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「北村朋幹 ピアノ・リサイタル」を観に行く

2023年02月27日 | クラシック音楽

東京文化会館で開催された北村朋幹ピアノリサイタルを聴きに行った。彼はテレビのクラック倶楽部に出ていたので知っていた。1991年生まれの32才、オフィシャルサイトによれば、3歳よりピアノを始め、浜松国際ピアノコンクール第3位、シドニー国際ピアノコンクール第5位ならびに3つの特別賞、リーズ国際ピアノコンクール第5位、ボン・テレコム・ベートーヴェン国際ピアノコンクール第2位など受賞している。また、2005年、第3回東京音楽コンクールにおいて第1位ならびに審査員大賞(全部門共通)受賞と輝かしい受賞経歴を持つ。チケット代は全席3,300円だ。

今日の演目

  • シューマン:森の情景 Op.82
  • ホリガー:エリス-3つの夜曲-
  • バルトーク:戸外にて Sz.81 BB89
  • ノーノ:. . . . .苦悩に満ちながらも晴朗な波. . .[エレクトロニクス:有馬純寿]
  • シューマン:暁の歌 Op.133

〈アンコール〉

  • シューマン:子供のためのアルバム Op.68より 第15曲 春の歌、森の情景 Op.82より IX. 別れ

今日の演目はプログラムに書かれた北村氏の説明を私なりに理解すると、「夜」とか「闇」というのがキーワードになって選曲されたと思われる。それは、氏の説明で、ピアノは特に夜に似合うと錯覚する、などの記述や、シューマンの森の情景では、足を踏み入れた森で最後に夜の吐息が谷間を吹き抜けると、闇が静かにあたりを包む、と説明され、エーリス3つの夜曲ではホリガーは夜の人生を送った芸術家だ、バルトークでは彼は生涯を通じて繰り返し作曲した「夜の音楽」、その多くは妻に捧げられた、シューマンの暁の歌では、シューマンをETAホフマンの描く夢と狂気が入り混じる夜の世界から受けた影響の大きさは計り知れない、としていることなどからだ。

今日の演目は初めて聴く曲ばかりだ、全体的に暗い感じの曲が多かったように思うが、それは北村氏の説明を読むと納得する。また、ホリガーやバルトークの音楽は現代音楽なのか、メロディーというもの、あるいは調性というのか、それがないので私にはわかりづらい。フルトヴェングラーが言うように「無調」の音楽はベートーベンの持っていた音楽概念と別の基底の上に立っている(「音と言葉(P67)」)からベートーベンなどでクラシック音楽が好きになった人には理解が難しいのかもしれない。パンフレットの説明では、バルトークはフルトヴェングラーの指揮で自身のピアノ協奏曲を演じ、難航を極めた、とあるがさもありなんだ。

現代音楽はクラシック音楽なのか、語義として矛盾している。クラシックピアニストが弾けばクラシック音楽になるし、ジャズピアニストが弾けばジャズにもなる、既存のジャンルに当てはめる必要はないのかもしれないが、考えさせられた。

さて、北村氏だが、細身の体でやさしそうな若者だ、ちょっと神経質な感じも受けたが良い印象を持った。パンフレットに自分の考えや解説を書いてくれているのも好感を持てる。今後の一層の活躍を期待したい。ただ、ひとこと言わせてもらえば、いつものことなのだがSNS、YouTube、オフィシャルサイトでの情報発信が全くダメだ。更新頻度が少ないし記載内容もいまいちだ。この辺をアドバイスしてサポートする人はいないのか。本人は練習等で忙しいので誰かその道のプロのサポートが必要だろう、やがてそんな費用は安いもんだと感じるようになるだろう。



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