Sleepless Sheep

眠れぬ夜を闊歩する・・とりとめ無き戯れの記憶・・・

1杯のナポリタン 第7幕

2005年01月21日 15時09分52秒 | スナドリネコの観察の森
店員の営業スマイルに翳りが見えるのは気のせいではないようだ  足どり重く近づく店員に向い
「タバスコありますか?」
(・・・タバスコ )  立ち去ろうとする店員が加藤茶ばりに2度見するのも無理はない  皿に残されたナポリタンは あってあと2口というところである  まさか今から幼子に激辛キングへの英才教育を施すわけでもあるまい   ・・そう彼はとても飽きやすい舌を持つグルメなのだ 味の変化だけが彼の舌を満足させ得るのだ   ・・・それにしてもちょっとかけ過ぎではないだろうか  リトル・キリマンジャロに再びマグマが噴き出している  その前を突然恐竜が通り過ぎたかと思ったら 先ほどの短パン半袖男だ  口に草食動物でもくわえているのかと思いきや ガリガリと氷を噛み砕きながらの行進である
・・・さすがにタバスコは空になる前に満足したようだ  水に一切手を付けないところは彼なりの美学なのだろうか  口の周りが赤く染まっているのは ナプキンでケチャップを拭き取った後も同様である
さて 彼が食べ終わっても子供達2人の皿には まだ随分残っているようだ  子供とはいえ一体今まで何をやっていたのだ?  よく見ると幸せそうな顔をして スパゲティーを1本ずつ啜っているではないか  まるで血にまみれた竜の尻尾の如く のたりくねって左右の頬を打ちつけながら吸い込まれていく  この父にしてこの子ありなのか  恐るべき親子である・・・ 
  

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