美意識を磨く 文田聖二の『アート思考』

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Chapter6 正直に生きている人は面白い

2017年10月08日 12時00分33秒 | 日記
Chapter6 正直に生きている人は面白い
アピール(個性:やりたいことを素直に表現できているのか。)
「自分の原点を再認識する・他者に物事を伝える力」


 すんなりと自分の気持ちを相手に伝えられるのはどんな時、どういう状況なのでしょうか。逆に素直な自分を表現できないのはどうしてでしょう。邪心、周囲の反応、思い込みなどに気を乱されて表現が鈍ってしまうのでしょうか。あくびなどの生理現象は自然と出るのでしょうが喜怒哀楽は、感情をおさえて(隠して)しまうなど生理現象に比べると我慢しやすいことも影響しているかもしれません。
「嬉しいけどすましている」「怒っているのに笑ってごまかす」「嬉しくもないのに喜んでみせる」など、本人も周囲の人も精神的に消耗していきます。文明社会で他者と協調性を持って生活していく以上、自分の感情をおさえることも必要でしょうし、ルールを守るということはそういった組織の制約を架せられるということなのでしょう。日本では受け入れにくい他国の感情表現があります。自分を「アピール」することは奥ゆかしさと礼儀を重んじる日本人にとって比較的苦手な行為なのかもしれません。「自己アピールすることが美徳と言い切れない社会」とも言えるのでしょう。

『夜警』 レンブラント

しかし、「アピール」することを拒んだり、面倒がったり、遠慮し続けるとあなたに巡ってきた様々なチャンスを取り逃すことになりかねません。創作や企画もそうです。何のアピールも感じないものは誰の目にも止まらない冴えない創作・企画となることでしょう。他者に物事を伝えるためにはパワーが必要になります。もし、あなたに高いスキルがあって、どんなにすばらしいアイデアがあったとしてもそれを「アピール」する力がなかったらあなたの能力が「宝の持ち腐れ」になってしまいます。
 創作や開発、企画など何らかの表現で自分をアピールしていく場合、その活動を発表する`場`あるいは`時期(タイミング)`は、その表現に対する評価(価値)を左右していく大切な要素(判断基準)と言えます。そう考えるとどの場で、何を表現(発表)するのかということの前に、それが現代社会に対してどんな「アピール」に繋がってくるのかということが重要になってきます。また、作品制作の過程において、その「アピール」の内容(メッセージ)がその表現の意図や意味、志の高さに大きく影響してきます。
時代を越えて引き継がれている習慣や表現、創作や開発、企画には、それだけ社会における影響力が強い「メッセージ」「意」が込められているのでしょう。モチベーションが高く、アピールする意欲が強いほど影響力のある表現となります。

『テュルプ博士の解剖学講』 レンブラント

では、「アピール」とは何でしょう。主張、懇願、要求、意志表明、呼び掛け、訴え、叫ぶことで自分の目的を表現する指導者や研究者、活動家の行為を思い出します。また、生きるための欲求を素直に行動し続ける乳児の姿も思い出します。そんな生命力に溢れた姿に心を揺さぶられることが頻繁にあります。そんなところに人が生活の中で「何か表現手段を選択して自己アピール」する必然性の答えが秘められているかもしれません。

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