三浦俊彦@goo@anthropicworld

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特例法廃止の影響について法律家の教示を仰ぎました

2023-12-01 00:21:47 | LGBT
特例法廃止がセルフIDを招くことはなかろう、と前回述べましたが、
そのことについて、滝本太郎弁護士に意見を伺ってみました。
 滝本所見は、箇条書きにまとめると以下のようになります。

● 最高裁で4号違憲とされた以上、性別変更の権利を保障する法律が創造されたも同然である。
● つまり、性別変更(性別の取り扱いの変更)が憲法上の権利であるとして認められた。
● 性別変更の法律がないこと自体が憲法違反になる。
● 特例法がない状態で性別変更の訴えがあれば、裁判所は戸籍法113条によって「戸籍訂正」として性別変更を認めることがまず確実である。
● 本来は性分化疾患のための「性別の変更」だが、性分化疾患以外の人にもその戸籍法113条の準用をしなければ憲法違反になると解される。
● よって、セルフIDの法制度を作らずとも、特例法廃止は、戸籍訂正の準用により(最初は性同一性障害の人などとし言いつつも)セルフID制度を事実上確立してしまう。

なるほどその危惧はもっともではあります。
「裁判所による違憲判断は法律の創造」というのはそのとおりかもしれません。しかし・・・私の認識では・・・

● 性別変更の意義は、社会改革とともに減少する。
● 性別変更で当事者に利益がないならば、性別変更制度停止は権利の制限にならない。
● 戸籍訂正と戸籍変更は論理的に異なる。
● 戸籍法113条を使った裏技は、特例法があろうがなかろうが、使えてしまう。ならば特例法がない方が性別変更の大義名分がないぶん、ましである。
● 性別訂正は性分化疾患の事例のみに適用すべしと戸籍法に明記する改正は可能なはず。
● 性別変更を体系的に認める社会と、性別訂正の準用で個別に姑息に行なうしかない社会とでは、性別の重みが大違いである。

原理主義的すぎるかな?
ともあれまだまだ議論は必要でしょう。
データが最優先です。性別変更は、当事者に利益をもたらしているのか?
女性スペースの確保が女性に安心をもたらしているのと同程度同確率で、性別変更制度は当事者に安寧をもたらしているのか?