三浦俊彦@goo@anthropicworld

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オトイアワセ:
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オカルト系9

2006-01-02 05:09:22 | モンスター映画
 ■黒の怨■ オカルト系つーより伝説系? トゥースフェアリーって有名な話なのかね。マ、分類不能ってことでとりあえずここに。で内容は、んー、惜しいな。婆さん妖怪はかなりリキ入れて作り込んであるものの、いかんせんお約束が多すぎる。ショッカーと間一髪をよくもこんだけ詰め込んだものよ。やってて自分で呆れなかったんだろか、監督さんは。そもそも「いくら言っても信じてもらえない」結果「被害が広がった」ありきたりパターン、だいたい光に弱いってルールなので影踏みみたいなセコイゲームになっちゃって、闇から降りてくる妖怪をそのつど懐中電灯で追っ払うって繰り返しがなんとも貧乏臭えよ。そもそも停電中に警官たち、主人公が檻ん中から「ライト持ってけ」と必死で忠告してるのに「黙れ」とわざわざピストル一丁で闇に歩み入って妖怪のえじき、そりゃないでしょ。いくら信じてもらえないパターン貫きたいからって。まわりみんな殺されてんのにメイン3人とも雁首揃えて生き残りやがるし、殺されたやつらはやつらで誰一人惨殺の名に値する殺され方はナシときた。ホラー気取っていながら無毒無益の安心印ですね。重ね重ね定型ホラーの文法を守りすぎたがゆえのジミ調系。悲運の婆さんの因縁話も、無差別殺人妖怪に成り果てたとあっちゃ同情的感情移入も誘わず。逃亡対決シーンはホラー色捨ててすっかりモンスターパニック化してたかな。つか、後半のアクションだけはA級に迫るスピードを演出しながら、全体腰の引けた類型表現乱発ですべて台無し同然にしちゃうとはね……、傑作主張しうるビジュアルテクなまじひけらかしてくれてただけに、モー中途半端すぎには苛々しました。そーとーアタマ悪いかまたは自信ない人なんだろうな、この監督っ。
 ■いけにえ■ VR系かなと思ってたんだけど、どうも「悪魔」らしいんで(がっかり)、まあオカルト系が妥当ってことで。それにしても当世、悪魔もネット上のゲームを利用しなきゃなんないってわけですね、まあいいけど。で、何かの拍子に主人公の脳裡にブワッと未来の一瞬が駆けめぐるという、その映像表現はときどきドキッとさせられるんで「イケルかも」と身を乗り出したものだけど、結局アクマさんはほとんど全身見せてくんなくて(それなりに良さげなモンスターっぷりとお見受けしたのに……)、なんだか話がわかんなくなっちゃって、これだとよほどすげえビジュアルで締めてくんないと割り合わねえな、とアクビをこらえてたらただスーッと終わっちゃった。あれま……。期待外れもいいとこ。結局どうやら、主人公が実はあっちサイドのメンバーでしたとさ、本人も気づいてめでたしめでたし、みたいな真相と血だらけで逮捕されてくみたいな現世的破局とのアンバランスで締めくくってたような気配だけど、よくわかんねえや。とにかくツマラネーって印象が残ったことだけはたしか。ただでさえ悪魔ものは唾棄気味の私なので、せめてモンスター姿をちゃんと見せてくれてればのう。
 ■超少女REIKO■ んーとなんというか、新人アイドルデビューさせるためのプロモ風なんだけど、どこまで真面目にやってるんだか。というのは、文化祭の演劇の練習で、男子生徒が大根ぶりを非難されるわけよ。結局そいつが意外とキーパーソンだったって流れになんだけど、この映画演じてる高校生役全員がほんとに大根なんで(むかし小学校の「道徳」の授業の時見せられたテレビドラマ風。セリフ棒読みはやめようよぅ、とくに真面目に棒読みはさ~)、あの演劇場面は自己批評なのか、だとしたら高度な自己パロディテクニックだ……んな訳なし! そもそも観月ありさとやら、ちっとも可愛くないし(だいたい少女アクションにせよアイドルホラーにせよこのテのってヒロインの笑顔が限りなくゼロって傾向強いので、魅力アピールにはおおむねマイナスではないかと)、ESP研究会の面々もいっつもみんな団子になって移動してるばっかで個性主張なし。オープニング職員室で一人一人わざわざ特別紹介したイミなーし。バイクのオネーチャンあたりは面白い活躍してくれんのかなって思ったのに。死霊が生霊にバトンタッチしたところで大した効果もないばかりか「ありぇ? この嬢ちゃん途中から出てきて何なの?」程度のタマだったしね、イタコ嬢ちゃんったら。そこも笑顔制約ストーリーが祟ったよな。ま、サイキックアクションは壁ぶち抜いたとこだけ見応えあったし、死霊がケリつけてくれたとこはまあまあポイントアップかな。って、ラストのラストで生霊の死霊が出てきちゃダメじゃないか。しつこいよ、ほんと。てわけで、演技ボロボロ、力ずくで後半踏ん張りきったが前半のマイナスポイントを挽回するに至らず、系でした。降霊会から海上の浮遊場面、7人の足の位置が揃いっぱなしという合成ミエミエ映像がなんとかなってれば――7人の高度が独立に動いてれば――1ポイント上がったんだがなあ。