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Netflix「イカゲーム(シーズン1)」を観た

2025年02月04日 | 映画

人気があるNetflixのイカゲームを観た、シーズン1、全9エピソード、各エピソードは1時間くらいなので、1日1エピソードを観て楽しんだ

物語は、

バツイチの父親で、高利貸しから追われているソン・ギフン(イ・ジョンジェ)は、地下鉄でスーツ姿の男性から大金が獲得できるゲームに招待される、6日で6つのゲームに参加し、それら全てをクリアしたものに高額の賞金が与えられるのだという、参加を決意したギフンは、そこで幼馴染でソウル大学首席のチョ・サンウ(パク・ヘス)、脳腫瘍を患う老人オ・イルナム(オ・ヨンス)、脱北者の少女カン・セビョク(チョン・ホヨン)らと出会いゲームに臨む

ゲームの参加者は456人だが、実はゲームに敗れたものはその場で射殺される死のゲームだった、そして、1人脱落するごとに1億ウォンの賞金額が積み上げられていく、一度はゲームを中断して帰る決断をしたギフンたちだったが、やがて自分の現状を変えるべく、最後の1人となり456億ウォンを手にするために続行することに、一方、行方不明の兄を探す警察官ファン・ジュノ(ウィ・ハジュン)は兄の失踪とデスゲームの真相を探るべく、ゲーム内に潜入するが・・・

鑑賞した感想を述べてみたい(ネタバレあり)

  • エピソードがいくつもあるドラマは一度観だすとはまってしまい、終わりまで観ないと気がすまなくなって他のものが手につかなくなることを恐れ、今まではあまり見てこなかった、ところが一昨年、イギリスの人気ドラマ「ダウントンアビー」(こちら)を観て、この手のシリーズ物の見方を身につけた、すなわち、毎日1エピソードを観る方式だ、「ダウントンアビー」はエピソードが多かったので3か月くらいかかったがイカゲームや先日観た「地面師たち」(こちら)は10エピソードくらいなので今回は楽だった
  • 確かに面白かった、ゲームというからゲームだけで次々と面白いところを見せるのかと思ったら、それだけでなく、参加者のそれぞれのキャラクターと過去の人生、ゲーム運営側の内部事情、現場に潜入した警察官の行動など、いくつかの要素を絡めながら話を進めていくやり方がうまいと思った

  • 主人公であるゲーム参加者のソン・ギフンはバツイチのダメおやじだが、これがゲームに参加すると他の参加者に配慮した行動をとるなど人情家、正義漢ぶりを発揮し、ゲームに勝ち残った後も実は金に執着せずに一緒に戦った仲間たちとの約束を守るなど驚くべき働きをするところの人物設定がうまいと思った
  • 一番印象に残ったのは、最後の場面だ、ゲームの元締めであった脳腫瘍を患っている老人オ・イルナムがソン・ギフンに問いかけた質問「すごい金持ちとひどい貧乏人に共通するものが何かわかるか?」だ、ギフンが何だろうと考えていると、老人は「人生が楽しくない、ということだ」と答える、なるほどそうかもしれない、「金があれば楽しいのにな」とは誰しも思うだろうが実はそうではないというのは人生の皮肉であろう、映画のような極端な場合は当てはまらないかもしれないが、以前から私は人の「金持ち度合×幸福度合」の値は同じであると思っている、そんなにいっぱい金を持ってなくても幸福な人は多いでしょうしその逆もけっこうあるでしょう
  • この映画の舞台はある孤島であるが、そのゲームをやる施設は実にカラフルに彩られているのが印象的だった

  • この映画の最後は、この孤島に上陸して運営側に入り込んだ警察官が運営側の人間から発見され崖っぷちに追い込まれ、ついに海に転落して行方不明となる、これが最終的にどうなったのかわからないまま終わった、シリーズ2へのつながりがあるのだろうなと思った
  • 最後にゲームに勝利した一人の参加者に大金が払われるが、それを参加者が「本当に勝ったらもらえるのか」と疑問を持つ場面がなかった、普通、そう感じるのではないかと思った、私だったら常にその実現性を心配するけどなー、それは心配ないというところを何らかの形で映画の中で見せられれば更に素晴らしい映画となるであろう

面白い映画でした


映画「敵」を観た

2025年01月26日 | 映画

池袋のシネマ・ロサで映画「敵」を観た、シニア料金1,200円、2023年製作、108分、監督・脚本吉田大八、原作筒井康隆、けっこう入っていた、シニアが多いが女性客も多かった、「シニアもの映画」はこれからもどんどん増えるだろう

筒井康隆が1998年に発表した同名小説の映画化、フランス近代演劇史を専門としていた大学教授をリタイアし、妻には先立たれ、日本家屋にひとり暮らす渡辺儀助77歳(長塚京三)、毎朝決まった時間に起床し、料理は自分でつくり、衣類や使う文房具一つに至るまでを丹念に扱う、時にはわずかな友人と酒を酌み交わし、教え子を招いてディナーも振る舞う、そんな穏やかな時間を過ごす儀助だったが、ある日、書斎のパソコンの画面に「敵がやって来る」と不穏なメッセージが流れてくると・・・

鑑賞した感想などを書いてみたい

  • この映画の前半は主人公の渡辺儀介の毎日の生活の様子を描いている、規則正しい生活リズム、自炊生活と食へのこだわり、買い物も洗濯も料理も全部自分でやり、机に向かい専門の仏文学エッセーの原稿を書いたりする、インテリの独り暮らしシニアの一つの理想的な生活でしょう、こういったものを淡々と描く映画は好きだ、欧州映画にこういったものが多いような気がしているが、日本でも昨年の役所広司のPERFECT DAYSなどがあった

  • この映画の儀介の普段の生活の特徴は、買い物以外はほとんど出かけずに家にいることであろう、自分が同じ立場になったらもっと積極的に出かけるだろう、映画や音楽鑑賞、美術鑑賞、街歩き、食べ歩き、ゴルフなどだが、一人で出かけたくなるような楽しみを持っているということがけっこう大事なのではないかと思った
  • 儀介を見ていると金に対する執着というものがあまり感じられなかった、節約しようだとか、金を儲けようなどの雰囲気は全く感じなかった、貯金がなくなったら死ぬと言う感じであったが、ここまで枯れた心境になれるものだろうかと思った
  • 金に対する欲望は感じられないが女に関する欲望・願望は全く枯れていないのが儀介の特徴で、これは同じ男としてわかるような気がした、男はこうでないと早死にするのかもしれない

  • 映画の後半はこの主題である「敵」に関する描写が中心となる、教え子を招いての自宅での食事の後の出来事や、たまに通うバーの女子大生アルバイトとの交流などに始まり亡くなった妻が出てきたり、現実と就寝中の夢と妄想や痴呆とが入り混じって、どこまでが現実かわからない、この辺りは私はあまり興味がわかないが、自分よりも何歳も若い教え子の既婚女性を自宅に招いて二人でワインを飲みながら食事をするなど現実には有り得ない設定ではないかと思ったが、妄想だからよいのでしょう、元気な証拠でもあるのでしょう
  • 「敵」とは何か映画の中でははっきりしてないと思う、現実と妄想とがごっちゃになってしまう症状のことを言うのか、別のことなのか、見ている人が考えろと言うことでしょう、この映画の新聞にのっていた映画評では「妻への思い、欲望、恐怖・・・、長年目を背けてきたものに襲われ、おびえきる渡辺の姿には身につまされる」とあった、潜在意識下にある何らかの暗い情念、悔い、願望などなのだろうか
  • ただ、これらの妄想について「敵」なのだろうかと思った、それが耄碌したシニアに襲ってきて苦しめるのだろうか、それは人によるだろう、楽天的な人はあまり気にしないかもしれない、何事も思いどうりにはならないよと達観している人も多いのではないか

  • この映画はモノクロで描かれているが、前半の現実はカラー、後半の妄想との戦いはモノクロと区別したほうが良かったのではないかと感じた、また、後半に老いの修羅場ともいえる場面が続くが、この物語は冒頭の夏から始まり、秋、冬、春と4つに区切って進められる、最後の春というのが妄想老人の最後であり、「また会いたいね」という儀介の言葉で終わる、春という季節と最期という点がミスマッチのような気もするけどどうなんだろう
  • 映画の最後で、儀介の遺産を相続した甥が遺品の中にあった双眼鏡を見て隣の家だろうか、何人かの人が集まって食事をしているのか何かしている場面を見て驚いて双眼鏡を落としてしまう場面があった、ここで何に驚いたのかわからなかった

後半はもやもや感が残った映画であったがシニアは観て良い映画でしょう


映画「はたらく細胞」を観る

2025年01月24日 | 映画

オペラ演出家のオットー・シェンクが今月9日に亡くなったのを知った、享年94才(新聞記事はこちら)、オットー・シェンクは私の好きなオペレッタ「こうもり」の演出で知った、彼の演出した「こうもり」はつい最近までウィーン国立歌劇場で上演されていて私も大好きだった(こちら参照)、心よりご冥福をお祈りします

映画「はたらく細胞」を観た、2024年製作、109分、監督武内英樹

人間の体内の細胞たちを擬人化した斬新な設定で話題を集め、テレビアニメ化もされた同名漫画を実写映画化したもの、原作漫画「はたらく細胞」とスピンオフ漫画「はたらく細胞 BLACK」の2作品をもとに、ある人間親子の体内世界ではたらく細胞たちの活躍とその親子を中心とする人間世界のドラマを並行して描く映画

永野芽郁が赤血球役、佐藤健が白血球役でそれぞれ主演を務め、人間の漆崎茂を阿部サダヲ、その娘の日胡を芦田愛菜が演じる、人間の体内には37兆個もの細胞が存在し、無数の細胞たちが人間の健康を守るため日夜はたらいている

高校生の漆崎日胡は、父の茂と2人暮らし、健康的な生活習慣を送る日胡の体内の細胞たちはいつも楽しくはたらいているが、不規則・不摂生な茂の体内ではブラックな労働環境に疲れ果てた細胞たちが不満を訴えている、そんな中、よりによって日胡の体内へ侵入を狙う病原体が動き始め、細胞たちの戦いが始まるが・・・

なかなか面白い設定で、原作のすばらしさが想像できる、原作マンガは読んでいないが、いきなり映画を観ても十分理解できた、鑑賞した感想を述べよう

  • 血液の働きなど知っているようで知らないことを勉強できた、血液の中の赤血球は酸素を運ぶ役割を、白血球は細菌と戦う役割があったとは知らなかった、キラーT細胞や血小板などいろんな医学用語が出てくるが、映画で見ているとその役割がよく理解できた
  • 日胡が白血病になった時の治療で、放射線治療をすると体内を模した世界では空からオーロラが地上に降りてきて地上を焼き尽くすようなイメージが描かれ、また、抗がん剤治療を行うと、空から地上にいる悪玉菌めがけて抗がん剤のミサイルが飛んできて、悪玉菌だけではなく周辺の正常な組織にも被害を与える悲惨な状況になるのを実にうまく描がいていた

  • 日胡が抗がん剤治療でも回復しないため、最後は骨髄移植を受けることになるが、骨髄移植とはてっきりドナーの骨髄を外科手術で患者の骨髄に移植することだとばかり思っていたが、映画ではドナーの腰(腸骨)から全身麻酔で吸引した骨髄液を患者に点滴で注入する治療の姿が描かれており、「そうなんだ」と初めてどういう治療かわかった、移植という言葉に惑わされていた
  • 体内の血液の働きを説明するときの映像にはものすごい数のエキストラが使われており、さぞかし動員が大変だったろうな、コストがかさんだろうなと思った

いろいろ体内の仕組みについて勉強になったが、内容的には小学生が観て面白おかしく勉強する映画だと思った


映画「オークション、盗まれたエゴン・シーレ」を観た

2025年01月18日 | 映画

映画「オークション、盗まれたエゴン・シーレ」を観た、2023年、91分、フランス、原題Le tableau vole(絵は飛ぶ)、監督パスカル・ボニゼール

パリのオークションハウスで働く競売人アンドレ・マッソン(アレックス・ルッツ、1978、仏)は、1939年に失踪したエゴン・シーレの絵(ひまわりを描いた風景画)が工業都市ミュルーズの労働者の家にあるので鑑定してほしいという手紙を受け取り、興味をそそられる、それは先の大戦でナチスに略奪され長らく行方不明となっていた作品、元妻で相棒のベルティナ(レア・ドリュッケール)とともにミュルーズにある化学工場に勤める青年マルタン(アルカディ・ラデフ)と未亡人の母が2人で暮らす家を訪れた、現物を見てシーレの傑作であることを確信し、風変わりな研修生のオーロール(ルイーズ・シュビヨット、Louise Chevillotte)に助けられながらオークションで高値で売ろうとするが・・・

この映画は実話がベースになっている、第二次世界大戦中に略奪され、最近になって再発見されたエゴン・シーレの絵が、思いがけない発見と鑑定人やオークション会社の対決のきっかけとなる話

鑑賞した感想を書いてみよう(ネタバレあり)

  • 久しぶりに観たフランス映画だったが、良い映画だった、ただ、途中で眠くなってしまい、ところどころ観てない部分があるので正確なストーリーは把握できていない、最近これが多いので弱っている、ガムを持っていくのを忘れたのが痛い
  • ストーリーが実話をもとにしているが、人間模様についてはフィクションである、どこまでが実話かわからないが、主役のマッソンは初めはあまり好きになれなかったが、だんだんと応援したくなってきた、彼は一流の衣服を身にまとい、高級車を乗り回す一見スノッブで鼻持ちならない人物であるため女性研修生とうまくいかないが、実は自己抑制の効いた熱血漢であることがだんだんわかってくる

  • 彼のもとで働く研修生の女性オーロールが一つの大事な役割をこの映画では果たしている、最初はマッソンと衝突して、マッソンの人間性に嫌気をさして退職を申し出るが、最後はマッソンを応援することになる、その理由が良く分からなかった、そして、彼女はマッソンにこの映画のキモとなる重要な情報をもたらす、これもなぜ彼女がその情報を把握したのかがわからなかった

  • そして何よりも最後にこの映画で感動したのは、絵画を保有していた青年マルタンの生きざまである、それまで慎ましい生活を営んでいた工場労働者の青年が多額の金を手に入れれば生活が一変し、人生を狂わしかねないのに、金は母親に家を買ってあげたことと自分のエレキギターを一つ買うのに使っただけで、あとは手をつけず工場労働者として以前と変わらない生活を続け、多額の金を手に入れたことは工場の同僚にも話していない、と最後のテロップに出るのである、素晴らしいことだ、自分が想定外の金を手に入れてもそうありたいと思うような生き方だ

絵画をめぐる物語を映画にした「黄金のアデーレ 名画の帰還」を以前観たことがあり、良い映画だと思った、今回の映画も絵画がらみで楽しめた、よくわからない点があったのでもう一度観ても良いと思った


Netflix「地面師たち」を観る

2025年01月14日 | 映画

この映画とイカゲームを観るためにわざわざネットフリックスにまた契約した、まず、「地面師たち」を年末年始に観た

この映画はは、新庄耕の同名の小説を原作として2024年7月25日にNetflixで配信が開始された日本の配信ドラマ、出演は、綾野剛、豊川悦司、ピエール瀧、小池栄子、北村一輝、山本耕史、松尾諭、リリーフランキーなど

この映画は、土地の所有者になりすまして売却をもちかけ、多額の代金をだまし取る不動産詐欺を行う「地面師」の犯罪を描くもので、2017年に実際に起きた被害額約55億円に上る「積水ハウス地面師詐欺事件」をモデルとしている

かつて、父の経営する不動産会社に勤めていた辻本拓海(綾野剛)は、自身が原因で地面師による不動産詐欺に遭い、それにより破産した父が放火による一家心中を図り、母と妻子を亡くした過去を持つ、その後、地面師グループのリーダー・ハリソン山中(豊川悦司)に偶然に出会い、仲間に誘われ「交渉役」として活動することになるが・・・

観た感想を述べよう

  • 面白かった、不動産取引の怖さをまざまざと見せつけられた、積水の詐欺事件以降、再発防止のためいろんな法改正などがなされているようだが、引き続き不動産取引というのはリスクが高いものでしょう
  • 物語の最後の100億円単位の詐欺と実際の積水ハウスの詐欺とは類似するが、いろんな面で映画の方が複雑でスリリングに、かつ、誇張して描かれているのでしょう、その見せ方がうまいと思った
  • このような犯罪集団に一度組み込まれると抜け出すことは不可能なのでしょう、その点は映画で描かれている通りだろうなと思った、最近多発している広域強盗殺人もSNSの闇バイトなどで一度でもかかわると抜け出すのは自分や家族の危険を意味するため不可能なのでしょう、怖いものだ
  • 物語では辻本拓海が自分の家族が地面師詐欺の被害に遭った過去があるのに自分が今度は地面師になって他人を不幸にしてしまう理由がはっきりわからないような気がした、そして最後にハリソン山中と対決する場面で辻本がハリソンに拳銃を向け、すぐ引き金さえ引けば殺せるのに余計な話をして殺しそこなった場面があったが、小説や映画だからのシーンだと思った

  • 俳優の演技としては、ピエール滝がいかにもという演技をしてうまかった、北村一輝もこの人は本当はこんな人ではないかと思わせる真に迫った演技だった、山本耕史もエリートサラリーマンの焦りと強引さと悲哀をうまく演じており大したものだと思った、一方、山本耕史の同僚でライバルの松尾諭だが、この人はこんなエリートサラリーマンは似合わないと思った、イメージに全然合わない、この人は「ダメ男」、「ダメおやじ」が一番ピッタリでそのイメージが固定してしまっているのかもしれない
  • 物語の中で、詐欺集団が石洋ハウスの青柳隆史(山本耕史)に、地主の本人確認面談日までに土地取得の稟議決裁を済ませろと迫る場面がある、青柳はこの条件をのみ、社長のアイディアで稟議書の空白個所に、「本件は社長が事前に物件を下見し内容確認済み」との補足説明を鉛筆で描きこんで回覧がなされ、それならばということで反対派の役員たちも承認印を押し、最後に社長が決裁印を押すと、社長自ら鉛筆書きを消しゴムできれいに消す場面があった、これは有り得る処理だなと思った、鉛筆ではなく、付箋に書いてそれを貼って稟議回覧して後で外す例もあろう、自分が反対派の役員だったらこういうケースはその鉛筆書きのある稟議書をのコピーを取っておくけど
  • この映画でも出てくるのだが、自分の経験からも、会社でも個人でも何らかの契約をする時には「契約締結を急がせる相手には注意しろ」ということがある、これは相手に考える時間を与えないずるい戦略であり、よく考えられると不具合がバレるから早く契約させる、ということが多いからだ、例えば「今日中に契約してくれたら30%割引する」とか、「今日決めてくれなければ明日は別の客との面談が入っている」などと巧みに攻めてくるので要注意である

楽しめました


映画「私にふさわしいホテル」を観る

2024年12月30日 | 映画

映画「私にふさわしいホテル」を観た、2024年製作、98分、監督堤幸彦(1955)、柚木麻子(1981)の同名小説の映画化、出演はのん(1993)、田中圭(1984)、滝藤賢一(1976)、田中みな実(1986)、髙石あかり、橋本愛、若村麻由美(1967)ほか

主役の“のん”は知らない女優だったが、2016年以前は本名の能年玲奈で活躍していた、俳優、アーティストで音楽、映画製作、アートなど幅広いジャンルで活動している、映画中で歌うところがあるがこれも音楽アルバムを出すなどしているゆえの演技でしょう、かなり多才な人だ

新人賞を受賞したにも関わらず、未だ単行本も出ない不遇な新人作家・相田大樹こと中島加代子(のん)、その原因は、大御所作家の東十条宗典(滝藤賢一)の酷評だった。文豪に愛された「山の上ホテル」に自腹で宿泊し、いつかこのホテルにふさわしい作家になりたいと夢見る加代子は、大学時代の先輩で大手出版社の編集者・遠藤道雄(田中圭)の力を借り、己の実力と奇想天外な作戦で、権威としがらみだらけの文学界をのし上がっていく。ズタボロになっても何度でも立ち上がり、成功を己の力で引き寄せていく加代子の奮闘はやがて・・・

映画を鑑賞した感想

  • けっこう面白かった、最初のうちは主人公のふざけたキャラクターに程度の低いお笑い映画かと思い、見る映画を間違えたと思っていたが、見ていくうちに面白くなってきた、ただ、最後の終わり方が平凡で、もう少し何かあっても良いのではないかと感じた
  • この映画はコメディだ、一人の若手女性作家の悪戦苦闘ぶりをお笑いを交えながら大げさに立ち回るドタバタ劇である、色恋はない、これはこれで良いと思った
  • 主人公の佳代子のキャラクターは日本ではまずありえないだろうなと思った、これだけアグレッシブな性格には男でもなれないだろうなと思った、だからこそ映画にすると強烈なスパイスになり面白いのだと思った、今の日本に欠けているキャラクターなのではないか、ハングリー精神、何度失敗してもメゲない根性、上昇思考、押しの強さなどだ
  • ある高級レストランで、佳代子が東十条に取り入って一緒に食事をしていると、その同じ店で編集者の遠藤が天才女子高校生作家に2作目を書くよう説得しているところを見つける、佳代子と東十条は物陰から遠藤と女子高生の会話を聞いていると遠藤が佳代子だけでなく東十条のことも酷評しているのが聞こえてきて二人とも怒るところがあったが、面白かった

  • 編集者の遠藤は佳代子を助けるが、時に裏切ることもあるため、二人が言い争いになる場面がある、佳代子が遠藤の編集者として自分を十分に支援していないことを具体的な例を挙げてののしる、例えば佳代子が店に陳列してある自分の新刊本にサインさせてもらうために書店を訪問してカリスマ店員にお願いをする時、編集者として同行せず一人で行かせたではないか、などなど、この佳代子の主張が聞いていてもっともだなと感じた
  • 遠藤をとっちめるため、佳代子と東十条はクリスマスに家族そろってホテルに外泊する遠藤一家の幼い娘二人を驚かせてやろうと考え、遠藤が娘たちにサンタクロースが本物だと信じさせていたがそれは嘘だとばらすことにした、そして、佳代子と東十条がサンタとトナカイに扮して娘二人がいる部屋に行くと、娘たちは、「サンタなんて嘘だと知ってる、だけど騙されたふりをしているのだ」などとませたことを言って佳代子達を呆れさせるところも面白かった

  • 佳代子が自分が受賞候補者となっている直林賞の最長老選考委員である東十条を篭絡するために彼の奥さんや娘に取り込み、彼女らか「佳代子さんに受賞させあげてよ」と言わせる戦略をとってうまく行きかけた、ところが最後で東十条が彼女らの面前で一喝して佳代子の正体をばらしてしまい作戦が失敗し気まずいムードになる、映画ではそこで場面転換し、もう後日の話に進んでしまうが、ここでも佳代子の不屈の一発逆転ヒットが欲しかったと感じた
  • 佳代子が文学賞を受賞して記者の前で挨拶をする場面がある、「この度、直林賞を受賞させていただきました〇〇です」と言うが、この「させていただきます」が最近横行しているのには辟易する、「させていただく」は、誰かの承認を得て何かをする場合にへりくだって言う表現だ、この場面では「この度、直林賞を受賞しました・・・」か適切である、政治家や芸能人、経営者などが「させていただく」を連発するのは卑屈の現れである、どうしてこんな卑屈が当たり前になったのか、原作でもそうなっているのだろうか、こういう言葉遣いをする人たちは逆の立場の時は横柄な態度なのではないか、卑屈はその裏返しである

  • 映画に実名で出てくる山の上ホテルであるが今年2月より建物の老朽化に対応するため休館しているが最近、明治大学が山の上ホテルの土地と建物を取得し、改修後にホテルとしての営業再開を目指すと発表したから驚いた、だが、これはうれしい、私も一度鉄板焼きレストランで昼食をとったことがある

面白い映画であった


映画「型破りな教室」を観た

2024年12月26日 | 映画

昨夜はクリスマス、息子夫婦が買ったクリスマスケーキの半分を持ってきてくれたので、夕食後に夫婦でおいしく頂いた

映画「型破りな教室」を観た、シニア料金1,200円、平日の午後だけどけっこうお客さんは入っていた、2023年、125分、メキシコ映画、監督クリストファー・ザラ(1974年、ケニア)、原題Radical

犯罪と貧困が日常化した地域の小学校に赴任した教師が、型破りな授業で子どもたちを全国トップの成績に導いていく姿を2011年のメキシコであった実話を基に映画化したドラマ

麻薬と殺人が日常と化したアメリカとの国境近くのメキシコ・マタモロスの小学校、子供たちは常に犯罪と隣り合わせの環境で育ち、教育設備は不足し、意欲のない教員ばかりで学力は国内最底辺、しかし、新任教師のフアレスが赴任し、そのユニークで型破りな授業で子供たちは探求する喜びを知り、勉強熱心になっていくがある日、事件が起きて・・・

「コーダ あいのうた」の音楽教師役で注目を集めたエウヘニオ・デルベス(1962、メキシコ)が教師フアレスを演じた

鑑賞した感想を述べよう

  • ネットの評価が高かったので期待してみたが、あまり感動はしなかった、なぜだか考えると、このような学校ものの映画にありがちなストーリーで、最後はこうなるだろうな、ということが観ていて予測できてしまうからだ、実話だから仕方ないが、一ひねりも二ひねりもしないと引き込まれるような面白さにはならないのではないか、例えば、主人公の先生の色恋沙汰が何もない、乱暴されそうになった女子生徒が思わず暴漢を銃で撃ってしまったが、その後のことは何も触れられていない
  • ただ、この手の学校ものでは教頭とか校長が教師の抵抗勢力になるというのが有りがちなストーリーだが、本作ではめずらしく校長が最初は抵抗を示すが生徒のいきいきした学ぶ姿勢や予想外の知識を身につけていることに感心して教師の理解者になってくことが意外であった

  • 生徒は劣悪な環境で生活しており学校にも期待していなかったが、女子生徒のパロマは親に隠れて天文学の勉強を熱心にしていたり、ルぺも先生のうまい指導により哲学に興味を持って難しい本をどんどん読んで理解するなど、本当にこんなに優秀な生徒がいた、こんなに優秀な生徒になったのかと驚いた、ホンマかいなと思った
  • 確かに自分の経験でも学校の先生の中には通り一遍の授業しかしない人が少なくないだろう、それは公立学校だけでなく、私立でも意外といるのだ、リタイアしてからある有名大学の社会人向け公開講座に何回か通っているが、授業も教材も工夫がなく面白くない先生が多かった、全体的に日本の教師、教授と言った人たちはアメリカなどに比べて相当甘やかされているのではないか

  • それと同時に先生の負担が重すぎるのも問題であろう、学校で何か問題が起こると直ぐ教師のせいにして文句を言うクレーマー的な親も多いと聞く、文句を言われないようにいろいろ配慮すると時間が取られる、子供の親こそ再教育が必要でしょう、教育の基本は先ずは家庭における躾だろう、学校は万能ではないのだ
  • また、いろんな管理・報告資料作りなどもかなり教師の負担になっているのでしょう、これは医者も同じで、ある医者が言うには、日本の医者はアメリカであれば医師が絶対拒否するような事務的作業をやらされており、その分診療時間が少なくなり、医師不足に拍車をかけていると指摘している、教師にも同じような負担がかかっていないか心配である

メキシコ映画は初めてかもしれないが、それなりに楽しめた


映画「正体」を観る

2024年12月22日 | 映画

しばらく映画を観ていなかったので、映画サイトで評価の高い「正体」を観に行った、2024年、120分、監督:藤井道人(1986)、原作:染井為人、シニア料金1,200円、平日であったがけっこうお客さんは入っていた、大部分が若者だったのには驚いた

染井為人(そめい ためひと)の同名ベストセラー小説を、横浜流星主演、藤井道人監督のメガホンで映画化したサスペンスドラマ

凶悪な殺人事件を起こして逮捕され、死刑判決を受けた鏑木慶一(横浜流星)が刑務所で自傷し病院に運ばれる救急車から脱走した。鏑木を追う刑事の又貫征吾(山田孝之)は、変装して逃走を続ける鏑木の潜伏先工事現場の同僚(森本慎太郎)、出版社の編集者(吉岡里帆)、介護施設の新人社員(山田杏奈)らから証言を得るが、彼がおよそ殺人犯とはまったく別人のような好人物だったことにしっくりしないものを感ずる、鏑木は指名手配され、テレビでも変装したいくつもの顔写真が連日流され、だんだんと追い詰められていき、最後は・・・

さて、映画を観た感想を述べよう(ネタバレあり)

  • それなりに楽しめる映画だった
  • 横浜流星(1996)は初めて見る俳優だが良い演技をしていた、変装した顔と普通の顔の落差が大きかったのが良かった

  • 吉岡里帆(1993)もよかった、彼女は辻村深月がアニメ業界で奮闘する人々の姿を描いた小説「ハケンアニメ!」を原作にした同名の映画で知ったが、あの映画でもいい役を演じていたと思った、今回も大変よかった

  • その他で良かったのは刑事役の山田孝之だ、鏑木が犯人とされた殺人事件の捜査に当たり、鏑木を犯人とすることに若干の疑念があったが上からの圧力で強引に彼を犯人にして最後は死刑判決まで出てしまう、それでよかったと無理やり自分を納得させていたが、鏑木の脱走後の捜査を進めていく過程でもやもや感が増していき、一度はナイフを持つ鏑木を目の前に追い詰めながら発砲を躊躇したのは彼が犯人ではなかったかもしれないという思いがあったからだろう、ただ、発砲できなかった悔いもごちゃ混ぜになって残る、その辺の葛藤をよく演じていた

  • そして最後、介護施設に人質を取って立てこもる鏑木に対して上司の圧力で強行突入をして追い詰め、ついに今度は発砲してしまう、これでドラマは終わりかと思ったが、実は鏑木は一命をとりとめた、というか今回は発砲したが急所を外して発砲したのか、そこはわからなかったが多分そうでしょう、やはりもやもや感がまだあったのでしょう、その後、刑務所で彼と面会する場面があり、その後、捜査のやり直しを発表して大騒ぎになる・・・何が決定打になったのかはよくわからなかった
  • ここから先は再審裁判をして無罪になってめでたしめでたしだが、そこの描き方があまりにも単純すぎて、こうなるだろうなという通りに終わった、また、鏑木が刑務所で面会した又貫刑事に語る「逃走中に人から初めて信じてもらえた」という話があまりにテレビドラマみたいなおセンチで、ちょっともう一ひねり工夫が必要ではないかと思った、救いのない結論にしたほうが警察捜査の問題点についての鋭い警鐘になるのではないか(原作が何を訴えたかったかによるでしょうけど)

楽しめました


映画「侍タイムスリッパ―」を観る

2024年11月01日 | 映画

映画「侍タイムスリッパ―」を観た、2024年、131分、監督・脚本:安田淳一(1967年京都生まれ)、10名たらずの超低予算自主映画のロケ隊が時代劇の本家、東映京都の支援でで撮影を敢行するいう前代未聞の作品、8月に都内1館のみの公開から全国100館以上での公開になっていったヒット作品

監督はじめスタッフが一人何役も務めて完成させた映画というからすごい、知っている俳優が誰もいない、何年か前の「カメラを止めるな!」と同じだ、あの映画も面白かった

現代の時代劇撮影所にタイムスリップした幕末の侍が時代劇の斬られ役として奮闘する姿を描いた時代劇コメディであり人間ドラマでもある

  • 幕末の京都、会津藩士の高坂新左衛門(山口馬木也)は家老から長州藩士の風見恭一郎(冨家ノリマサ)を討つよう密命を受けるが、風見と刃を交えた瞬間、落雷によって気を失ってしまう
  • 目を覚ますと、そこは現代の時代劇撮影所だった、新左衛門は時代劇撮影所で出演者と間違えられ現場を混乱させ、撮影所を出た後、長州藩士討ち入りの現場となった寺の門前で寝ているところを住職夫妻に助けられる、そして江戸幕府が140年前に滅んだことを知りがく然とする
  • 一度は死を覚悟する新左衛門だったが、住職夫妻やその夫妻と懇意にしていた撮影所の助監督の山本優子(沙倉ゆうの)などに助けられ、生きる気力を取り戻していく。やがて彼は「我が身を立てられるのはこれのみ」と磨き上げた剣の腕を頼りに撮影所の門を叩き、斬られ役として生きていくことを決意する

面白い映画だと思った、感想などを少し述べたい(一部ネタバレあり)

  • 最初は、突然150年前から現代にタイムスリップしたので、この先一体どういうストーリー展開にしていくのかな、と心配しながら見ていたが、途中で新左衛門と刃を交え一緒に気絶した風見恭一郎も同じようにタイムスリップしたいたことがわか、話が面白くなってきたと思った
  • 新左衛門はタイムスリップした現代を見て、最初は時代劇撮影現場だからそれほど驚かなかったが、撮影所の外に出ると、そこは自動車が走り、ビルが立ち並ぶ現代の町、普通は何が何だか分からなくなると思うが、それがあまり出てなかったのが不自然と思った
  • 時代劇撮影の助監督の山本優子は優しいキャラクターで好感を持った、撮影現場で助監督としてこまめに働き、新左衛門にも優しく接する彼女の存在感は非常に大きかったと思う、彼女(沙倉ゆうの)は実際のこの映画の撮影でも助監督、制作、小道具などスタッフとしても八面六臂の活躍したそうだというから驚いた、映画とリアルが同じというユニークさがこの映画の特徴だ
  • 新左衛門が撮影所で切られ役として生きていくという設定がユニークで、この映画の一つのポイントであろう、斬られ方の上手・下手があるとは今まで全然注目が行かなかったところだ、そして、撮影所内で切られ役の指導をする殺陣師関本(峰 蘭太郎)がうまく絡んで話に幅を持たせていたのはうまい展開だと思った、この峰も現実世界で「斬られ役」として活躍する傍ら殺陣技術集団・東映剣会の役員・会長を歴任してきた経歴というから驚いた、ここも映画とリアルの一致がある
  • この映画は、時代劇がかつての輝きを失い、上演本数も激減している現状を打破するため、迫力ある時代劇を作ろうとする撮影現場が舞台である、その映画の最後のクライマックスを盛り上げるため、新左衛門は「風見恭一郎との決闘の場面を真剣でやろう」と監督に提案し実行する、実際には有り得ない設定だが、この真剣勝負は確かに見ごたえがあった

時代劇と言えば、かつて黒沢映画が世界の映画界に大きな影響を与えたが、最近でも真田広之の「SHOGUN 将軍」がエミー賞の作品賞、主演男優賞などを受賞した、この映画のように時代劇も作り方によってはまだまだ捨てたものではないと思った

面白い映画でした

さて、昨夜はハロウィン祭りの夜、我が家のささやかなハロウィンはCrispy Kremeのハロウィンボックスだった


映画「ビバ・マエストロ!指揮者ドゥダメルの挑戦」を観る

2024年10月12日 | 映画

映画「ビバ・マエストロ!指揮者ドゥダメルの挑戦」を観に行ってみた、2022年、103分、アメリカ、監督テッド・ブラウン、原題Viva Maestro!

1981年ベネズエラで生まれ、10代の頃から天才指揮者として巨匠たちの薫陶を受けてきたグスターボ・ドゥダメル、ベネズエラを代表する音楽教育プログラム「エル・システマ」の責任者であり、音楽で子どもたちを救う夢を追い母国の若手音楽家からなるシモン・ボリバル・ユースオーケストラを率いて活動し、2004年「第1回グスタフ・マーラー国際指揮者コンクール」に優勝、2009年には28歳にしてロサンゼルス・フィルの音楽監督に就任した。

しかし2017年、ベネズエラの反政府デモに参加した若き音楽家が殺害された事態を受け、音楽教育者としてマドゥロ政権批判を新聞に展開、大統領府と対立したことでユースオーケストラとのツアーは中止に追い込まれ、祖国へ足を踏み入れることすら禁じられてしまう・・・・

観た感想などを述べると

  • ドゥダメルはテレビで何度か見た指揮者で、その存在は知っていたが、彼がベネズエラ人というのも忘れていたし、祖国の暴政と戦っているとは知らなかった、ベネズエラという国のことも政情不安定というのは知っていたが、それ以上知らなかった
  • 彼は2004年のマーラー指揮者コンクールで優勝したが、その時に3位に入賞したのがウクライナ人の女性指揮者オクサーナ・リーニフ(Oksana Lyniv、1978年生れ)だった、彼女もNHKBSのクラシック音楽番組で何回か見たことがある、彼女は2021年に女性で初めてバイロイト音楽祭の指揮台に立つほどの指揮者(24年まで4年連続で登場)、その彼女の祖国もあんなことになるとは本当に大変だ、彼女の方はWikipediaによれば2024年いっぱいはボローニャ市立歌劇場の音楽監督にあるようだ
  • この映画では実在の人物が出るのでいろいろ興味深い、サイモンラトル、ロサンゼルス・フィル、ベルリン・フィルなどのメンバーも出てくるので面白かった、ベルリン・フィルのホルン奏者サラ・ウィルスも出ていたのでうれしくなった

  • 映画の中で演奏される曲もベートーヴェンの「運命」やプロコフィエフ「ロミオとジュリエット」、ドヴォルザークの「新世界」、チャイコフスキー4番、マーラーの5番など知っている曲も多くて良かった
  • ドゥダメルがベネズエラに帰れなくなってからは祖国のオーケストラを指導するのはZoomのようなPCの画面で祖国とつなぎ、演奏を聴いて指示を出すなど、ITの進化のおかげで従来では考えられないようなことができるようになったんだなと驚いた
  • 彼が、祖国の音楽教育プログラム「エル・システマ」について、エル・システマは音楽を通じて社会を改革するプログラムであり、音楽には人々を団結させる力があると信じていると語っているところが印象的だ、また、芸術は人々を楽しませるだけではなく、社会を癒し、人々の魂を癒すとも言っている、不要不急のものではないということでしょう
  • オクサーナ・リーニフも、昨年来日したときのインタビューで「アルメニアとウクライナの両親を持つ私は、大きな苦しみを感じています。ただ、いま起こっている悲惨なことだけを見るのではなく、芸術を大切にしてほしい。世界で血が流れ続けている恐ろしい時代ですが、舞台を成功させてそれを世界に運び、魂の喜びを分かち合う活動は非常に重要です。なぜなら『音楽をしよう、戦争ではなく』というメッセージを伝えられると思うからです」と述べている、皆さん同じ気持ちなのでしょう
  • 映画の中に頻繁に出てくるベネズエラの黄・青・赤の3色の国旗の色が頭に焼き付いた、ポスターにもその三色が使われていた

なお、ドゥダメルは2026年にラテン系指揮者で初のニューヨーク・フィルの音楽監督就任が決定している

クラシック音楽好きの人は見る価値があるでしょう