、水車が緩やかに回っていた。何度か建て増しされたのだろう、建物全体の規模は思ったより大きい。

 やっと霧積温泉最奥の宿「金湯館」に着くことが出来た。霧積館とはがらりと雰囲気が変わっている。小洒落た些かも無い。ゆったりとしていて周囲の自然に溶け込み一体となっている。こんなところに一週間も滞在したらさぞかしくつろげる事だろう。近いうちに山登りをかねて泊まりに来ようと心に誓った。

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