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気ままに生活してるシニアの残日録

映画「白鯨」を観る

2023年03月06日 | 映画

TV放映の映画「白鯨」を観た。この映画を観るのは二度目だ、面白かった記憶があるので、もう一度観ようと思った。「白鯨」(1956年、米、ジョン・ヒューストン監督)はメルビル(米の作家)の同名の長編小説(1851年)を映画化したものだ。

出演者で印象に残った俳優のみ記載すると

  • エイハブ(船長):グレゴリー・ペッグ(ローマの休日で有名)
  • スターバック(副船長):レオ・ゲン
  • スタッブ(二等航海士):ハリー・アンドリュース
  • イシュメール(最後に生き残る):リチャード・ベースハート
  • クイークェグ(イシュメールが宿で知り合った友人、一緒に船に乗り込む):フレデリック・レデブール

映画の中で特に最初に船に乗り込んだところで乗組員の説明がありスターバック(副船長)については、親子代々鯨捕りの達人で物静かな中に勇気があり船には欠かせない人であり、いざという時、頼りになる。スタッブ(二等航海士)は冗談の好きなノンキ者でいつも笑っている賢い男だ、とある。

物語は、港に行き着いたイシュメールが安宿でクイークェグと知り合い、捕鯨船に乗り込むと、エイハブという船長が何か迫力があり、以前大きな白鯨を捕ろうとして足を一本失い、鯨の骨を義足にしていることを知る。捕鯨船は鯨を捕って、その脂を取り出し生活用に使う目的で出港するものだが、船長は白鯨への復讐を優先して捕鯨の途中で白鯨を追いかけることを決め進路を変更する。そして、ついに白鯨を見つけ闘いを挑むが最後は・・・・

映画を見直してみての感想

  • 船長の個性が強烈に描かれているが補佐役のスターバックも良い役を演じている
  • 白鯨との闘いの場面は現代のコンピューターグラフィックになれた我々には大きな驚きはないが、この当時として相当迫力のある特撮シーンであっただろう
  • 女性が全く出てこない、こういう映画もめずらしいのではないか、原作でもそうなのかしら?
  • ハッピーエンドではないところが良い(何か観る人に考えさせるところがある、という意味で)
  • ストーリーがほぼ同じ時期に同じアメリカで発売されたヘミングウェイの「老人と海」(1852年9月発出)と似ている(一つ一つストーリーの核となる部分を比較すると違いはある)、海が舞台である、大きな獲物と格闘する、結果はむなしく終わる。「老人と海」の方が1年あとの発表だがウィキペディアによればヘミングウェイが書き始めたのは1951年1月で2月中旬には完成したと妻が証言しているとある。短編小説に近い量なので短期間でも書き上げることはできるだろ。ウィキペディア「老人と海」の中では、同じ海を舞台にした白鯨と比較されることもある、と簡単に書かれている。

ところで、この「白鯨」だが、英語のタイトルは『Moby-Dick; or The White Whale』だ。モビーディックとは白鯨の名前だが、学生の頃よく聞いたイギリスのハードロックバンド、レッド・ツェッペリンの曲の中に「モビーディック」という曲がある。この曲はドラムソロのための曲でドラム担当のジョン・ボーナムの激しいドラムが今でも思い出される。レッドツェッペリン・ライブ・イン・ニューヨークにも入っておりライブの時は必ず演奏されていた。この映画を観て、その激しいドラムはきっとエイハブ船長とモビーディックとの決死の闘いを表現したものだったんだな、と思った。