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おもとのダメでもともと日記

宇江佐真理さんの本

2015-12-17 19:20:57 | 日記
今日は寒かったですね。
最近宇江佐真理さんの本を2冊ほど読み終えました。
一冊目は『ひょうたん』です。これは前に紹介した『夜鳴きめし屋』の主人公長五郎の父親音松を主人公とした物語です。だから子どもの長五郎が出てきます。まずはとにかくおもとが何度も言っているように、時代小説は食が命。こちらも音松の妻お鈴の料理が絶品です。
お話は短編が収録されているのですが、どの短編も親子のお話になっていますね。そして『ひょうたん』全部を通して、音松とお鈴と長五郎の親子のあったかい絆が見えてきますし、亡くなってしまった音松の父親と音松の親子の関係、お鈴とお鈴の母親のおもと親子の関係等もわかり、親子にも色々あるな、あったかいな、面白いなと思わせる作品です。(お鈴の母親の名前おもとだったんです。めちゃくちゃうれしかった)
もう一冊は『幻の声』です。これは髪結い伊三次取物余話のシリーズものですね。
これも短編が収録されているのですが、主に髪結の伊三次と芸者の文吉、そして八丁堀の同心不破友之進が主要人物で、その周りに様々な人間関係があると言う感じです。
短編の1作目は伊三次目線に話が進みます。2作目は文吉目線です。おもとはこの時点で、不破友之進が嫌いになりました。何をこの人威張っているのだと思ったのですね。もちろん同心というお役目をしているからには、髪結いや芸者に威張ってあたりまえなのですが、威張り方が気に食わないのです。すぐ怒る、そして口が悪い。嫌な人だわと思いながら見ていたら、3作目で不破友之進目線の物語になります。あら、嫌だわと思いながら読み進んだら、読み終えた時には不破友之進のことを好きになっておりました。なんと不思議ですね。他の人の目線で見ると、威張り腐った人だとしか思わないのに、本人の目線で見ると心の中まで分かって、面白い。そしてとても情が深い人だということがわかりました。友之進殿よ、誤解してわるかった・・・。
4作目はまた伊三次目線に変わるのですが、3作目で不破友之進のことを好きになったおもと、4作目以降不破友之進が威張っていても嫌になりませんでした。
『幻の声』は一作、一作が切ない話だと感じましたが、その中でも義理や人情がちりばめられていて、心があったかくなる時代小説でした。
シリーズものなので、続きを読まなければね~。

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