生姜、胡椒、月桂樹

生姜に胡椒、月桂樹、といっても、お料理に使うスパイスではありません。精油のお話です。メーカーによって多少、香りに差はあるでしょうが、ジンジャーはあの生姜の香りよりも少し土臭い香りがし、ブラックペッパーはあの黒胡椒の香りよりテーブルコショーを思わせる香りがします。ローリエは、よくあるドライリーフよりずっと力強い香りです。

どれも作用の強い精油ですが、量と用法に注意すれば素晴らしい効果が期待できます。

漢方でも大活躍のジンジャー（Ｚｉｎｇｉｂｅｒ　ｏｆｆｉｃｉｎａｌｅ）は、加温、機能促進、強壮作用のあるオイルです。敏感な粘膜を刺激しますので、必ず希釈して下さい。免疫系に抵抗力をつけてくれますので、風邪や疲労で体力が落ちているときに、使うといいでしょう。また、寒くて湿気の多い時にが悪化する関節炎やリウマチにも、効果を発揮します。

ブラックペッパー（Ｐｉｐｅｒ　ｎｉｇｒｕｍ）は、加温、乾燥作用のあるオイルで、身体を強壮、刺激する効果に優れます。消化器系、循環器系を刺激し、悪寒を伴う風邪にはその殺菌作用も助けになるでしょう。毒素の排出を促しますので、ジュニパーやローズマリーなどと合わせてセルライト対策にも使われます。リウマチ、ねんざなどの痛みを和らげるのにも、素晴らしい効果を発揮します。

ローリエ（Ｌａｕｒｕｓ　ｎｏｂｉｌｉｓ）は再生作用と抗腐敗作用で知られる精油です。ヨーロッパでは身体的な老化や、精神的な衰弱を予防するハーブとして古くから使われてきました。抗感染作用、殺菌作用に優れ、ローリエの樹は切り倒されても腐ることがありません。

精油を治療に使う国では、ローリエのばん痕形成作用などから皮膚の床ずれ・壊疽などに使われる場合もあるようです。情緒不安定など、精神領域にも力を発揮し、気持ちを落ち着かせ、脳を活性化させるなどの作用があります。まさに、若さのハーブと言えるかもしれません。

このように精油には、お料理によく使うハーブからとるものがたくさんあります。スパイス系の精油は香りも力強く、作用も強力、皮膚を刺激するものが多いので、必ず希釈して濃度を低くして使うことと、敏感な肌には使わないなど、注意して下さい。