三浦俊彦@goo@anthropicworld

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爬虫類系7

2009-05-06 20:36:00 | モンスター映画
 これまで、「爬虫類・恐竜系」を立ててきましたが、以後、「爬虫類系」と「恐竜系」に分割します。
 ■スネーク・フライト■ 似たような設定でも『デッド・フライト』よりかやっぱ面白いわ。飛行機内に大量の蛇って、単純でいいやんけ。実際に蛇大量発生となったら飛行機どうなるだろう、と真面目に考えちまいましたが。大したこと起きないだろね実際は。ただここではフェロモンかなんかで蛇どもハイになってるんだっけ? なんか起こさなきゃならんので苦労してますな。とはいえ手の込んだ仕掛けってほどでもなくて。飛行機落とすだけでいいなら、つか1人暗殺するだけでいいならもっと確実な方法ありそうなものを。って突っ込む種類の映画じゃないんですよね。とにかく地に足のつかない狭い空間で大小無数の蛇に追い回されにらみ合いぶっ飛ばしあう光景をひたすら見るための映画であると。てなわけでアホがわんさか出てきた派手な記憶のわりには大半忘れちった。犠牲者第1号が機上トイレセックス中のバカップルってのが「やっぱりかよ」的スタートだったってのはさすがに覚えてるけど、まぉお定まりの各種アホは不可欠ですからね、こういうシチュエーションでは。人間が状況に負けない壊れ方しおおせたって点で成功作でしょう。ただ大蛇ちょい役で登場したものの形状は真っ当な蛇オンリーでしたか。もっとモンスターっぽいのが出てくれりゃ儲けもんだったのだがな……。
 ■ガルーダ■ これ、いわば「トリ系」なんだけど。あんまり孤立系をいっぱい設けてもってことで、翼竜ものと同範疇に置いときましょう。で恐竜って顔でもないのでいったん爬虫類系に。はい。で内容ですが……、こりゃァアタマ抱えた。タイ映画ってやっぱりこれ式なんかな? B級ハリウッド顔負けの御都合主義的支離滅裂だな。だいたい何のためにわざわざあの女科学者を呼んだのだろう。呼びつけといて始めっから邪魔者扱い、罵倒し監禁しウロウロ勝手に歩き回らせて間一髪救出しと。やれやれまあ、破綻しまくりでしょう。お話にするためにご苦労なこって。特殊部隊かなんか知らんけど、公務なのにことさらナラズ者っぽい演技させてるのはなぜに? ヤクザだってあんな恥かしいポーズとらんでしょ。ムード出すためにしたってあれじゃ軍紀守れやせんでしょう、スパスパタバコ吸いながらの武器の扱い、傍目にもはっきり能率落ちてるし。相棒の白人男は輪をかけてひどい。ああいう脳天気役を配置するならするであからさまなコメディ路線敷いときゃいいものを。なまじシリアスな怪獣映画気取っていながらあのマヌケぶりだものなあ。ラストでもあいつが「また生きてました(「まだ」じゃなく「また」ね)、すんません」的に頭掻きながら現われるって段取りならまだしも、引っさらわれてオシマイだもんなあ、呆然。フォローのしようがないです。爪で音を出して呼び寄せるってありがちなハイライトでも、護衛の4、5人もつけとけっての、基本でしょうが。何よりヒロインが全然好感持てないキャラだってのが痛すぎ。タイって国では地元純血顔だとスターになれないとか聞いたことあるけど、結局はハーフを主役に就けたわけね。事情はわかるけど、意味不明なハーフ差別っぽいことぐじぐじ言わせてたのは映画産業界への自己批判かね? なんか半端だよなあ。ま、雰囲気としちゃリキ入れて創ってたっぽさが充満してはいたのでメリットも言っときますか。ガルーダの造形とCGが結構イケテたんで、あと知的生物っぽい頭脳プレイがスペクタクルだったんで、前半洞窟内バトルシーンと後半都市上空アクションシーンとの対照の鮮やかさも加わって確実に得点アップです。あと自動小銃の連射浴びて翼がちゃんとちぎれるあたりの「適度な不死身さ」がリアルだったのとでモひとつボーナスポイント付けときます。しかし最後のあの銃弾一発で仕留められるなら、始めっから眉間を狙えばいいのに。翼ばかり撃ってないで。危機一髪の時の一撃は余裕あるときの百撃にまさる、ってウルトラお約束はここでももちろん健在でしたねっと。
 ■ヒドラ■ ああ、またこれか。ってのはつまり例のごとし、いきなり至近距離にヒドラが現われて、襲われ役は銃で応戦しながらいよいよバックリやられるまで棒立ちのままって……、そりゃ人間がじっとしてないとCGと組み合わせづらいってのはわかるけどいくら何でもなあ……、それならそれで、臨場感を工夫して補うとかさ。なのにあれってどうなの、バックリの後は煙と消えたようにヒドラの気配まるでなし、居合わせた人間どもも人間どもで、ひとしきりおざなりに走って逃げたはいいが立ち止まるやヒドラの余韻なんぞそっちのけで身の上話なんぞ呑気にくっちゃべったり。ハンターとヒドラの両面から狙われてる危機感がゼロでしょうが。脚や胴体がズタズタに引き裂かれるなかなかグロいっちゃグロい描写で健闘ときゃいいってもんじゃないでしょうよ。ハンターvs犯罪者vs 考古学者vsヒドラって四つ巴の豪華設定が泣いちゃうよ。しかしこの一応複雑な詰め込み設定は字幕出して観りゃよかったかな。言葉がやたら多かったからね、人間狩りの企画の成立経緯とか、船長とメインキャラとの因縁とか。船長が生き残りハンターをぶん殴って樹に縛りつけたのはどういういきがかりだったか、理解できんかったョ。ま、どうせろくなこと喋ってたわきゃないけどね。で第一大団円、考古学者のブスのほうを首チョンパしてチョイ美女の夫殺しを生き残らせたのは娯楽映画の常道だけど、どうだったかな。観客がろくに感情移入もしてないキャラのどれ殺したって同じなんだから、せめて台詞の多かったやつ順にズタズタ度上げとくのがカタルシス効果ってもんじゃないかと。あと気になったのは第二大団円入口、縛られてる夫婦をヒドラが襲った形跡。あんだけ血痕ベッタリとあっちゃふたりとも無傷で脱走中、てシーンはありゃ無理だと思うけどね。
 ■キング・スネーク■ CGがただでさえ浮きまくってるとこへもってきて……。よしゃいいのにスタッフの一人の脛を咬ませるってショボイベントのためだけに本物の蛇なんぞを登場させるから、蛇神ったらますますヘタレなCGへと強調されちゃったじゃないですか。ヘタレもヘタレ、仲間がガブーッと吊り上げられ食われたすぐ下をあわてふためく人間サイドにカメラが向くと頭上にのたうってるはずの大蛇の気配が皆無という、安CGにつきものの見飽きたパターンですけどね。しかし演出のほうも映像をサポートするどころかなんちゅう流れだい的モチーフばかり。子どもに注射した女ドクターが縛られ処刑される寸前にホレ、元気になった子どもを抱いた原住民が走り寄ってきてくれるのね、でニッコリね、はいはい。まあテレビ映画のようだからそのへんで結構なんかもしれんけど、どーでもいいけど首が結局何本あるのか、胴体がどうなってんのか、つうか首どうしがどういう繋がり方してんのか、全身見えねーんじゃ何のための映画なのか。石像見てたって姿わかりゃしねえし。ラストに駆け込みみたいに四肢もぎ取れ首もぎ取れCGやってくれてもなァ……、ほんとのラストに蛇神がチラッと顔見せるサービスしてくれても何とも言いようがなァ……。
 ■コモドvsキングコブラ■ こういうバトルは観てて全然ノレませんて。ガオガオぶつかりあってるわりには咬みついたんだかただゴッツンコなんだか、戦いとは言えんでしょう、ありゃダンスでしょう。つかジャレあいでしょう。もっと丁寧にやってくんないと「vs」が詐欺。コングコブラが水面にザバーって首もたげるシーンなんぞアニメでした。確信犯的にほんとにセルアニメで合成すりゃよかったくらいだな。
 ■スネークトレイン■ なんや蛇と呪術のハイブリッドときた。ラストに超巨大蛇が列車を丸呑みときた。乗客いっせいに客車内を走って逃げるシーンだけは面白かったですわ。始めっからあれ級の暴走系でやってくれたほうが。あゆふにもってくならチマチマした呪術は不要だったな。