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気ままに生活してるシニアの残日録

日経平均4万円を超える

2024年03月05日 | 日常生活の出来事

昨日、日経平均が4万円を超えた。1989年の高値を超えた勢いは続いているようだ。本年から導入された新NISAもあり、書店には株式投資の本が多く並んでおり、家庭の主婦でも投資しなければ損だというムードになっている。

日経平均は今後も長期的に上昇するのか、投資経験5年以下の初心者の私が、浅学非才を顧みず、考えてみた。

私の見方

日経平均の上昇は長期的には続かない、従って今のままでは長期投資の対象にしない

理由

昨年来の日経平均の上昇の理由として言われているのは日本企業の収益力の向上、株主還元姿勢の改善であり、今後も継続することが期待されているからである。その背景として以下の説明がなされている。

  1. 企業のガバナンスの向上(社外役員の導入、政策保有株の解消など)
  2. 東証の指導によるPBR1倍未満の会社に対する改善要請への対応
  3. 値上によりデフレ脱却が見えてきた、賃上げにより好循環が生まれつつある
  4. 先進国で唯一金融緩和を継続してることによる円安、低金利
  5. 中国の景気減速、地政学的リスクの増大に伴う工場や投資マネーの脱中国の向かう先が日本である

以上の背景について私の評価

  1. ガバナンス改善、PBR1倍未満解消、賃上げのいずれも企業自らの判断でやり始めたことではなく、国や政治家、東証などから尻を叩かれて実施しているものである。経営者は恥ずかしくないのか。
  2. 最近の値上げには、みんなで渡れば怖くない、という便乗値上げもかなりあるのではないか、値上げをした会社が多額の利益を計上している例もある。公取委がなぜ調査しないのか。
  3. 企業業績の改善は円安、低金利による「追い風参考記録」だ、それでもまだ日米のROEの差は大きい
  4. 長期の金融緩和は企業を過保護にし、新陳代謝を妨げている
  5. 日本にも大きな地政学的リスクがある

これ以外にも日本市場の問題として日銀による日本株取得がある。これは他国では実施していない。この面でも日本企業は甘やかされいるし、資本市場がゆがめられている

いずれ外国人投資家は売り逃げるだろう、そして最後にババをつかむのが新NISA導入による株式投資ブームに浮かれた日本人とならないことを祈る

日本企業が同業の欧米企業並みのROEの達成と、賃上げ毎年3%以上などのチャレンジングな計画を立案し、達成できなければ役員は退陣すると公約し、目標に向かって着実に前進するところを見せたとき、日本株の持続的な上昇が始まるでしょう

 


映画「コヴェナント 約束の救出」を観る

2024年03月05日 | 映画

近くのシネコンで映画「コヴェナント 約束の救出」を観てきた。シニア料金1,300円。2023年、米‣英‣スペイン、監督ガイ・リッチー、原題Guy Ritchie's the Covenant。監督のガイ・リッチーはイギリス人で54歳だ。この映画は、ガイ・リッチー監督がアフガニスタン問題とアフガン人通訳についてのドキュメンタリーに着想を得て作った映画。

2018年のアフガニスタン、タリバンの武器の隠し場所を探す部隊を率いる米軍曹長ジョン・キンリー(ジェイク・ギレンホール)は、優秀だが生意気で癖のあるアフガン人通訳アーメッド(ダール・サリム、イラク人)を雇う。部隊は爆発物製造工場を突き止めるが、タリバンの攻撃によりほぼ全滅してしまう。

キンリーとアーメッドはアフガンの岩山の中を必死に逃亡するが、タリバンの攻撃でキンリーが瀕死の重傷を負う。そのキンリーをアーメッドが救出し遠く離れた米軍基地まで手押し車で必死に運ぶ。そして、ついにアメリカ軍に保護され祖国に帰還を果たすがアーメッドはアフガンでタリバンから裏切り者の烙印を押され逃亡生活を余儀なくされる。自分を助けたためにアーメッドがタリバンに狙われていることを知ったキンリーは、彼を救うため再びアフガニスタンへ向かう。

観ていて感じたことを書いてみたい

  • 映画全体を通じてハラハラ・ドキドキが満載でよかった、それも前半のタリバンの追跡からの逃亡劇、最後のアフガンからの逃亡劇、2度もクライマックスがあるのがよかった。
  • アフガンの岩山の台地、過酷な気象、埃が立ち込める街の描写、いかにもアフガニスタンとはこういうところだろうなと思わせる映像がよかった、ウィキによれば撮影はスペインのアリカンテというところで行われたとあるが、スペインも気象条件の厳しい土地だというの本で読んだことがある。
  • タリバンの兵士たちの描写もいかにもあり得るな、と思わせる演技だ。埃で汚れた車に白いタリバンの旗をなびかせて、「パトゥー」と呼ばれるマフラーのようなもので口から首を隠した兵士がライフルをもって米軍を神出鬼没で攻撃しまくる。そして、映画の中では現地人がタリバンを好きでないと言う場面もあり、パレスチナのハマスも同じような感じなんだろうなと思った。
  • そのタリバンなどが使っていた車がほとんど全部、日本メーカーの車だったのは皮肉だ。タリバンに直接売ったわけではないのだろうが良い気分はしなかった。
  • 映画の最後に米軍は2021年にアフガンから撤退した、そして米軍に協力した通訳たちのうち300人とその家族が(救出されずに)そのまま現地に残され、悲惨な状況になっていることが説明された(ピザの発行を約束して協力を求めていたが反故にした?)。そして米軍撤退後、タリバンが現地を再び支配していると出た。ソ連のアフガン侵攻、それに反抗するタリバンを含む勢力への支援、ところが9.11後はタリバンへの攻撃・・・この地を巡る大国同士の争いの醜さ、自分勝手さ、中東やアフリカも同じだろう。
  • 最後のアフガニスタンからの脱出を目指して逃げるジョンとアーメッドの二人の弾薬も底をつき、絶体絶命になったとき、事態が急展開するというのがいかにも映画らしいが、ちょっと出来すぎで白けた。スピルバーグ監督、トム・ハンクス主演の「プライベート・ライアン」も同じような終わり方だったが、ここがアメリカやアメリカ人が主人公になる映画らしいと言えばそうなのだろう。もうひとひねりほしいところだと思った。

娯楽映画として面白い映画だと思った。