クラシック倶楽部の「小海行子、小林壱成、上村文乃 ピアノ&トリオ・コンサート」を観た。
演目は、最初の3曲は小海行子のピアノ独奏
- ノクターン変ホ長調作品9第2(ショパン)
- 献呈(シューマン作曲、リスト編曲)
- ロンド・カプリチオーソ ホ長調、作品14(メンデルスゾーン)
古海行子(ふるみ やすこ、25)は、2018年に第4回高松国際ピアノコンクールで日本人として初めて優勝、2021年第18回ショパン国際ピアノコンクールセミファイナリスト。この日は赤いドレスに着飾ってかわいらしくて良かった。オーケストラでないときはこのような派手目な服装で良いと思う。
彼女の説明によれば、今回の選曲はほとんど同じ時代に生きた作曲家を取り上げ、比べるとどの作品にも歌の心が見えるが微妙な違いが感じ取れる、とのこと。
ショパンのノクターンは有名なメロディーで、ショパンが祖国を離れパリに出てきた20代の1831年にこの曲を含む3曲のノクターンを作曲、彼の愛したピアノ製作会社の社長夫人マリー・プレイエルに献呈したもの、短い曲だけど親しみが持てる曲だ。
献呈は、シューマンが妻クララに捧げた歌曲集「ミルテの花」の第1曲をリストがピアノ用に編曲したもの、リストならではの超絶技巧がちりばめられた中にシューマンらしい暖かい歌心が感じられる、と解説されている。
ロンドはメンデルスゾーン24才の頃の曲、甘く静かな序奏と軽やかな主部との対比が見事な曲と説明書きがあった。
後半は以下のメンバーの三重奏
- 小林壱成(、こばやし いっせい、バイオリン、29、東京交響楽団コンマス)
- 古海行子(ピアノ)
- 上村文乃(かみむら あやの、チェロ、32、ピリオド楽器も使う)
曲は
- ピアノ三重奏第1番、ニ短調、作品49(メンデルスゾーン)
シューマンがベートーベン以来最も偉大なピアノ三重奏曲とたたえたという作品、初演では30才のメンデルスゾーン自らがピアノを受け持った、ピアノの名手だったメンデルスゾーンらしくピアノ演奏には高度な技巧を要すると解説されている。
- アンコール、ちょうさじゃ(和田香苗作曲、ニウナオミ編曲)
これは地元新居浜ゆかりの曲、ちょうさじゃは町の名、新居浜太鼓祭のにぎわいを歌ったもの。今回は新居浜市での公演だったのでこの選曲なったのだろうが、このような選曲は良いことだと思う。
今回の3人の若手演奏家は不勉強で全く知らなかったが、良い演奏をしているので今後の活躍を期待したい。