2月29日

日々の思いつき及び読書の感想

読書 石橋克彦著 『原発震災』(七つの森書館)

2012-05-14 22:43:05 | 読書
本書は、東電福島原発事故後に書かれた文章の他、原発震災、科学者の責任、原発安全神話、そして現在の社会文化の見直しの必要性についての論文が収められている。
石橋さんは、「本質的な問題は、事業者・規制庁・御用学者を含めた原発業界の、活断層・地震・地震動・津波・地殻変動全般にわたる「値切り」(意図的過小評価)の体質だろう」という(22ページ)。この体質は現在も変わっていない。
過去に書かれた文章は、今回の東電福島原発事故で起きたことを予言するかのように、原発事故が起こるとどうなるかを見事に当てていたが、著者は空しさを感じているだけではないだろうか。
今後の心の持ち方として、「起こる可能性のある現象はいずれ必ず起こる」(298ページ)とするのがよいようだ。
福島原発事故後、安全対策は全く向上していないのに、大飯原発が再稼動されているのを考えると、ますます悪いことが再び起こるのではないかと懸念される。

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