◆SORAの腎臓がん日記◆

2008年12月まさかの「腎臓癌」
12センチの腫瘍が右腎臓に!
発病~入院手術とその後15年間の記録

28年ぶりの再会

2015-11-27 00:33:11 | たわごと


「めーちゃん」「よーちゃん」私達はそう呼び合った。

めーちゃんと私は、同じ年に新入社員として同じ会社に入社した同期。
新入社員として配属された部署は別々だった私とめーちゃんは、
同じフロアー勤務ということで仲良くなった。

社内はとても広く迷路のようになっていて
エレベーターが何か所もあり新入社員の頃は先輩について歩いていないと社内で迷子になってしまうほどだった。
オロオロと先輩社員について回る日々を過ごした。
そんな私とめーちゃんも
いつの間にか社内構図を把握し、秘密のエレベーターを知る。
そして、それが殆んどの社員が知らない屋上へとたどり着くことを知った。
不良な私達は、時々そのエレベーターに乗り屋上へと出た。
ただ、2人でほんの少しだけ誰も居ない屋上で空を見て何でもないことを話して笑いあった。
私達だけの秘密の時間だった。

仕事の帰りには、2人でよく難波の街をウロウロとウィンドーショッピングをしたりマクドに入ったりミスドでドーナツを食べたり、少しお洒落な喫茶店に入ったりしてお喋りをした。
好みの男性のタイプ、気になる人、今日あった仕事での出来事、社内恋愛をしている人の噂話・・・
時々、お酒も。

岡山から難波の会社に就職しためーちゃんは寮生活。
関西弁ぽく喋るものの 言葉の端々になまりが残る。
その喋り方が可愛い。


あの頃の私達は、自由で毎日が楽しくて何の不安もなかった。
自分が元気なのも当り前、親が元気なのも当り前、兄弟が元気なのも当り前で命について考えるということは無かったし、考える必要に迫られることもなかった。


結婚を機に私は、難波から嫁ぎ先の土地へと転勤した。
めーちゃんは、その後も難波で仕事を続け数年後に会社を退社し地元の岡山へと帰った。

それぞれが、全く違う環境でそれぞれの生活へと・・・

でも私達は、それからも1年に1度 年賀状というカタチで繋がり続けた。



今年もそろそろ年賀状を書く時期になった。
この時期になると、喪中ハガキが届きだす。
先日、思いがけずめーちゃんからの喪中ハガキが届いた。

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喪中につき年末年始のご挨拶
謹んでご遠慮申し上げます

姉 〇〇〇〇が9月に54歳で
母 〇〇〇〇が11月に84歳で永眠いたしました


--------------------------

この歳になると、親が永眠したという喪中ハガキが届くことは珍しくなくなった。
でも、9月にお姉さん11月にお母さん・・・
喪中ハガキを手に胸がザワザワした。

思わず数年ぶりにめーちゃんに電話をした。

お姉さんは、昨年すい臓がんがみつかり2月に手術をし
今年の9月には、体調が悪いながらも実家に帰り家族で楽しい時間をすごしたのだとか。
それが、実家から帰って1週間後、体調が急変し54歳という若さで虹を渡った。
そのお姉さんの四十九日法要が11月にあり、法要中にお母さんの体調が悪くなり救急車で病院へ
病院についた時にはお母さんは亡くなられた。脳溢血(のういっけつ)だったそうだ。

「もぉ・・泣いてしまいそう・・今でもね、全部が夢のよう・・・。」

涙をこらえて めーちゃんがポツリと言った。

めーちゃんの弱々しく今にも崩れてしまいそうな声に胸が引きちぎれそうになった。

その後、色んな話をした。
OL時代の話や今のこと・・・
あの頃と変わらず、めーちゃんは関西弁ぽく喋るものの 言葉の端々になまりが残る。
変わらない喋り方に昔のままの めーちゃんの姿が浮かんでくる。
お互いの今を私達は見たことがない。
互いの中にあるのは、28年も前の姿。

「ねぇー今の顏見る?」

ふと、めーちゃんが悪戯っぽく言う。
ライン電話で話をしていた私達は、恐る恐るラインのカメラのボタンを押した。

そう、
恐れ多きも私達は28年の封印を解いたのだ(笑)

私のスマホにめーちゃんの顏が!
めーちゃんのタブレッドには私の顏が!

「ぎゃー変わってない!」
「きゃー若いやん!」

散々、笑い転げて
散々、お互いを褒め合った(笑)

「今度、絶対に難波で会おう!」
「会っても大丈夫、昔と変わってないからわかるわ~」

めーちゃんが、笑ってくれて嬉しかった。

元気を出して体調を崩さないようにというと
「ちょっと元気出た!」とめーちゃんが言ってくれた。

そして何回も
「よーちゃんは大丈夫や!絶対大丈夫や!」と言ってくれた。

ちょうど最近、長男の結婚式のビデオに使う写真の準備のために出したアルバムでOL時代の写真を見つけたところだった。めーちゃんに「写メって送ったるわ!笑えるで!」と言って電話を切った。

めーちゃんとの写真、



懐かしい先輩や後輩との写真


昔の懐かしい写真を数枚・・・
めーちゃんに送った。

「若っ!笑えるぅ~~」
「ありがとう。」

めーちゃんからの返信に少しほっとした。


28年ぶりの再会がラインのカメラ電話だなんて
あの頃には、お互いの顏を見ながら電話するなんて考えられなかった。
ライン電話につくづく私達が会わなくなった時間がどれほど長かったのかを教えられる。
昔は、ポケベルしかなかったのにね。
28年という月日は、ただ楽しかったOL時代から親や兄弟のことや自分自身の身体のこと、これから先のことへと話題も変えた。


喪中ハガキが、再会のきっかけだなんて
28年ぶりの再会は、とっても胸が痛い再会だった・・・。

いつか難波で会う時にめーちゃんが笑顔でありますように。

そして再会したならば、どこかの人気のないひっそりした屋上で2人で空を見上げながら
愉しくお喋りしようと思う。









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14 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
再会 (デ某)
2015-11-27 01:07:56
なんなのでしょう 涙がぽろぽろ・・・。
めーちゃんとよーちゃんの 若き日々が現実で 
現在の二人が 過去のような 不思議な二人。

一昨年 姉を訪ねてきた高校時代の親友は
ひと目ではとてもそうとわからない別人だった由。
私も高校時代の彼女を少しだけ知っているので
半世紀ぶりに会った二人の写真を見せて貰いました。

姉が 別人!と言うのも 仕様がない姿でした。
ちなみに彼女の妹は私と同級生、
京都で或るお店をを持っていて・・・昔とちっとも変りません。

二人が出会って数か月後、
博多で一人暮らしをしていた彼女は 死後一週間で 妹に発見されました。
一人暮らしをしている私の姉の人生観が その日から激変したのは 
或る意味 やむを得ないと 思っています。

その二人に較べて よーちゃんとめーちゃんは 本当に幸いだと思いました
どうか その幸いをたいせつにたいせつにして 再会を歓びあってくださいね


 
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聖子ちゃんヘア (moka)
2015-11-27 13:28:30
時を超えためーちゃん、よーちゃんの再会きっかけは、哀しいお知らせだったけど、
ラインカメラで、昔に戻りキャ~キャ~話している
SORAさんが目に浮かびました。

ラインカメラのボタンを押すの…
ドキドキだったでしょ

私もSORAさんとは、同世代
あの時代は、聖子ちゃんヘアが流行ってたよね。
懐かしいわ~(笑)

楽しい時間を過ごせて良かったね!
返信する
小説みたい。 (makoto)
2015-11-27 14:11:39
さすがSORAさん、

ライトノベルを読んでいるみたいでした。
そうか、SORAさんは「よーちゃん」なんだ。

で、写真のどれとどれが、SORAさんなの?

ひさしぶりの対面、感慨深いモノがあったでしょうね。
読んでいて僕も胸が切なくなりました…

必ず難波で「めーちゃん」と会って来て下さい!
その後、僕とも会いましょう!(笑)
僕とも同郷だから、タイムスリップして青春時代を過ごしたあの時、あの頃を語り合いましょう。

SORAさんファンの方々、
「安心して下さい、会えませんよ」(笑)
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Unknown (Lunta)
2015-11-27 18:26:11
めーちゃんのお姉さんとお母さんがSORAさんをめーちゃんの元に遣わしてくれたのかもしれませんね、めーちゃんが寂しくないように。
若い頃から細い糸でもつながっているお友達っていいですよね。
きっと会っても昨日別れたように感じますよ。

SORAさんのお人柄がよくわかるエピソードで素敵です。
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デ某さんへ (SORA)
2015-11-27 23:57:55
新入社員として出逢った私達は、
社会人1年生として一緒に数えきれないほどの
「はじめて」を経験しました。
一緒に「はじめて」を経験した友人、仲間って本当にいいものですね。きっと、難波で再会したら話が尽きる事はないでしょう。こうして再会することができた幸を大切にします

デ某さんのお姉さまのご親友のお話し
切ないですね・・・ご親友をご存じだったデ某さんもまた・・・。

『変わらないね』って昔の友と再会することの出来るって、年を重ねるごとに難しくなってくるのかもしれませんが、変わらない自分でいれるよう元気で過ごしたいと、デ某さんのお話しを伺い強く思いました。

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mokaさんへ (SORA)
2015-11-28 00:04:34
ラインカメラでお話しするの私、今回がはじめてだったのよ~(笑)
何となく相手の顏見ながら電話出来るんやなぁ~って知ってたけど、今まで一度もそんなことしたことがなくてw
今回、めーちゃんに言われるがままボタンを押してビックリ恥ずかし大笑いでした。

うんうん、聖子ちゃんカット流行したよね。
聖子派明菜派な~んていうのも!
懐かしいね~
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makotoさん (SORA)
2015-11-28 00:12:16
よーちゃんでした(笑)
でも、この呼び方するのはめーちゃんだけでした

1枚目の写真は、黒のワンピースを着た方が私です。2枚目の写真は真ん中ね。
でも、こーやって見ると写真が昔っぽいね(笑)

55歳になるまでに会おう!って約束です。
55歳になる頃にはお互いわからなくなってたりして~~~と思ったり

で、makotoさんこれ病院から書き込みしてくれたの?ありがとうございます大変な時に
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Luntaさんへ (SORA)
2015-11-28 00:15:56
めーちゃんのお姉さんとお母さんが・・・
私も何となくそんな気がしました。

>若い頃から細い糸でもつながっているお友達っていいですよね。
きっと会っても昨日別れたように感じますよ

本当にいいですね。
何十年ぶりに会っても昨日別れたように・・・
何だか胸が熱くなります。きっと、そうですよね
返信する
めーちゃんさんの御母様と御姉様のご冥福をお祈りもうしあげます (masahiro)
2015-11-28 02:02:08
しかし、がんは理不尽ですね。当事者の都合・時間等を考えず天災のように突然おきますね。

めーちゃんさん、さぞ気持ちを下げておいででしょうからSORAさんがいけば気持ちが上がること間違いなしですね^^。

病は突然襲ってくる・・。これは大病を患ったものしかわかりませんね。励まし合ってきてくださいね。
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泣いてまうやろー (himiko)
2015-11-29 07:55:27
思わぬ再会だったねぇ
SORAちゃんの写真が、まさにドンピシャで、そこだけは同級生として笑えたけど、あとは泣けた。
何も考えてなかったあの頃、確かに、未来にこんなにいろいろな事があるとは、想像さえしなかったねぇ
私は署名のことで、卒業後最初に働いた会社の先輩が、10数年ぶりに電話をくれたよ。
先輩には、「そんな(いい)ことをする子になるなんて!」とほめて?もらったの(笑)
めーちゃんとは、是非。リアルでも再会してね
一気に当時に戻ってきっと細胞のすみずみまで若返るよ!
いいよね。ずーーっと長く続く友情。これからも大事にしてね
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