交錯する愛情と憎しみ・・この2つが表裏一体であるなら、これは神が人間に与えたひとつの試練なのか・・・
息子を殺された親と、殺人犯の親の抱える苦悩とやり場のない怒り。
爆弾テロをおこす少年の心の闇を形成したものは一体何なのか?
殺人の加害者と被害者の親・・どちらか選べと突きつけられたようで、
しめつけられる胸の痛みが画面から目を離すことを許さない。
少年法が加害者の少年を守るなら、被害者の遺族の心の傷は一体誰が癒してくれるのか?
生の実感の希薄さが、はたして人を殺めることの動機になりうるのか?
数々の問題提起に対し、何ひとつ答えがないところにリアリティーがあり、
作品の未完成感と同時に奥行きをもたせている。
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