日本には白山より以西に2,700mもの高峰を持つ山脈は存在しない。高きが故に尊いわけでは無論ないが、全て2000m以下の山である。その地理的配置から白山を西限とする高山の花が幾つかある。高山植物の女王といわれるコマクサもその一つで、お隣の立山にはあるのだがここ白山にはない。
とずーっと思っていた、昨日の観察ツアーでガイドの話を聞くまでは。その話によると最近、何処かの誰かが大汝峰の頂上付近にコマクサの株を植え、今ではすっかり根付き元気に花を咲かせているという。
これは一目見なくてはと思い、中宮道お花松原への予定を変更して大汝峰に登ることにした。室堂から西側のコースをとって、1時間余りで中宮道と大汝峰登山口との分岐に着いた。ここまで来ると登山者の姿は殆ど見えなくなる。 登山口からは20分ほどの登りで頂上にあっさりと着いた。ガレキで蔽われているが思ったより平らだ。その一角に小さな大汝神社があった。防風のため石積みされた壁に囲まれ、入り口を屈曲させてある。
コマクサを求めて頂上付近を探し回った。カンカン照りの中10分ほど探したが見つからない。諦めかけたその時、5,6m前方に小石で輪状に小さく囲ったものが見えた。近づいてみるとその中に確かにコマクサが植えられていた。やや時期は終わりかけてはいるがまだ綺麗なピンク色を保って風に揺れている。
一体どのような人が植えたのだろうか。その胸中にはどんな思いがあったのだろうか。私には知るすべもないが、しかしこれを自然の植生を改変する傲慢な行為と難ずる気持ちは全くない。時にはこんな遊び心もあっても良いのではないだろうか。自然だって充分気まぐれなのだから。
数年後再びこの頂を踏み、一帯に伸びやかに広がって咲くコマクサを見る事ができるだろうか。
とずーっと思っていた、昨日の観察ツアーでガイドの話を聞くまでは。その話によると最近、何処かの誰かが大汝峰の頂上付近にコマクサの株を植え、今ではすっかり根付き元気に花を咲かせているという。
これは一目見なくてはと思い、中宮道お花松原への予定を変更して大汝峰に登ることにした。室堂から西側のコースをとって、1時間余りで中宮道と大汝峰登山口との分岐に着いた。ここまで来ると登山者の姿は殆ど見えなくなる。 登山口からは20分ほどの登りで頂上にあっさりと着いた。ガレキで蔽われているが思ったより平らだ。その一角に小さな大汝神社があった。防風のため石積みされた壁に囲まれ、入り口を屈曲させてある。
コマクサを求めて頂上付近を探し回った。カンカン照りの中10分ほど探したが見つからない。諦めかけたその時、5,6m前方に小石で輪状に小さく囲ったものが見えた。近づいてみるとその中に確かにコマクサが植えられていた。やや時期は終わりかけてはいるがまだ綺麗なピンク色を保って風に揺れている。
一体どのような人が植えたのだろうか。その胸中にはどんな思いがあったのだろうか。私には知るすべもないが、しかしこれを自然の植生を改変する傲慢な行為と難ずる気持ちは全くない。時にはこんな遊び心もあっても良いのではないだろうか。自然だって充分気まぐれなのだから。
数年後再びこの頂を踏み、一帯に伸びやかに広がって咲くコマクサを見る事ができるだろうか。