三浦俊彦@goo@anthropicworld

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オトイアワセ:
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未練・怨念系4

2007-04-02 02:28:40 | モンスター映画
 ■心霊写真 呪撮■ む? 侮るべからずJホラー! これだから油断できない。ゴミの山からこういうのを発掘する瞬間ったら。始めは上の空で観てたんですよ、心霊写真って盛り上がれないテーマの最たるものだしどうせ底辺ホラーだろうと見くびって。しかし、しかぁし、なんだかムードがじわじわとよくなっていく。お母ちゃんの役割が大きいかな。心霊写真なんぞよりよっぽど怖い俗人のお母ちゃん。ああいう人は絶対に呪われないよね、て感じのサイコ寸前の。ヒロインが殺されるとしたら心霊にじゃなくて案外お母ちゃんにだろうな、うん間違いないとか思ってたら、お母ちゃんからのストーカー的電話にヒロインが苛々答えてる最中に目の前で弟が墜落死と(たぶん心霊の仕業で)。む~んどれもこれも妙な展開で、寸断観賞の予定がつい通して観ちまいました。しかも連続誘拐殺人犯(しかもしかも複数の……)が地域をうろついているという第三の恐怖要件がなにげに効いていて、おとうちゃんが犯人なのかな?と思わせつつ、やっぱりおじいちゃんかな?とも思わされつつ、結局あれ、カメラはもともとどこから来たのか不明、てことでいいんですかね? それと、心霊写真ものとしては変則というか、写真じゃなくてカメラが呪いのモトでカメラをいじると取り憑かれる、てことでOK? いや、微妙にわかんない話なわけよ。友だちが殺されちゃったのも、彼女のお母さんいうのが下手人なのか、こっちのお母ちゃんと「似てる」てことらしいんで順番にこっちも……と思わにゃいかんのかとか、写真を調べてくれた初老の教師はなんで腑抜けになっちゃったのかとか、微妙にわかんないどころか全然わかんねってことが判明してくる。ラストもなんかあの状況で幽霊に頭ぶん殴られるってのは想像しにくいよな、とか……。結局わかんないように作ってある映画なんだろうってことで納得しときますが、もしかしたらすげー精妙なストーリーがほんとにあったのかも、とつい本気で観直したくなりかねない、そんな魅力たなびかせた作品だってのが正直な感想です。とくに最初のほう、いい加減に観てたせいでじいちゃんの死と家族別離の事情を把握できてなかったりして、俺ほんとにもっかい観るかも、これ。センター試験会場のシーンなんぞも、俗と霊界の二重性をうまく曖昧に滲ませてました。ただ我に返って一つ難を言うと、前半で姉弟がとくに弟とが「心霊写真、心霊写真」と騒ぎすぎてるのが。なんも映ってるようにゃみえない写真に強引に霊を見つけて深刻ぶってるのが笑えてしまって。いくら「暇だから」ってもねぇ。もう少し怖がる根拠を明示してほしかったです(ただ怖がってるのも呪われてる証拠だからあれでいいって? ダーメ。観てる最中の違和感如何ともしがたいんでこれからはそゆとこの作りよろしく)。基本は安ドラマなんだよなあ、しょせん。
 ■心霊写真奇譚■ 心霊写真モノってバカバカしくて俺大嫌いなんだけど、これもよいムードじゃないですか。侮れんなあJホラーよ。といってもほんとに素晴らしいと言えるのは5話のうち第4話だけなのだが。うむ、一人の女性を見つめ続け撮り続けるストーカー(ちなみにこのストーカー君、相手に迷惑かけないようつきまとってる隠れストーカーってとこが好感持てます)が彼女に取り憑く悪霊の存在に気づいてしまい……警告したいのだが霊の映った隠し撮り写真を見せるのは躊躇され……、疚しいところのある男の善意と執念が葛藤を生じる描写は逸品でした。ストーカーのライバルが霊だったとは、的不条理に絡まれているうちに、オチ寸前で「おっ」と思わされて、オチ直後に「おおっ」とプチ感激しました。よくある『シックス・センス』的じゃない真っ当なオチなだけについ唸っちゃいましたさ。うーん久しぶりに暗ーい爽快なホラーでしたぞい。冷静に考えりゃ普通のネタでしょーが、こんなんが怖いのかよー、とかせせら笑う奴必ずいるだろうけど、対してこっちも言おう、「ふ、おまえらにゃわからんだろうなあ、真面目に隠れストーカーに励んだ経験のないおまいらには」。そ、マジコワだと思いますですよ、この第4話ばかりは。いや、第4話以外のエピソードもそこそこいけてて、写真がどういう役割を果たしているのか不明の微妙なハイキング奇談だった第1話、変則心霊写真が見どころの第2話(霊が映ってるなんてのより被写体の向きがいっせいに変わってるなんてああいうほうが確かにずっと怖いかもな)、外界とはテレビニュースで繋がるありがちな居間ドタバタ劇の第3話、霊というか怪物というかあの何か自体はいちばんおぞましかった第5話、って見てくると5話全部が水準を満たしてて、御納得の良質オムニバスでした。ところで第5話の家って、玄関とかアプローチは全然違うけど内部、『死づえ 噂霊』の家と同じに見えるのだけど、気のせい?
 ■怨念■ サブタイトル「呪われた証券マン」がなんともダセーと思いつつ、〈心霊〉の分類になっていたので買ったんだけど、ウム、全然超自然じゃなくてむしろサイコものと秘密結社ものを混ぜたサスペンスなんだけど、面白いよ、これ。秘密結社の殺し方が仕込み針なのに検死で心不全になっちゃうところがオカルトっぽい。対してまっとうな武器マニアの遺志(?)を受け継いで主人公が成長して本格的に戦っちゃうってあたりがいいねえ。終盤の救出劇はいただけないけどね。恋人の方ばっか向いてないで、罠が仕掛けられまくりの倉庫なんだから、とにかく敵から目を離すなよ。抱き合うなんてもってのほかでしょう。あそこまで来たんだから真面目に戦えって。そこを除けば、うむ、サイコ野郎と殺人請負業者と脅迫専門ヤクザの3方面からの脅威が微妙に絡みあって、このテのモノとしちゃ上出来なんじゃないでしょうか。いきなり襲ってきて返り討ちに遭ったナサケナイ鉄拳男はあれ、ヤクザですよね? あとそうか、殺された先輩の女房のスプレー攻撃、上司からの対マスコミ処置強要、ゴミ顧客からの嫌がらせ、てのも絡んでたんだっけか。なかなか複雑なドラマだったな。そのわりにバイオレンスであっさり一刀両断だけど。
 ■生霊 いきすだま■ 第1話ったらチンタラチンタラした生き霊ストーカーバナシでどっちらけ。押しかけガールフレンドが彼氏と携帯繋いだまま生き霊を追っかけて走ってく場面の途方もない不自然さはなんとかしてくれ。第2話のほうは観られるレベルかな。押し入れがいつの何か開いてるモチーフはJホラーならではのせせこましさで好感持てるんだけど、やっぱ貧乏くささにふと我に返ってしまうとどうも……。ただ同じモチーフの『ほんとうにあった怖い話 第二夜 屍霊』第3話よりゃはるかによく出来てましたっけ。
 ■ほんとうにあった怖い話 怨霊 劇場版■ こういう「投稿者の体験談を再現映像で」タイプのホラーって、メインの人物は投稿者自身なので、死なないことがあらかじめわかってると。そう酷い目にも遭わんですむことも保証つきと(だってあとで体験を得々と語ってるわけで)。なので「安心して見れるホラー」ってわけですね。だからそれだけに別の面で(主人公の運命とは別の面で)怖くあってくれる義務があるわけですが。その線でかどうか、そもそもやたら音質と画質が悪いのは、わざとだよね? にしても全然大した効果になってないっぽいってばよ。どの話もパターンおんなじ。幽霊がいる。メインの人物の背後に。横に。気づかないところに。パッと振り向くと消えてる。ときどき間違って目がじっと合って「わひゃひゃー」って怖がる。そればっか。ま、ホラーの基本だってならしょうがないけどね、あんだけ繰り返されると「幽霊って怖いもんじゃないんだな……」て無感覚になっちまうわ。とにかく幽霊出過ぎ、はっきり映りすぎ、ワンパターン過ぎの三拍子で白けまくり。とくに『首坂』の度を超したわざとらしさは何だろう。顔を寄せてじーっとくねくね見つめ続けるって、にらめっこじゃないんだから。からかってんじゃないんだから。人ひとり嚇かすのも大変だなあって同情しちゃうくらい。てか観客全員怖がらせるのもほんと大変ですねと。てか霊ってみんなお茶目なの? もはやコンタクト系ですって。怖くねえですって。てことで話戻しますが、4話とも画質が悪いのは効果を狙ったのだと、そういうことでいいですから、カメラのレンズは最低限拭いといてほしいよ。曇りが見えまくりで、鏡を映した場面かと思っちまったよ。そういうのは特殊効果とは言わんから。とくに第1話『深夜の警備員』のレンズはひどかったよぉぉ。
 ■少女霊 14歳の魂■ ジュブナイルホラーとしてはこのへんで合格点なのかなあ。ホラーってムードじゃないけどね。「罰ゲーム」で秘密を喋らさせれるようにわざと負けたっぽいところだけがそこそこね。ヒロインのセリフ、あまりのド下手さに仰天。普通あれだとNGでしょう。それとも何度もやり直してやっとあれか? そのレベルにしてあえて売り出す価値あるアイドルなんですかい、あの子? せめて異界語っぽい喋りになっとればのう。どう見てもただのヘタだから。
 ■霊縛 少女の縛り■ 前半、もしや掘り出し物の傑作……?と期待したのが馬鹿でした。舞台照明のノリで原色飛び交う薄暗シーンの連続はなかなか良かったのにねえ、こんだけ脚本がヘボだと挽回しようがないっすね。結局レザーフェイスをやりたかったのか怨霊をやりたかったのか。女子高生がただ何の準備もなく一同連れて民宿に戻ってくあたり何のフォローもなしってのはいくら何でも。
 ■稲川淳二の呪界■ しかし樹海ものって、どうしてこう退屈……、なんてっても霊が見えるお姉ちゃん。入れ替わり立ち替わりだからもう途中でいちいち怖がるの放棄してるし。中途参入のカップルの女のほう、もっとましな演技せいよって感じだし。髑髏を投げてコワしちゃったんだからその時点でちょっとは気味悪がっとけよとか。あとで破損髑髏と対面したときに遅まきながら怖がるんじゃないよとか。そうねえ、終盤の地下空間の首吊り死体の群れが遥か上にっての、あの光景もっとじっくりやってればいいムードで流れたんだけどな。ラストのとってつけの家族勢揃いは、趣旨不明のセリフとともにうやむや。お父ちゃんの足跡、もうちょい何かちゃんとした因縁引きずってくれてリアクションもありかと期待したら、野球のボールが貫通して消えてオシマイですか。おどろおどろしげな鳥居も一瞬の舞台効果でしたね。
 ■死人形の墓場■ あ~あ、しょーもねー学芸会だったこと。家にある人形を供養して済むものなら、始めっから墓場なんぞ行かんでよかったんでしょ。話を作るために、ほんとも~超能力者の会長さんったら。あと門番のピエロの素人演劇ゼリフはどーにかならんかったのかぃ。
 ■TERRORS~怨霊郷■ このアイドル(?)喋りがボツの極みだよ。見苦しくない発音でセリフ言える子使わなきゃダメでしょ。すごくカワイイならそこポイントって言い訳も立つけど、この子の場合そういうポイントもゼロだよ。タイムトラベル的解決も安易すぎだし、異形度も極小だし、せめて一つくらい見どころ据えてほしかったですよ……。