日本人としてのアレ。

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『マジックの種明かし 弐』

2015-08-23 | 手品の話
テレビで、垂れ流しの種明かしに怒っているお前は、結局、そんな小兵。

少し考えてみてくれよ、自分だって、少なからず、種明かしをしているじゃないか!!!!




最初にハッキリさせておきたいのが、僕は『種明かし否定派』ではナイ!と言う事。

一般的に、目の前でマジックを見てくれる人は、タネを推測する。


それを「え?どうなってるの?!」、「コウなってるんじゃない?!」と瞳孔を開かせて見てくれる大人ほど、有難い人はいない。


2015年を過ぎて、マジシャンとしての生の自分を好きになってもらいたいなら、【必要最低限の種明かし】はするべき!!と断言していい。



僕が15年、それを感じているんだから、間違いない。


お客様からマジシャンを演じる人間として、自らを贔屓にしてもらう訳で・・・



これを、いい歳こいた奴が『魔法の国から来ましたー♪(*^▽^*)』なんて、糞みたいな冗談で逃げられるとは思えない。

それが、メイド服を着こなした、中年オバサンで、「いやいや、あんた、いい年したオバサンじゃない・・・、結婚してないの?子供は?」なんてハッキリと突っ込んで来られるよなキャラなら別としてさ


そんな事も突っ込めない、痛めな奴なら、マジシャン、ってかエンターテインメントとして失格だよね。

エンターテインメントってのは、いつでも『野次』ってもんが飛んでくる。




つまんなかろうが、面白いとか、そういうの関係なくてね、

『ここは、マジック城だから、上品にしてなきゃ私がダサく見られちゃうぅ・・・』なんて所に、魔法は無いし、

そこの免許を取得したって、何の意味があるんだろう???って事。



エンターテインメントって、常に大衆的じゃないといけないんだよ。

『上品』なんてものになったら、おしまい。


(上品になると新しいモノが生まれにくくなるのだ! それに・・・、下品で古臭い方が好まれる場合もある)







そんな場所での野次は、360度を囲まれて、何処から飛んでくるか?判らない・・・

それを、『後ろから見ないで』・・・



・・・「知ってる」とか「見えた!」とか言わないで!!とか、



気持ちは解るけど・・・、今の時代じゃないよね。






僕も、本当はそう言いたい。

『マジックなんだから、野暮な事言わないでー!!』って思うんだけど。


そんな事、言わない方が無条件に楽しめる。





こっちから『これ、マジックなんだから、野暮な事言わないでー!!』って時代じゃー、ナイ。

言われてナンボ。





そんで種明かし論に戻るけど・・・




もし、お前がさ、『タネも仕掛けもありません』なんて言いながらマジックを演じるなら、見たこともないような魔法を見せてくれよ。


例えば、太陽を二つに分裂させたり、月からウサギを出現させたりしておくれー!!カニでもいいよ。


そんな事は、出来ないだろう?


だって、お前は普通の人間だもんな、ただの職業マジシャンなんだよな。



だからこそ、『種明かし』を嫌う。

自分が人間なんだ!って、「奇跡のロジック」を解かれるのが我慢できない、

クソつまらない人間なんだ。

古いタイプの宗教家じゃあるまいし。





自分が、『一人の人間として勝負出来ない』つまらないマジシャン。

それ以外の何者でもない。









マジックをやって、拍手をもらっちゃ、オシマイだぜ!!!!





ちなみに、僕のマジックを生で見てくれて、無意識に手を叩いてくれた方、それは「拍手」ではありません。

【喝采】と言う、お互いの信用契約が成立した中での、他人が何も言う事の出来ない【一瞬の魔法】です。


それを、誰にも言わない方がいい。


ボンクーと言うマジシャンの事を、誰にも言わない方がいい。

自分の目の前で起きた魔法は、独占して、自分のモノにした方がいい。








実際、僕も【二度と同じ事は出来ない人間】ですからねぇ・・・。



それが、マジックの種明かしの本質です。



まだまだ、続く・・・