震災のあった年末にきて、いい本に出会ったと思う。
本書は、『毎日小学生新聞』2011年3月27日号に掲載された、元毎日新聞記者の北村龍行著「東電は人々のことを考えているか」という文章に対し、小学6年生である「ゆうだい」君から「突然ですが、僕のお父さんは東電の社員です。」という一文で始まる手紙で、原発ができたのは東電だけではなくみんなの責任とする反論がなされ、その後、毎日小学生新聞紙上で、小学生等 . . . 本文を読む
すっかり、不倫騒動で有名になってしまった、ジャーナリスト山路徹さんの新書である。「女性とうまく交際できないような人は、仕事もできない」(93頁)と山路さんはいうが、ある意味で正しいと思う。きちんと、相手を安心させるだけの技術がなければ、どんな物事も前に進めることができないだろう。本書の購入で、女性に援助を仰ぐことが減れば、幸いだ。
なお、山路さんは、90年代前半のボスニア紛争、2010年のミャン . . . 本文を読む
原発訴訟とは、国に原発の設置許可の取消しを求める行政訴訟と、電力会社に原発の建設や運転差止めを求める民事訴訟とに分けられる。
本書で明らかになっていることは、裁判所が原発の危険性を過小評価して、政府や電力会社の原発推進策を支えていたことだ。特に、最高裁判所は、「原子力訴訟においては常に国の判断に追随するご都合主義に陥っているという批判を免れない」(85ページ)と思われる。 . . . 本文を読む
1895年に釜石市で生まれた鈴木東民は、7年かかって高校卒業し、東京帝国大学に入学した。大学卒業後、大阪朝日新聞に入社するものの、数年で辞め、ナチスが支配するドイツへ渡った。そのドイツからナチスを批判する記事を書いていた。帰国後は、軍から目をつけられた。戦後は、読売新聞大争議を主導し、故郷釜石市の市長となった。そんな生涯が追ったのが本書である。
鈴木さんは「現代の社会では正義を守ろうとする者は強 . . . 本文を読む
名目の年収は増えたのに、手取りが減った。税控除が減って増税になったからだ。本来であれば、子ども手当月額2万6千円があるから、手取りが増えるはずだった。前回の選挙で民主党に入れた人は次の選挙では民主党に入れてはいけない。 . . . 本文を読む
12月15日付東京新聞25面の「デスクメモ」に次のような記述があったが、同感である。
「(東京電力が公表する原子炉の状態は計算上のものに過ぎないから、計算次第で、様々な結果を生み出すことが可能であることから)誰も真実をわかっていない」
わからないはずなのに、自分たちにとって不利なものを過小評価して、福島原発の危険性をかなり低いものに見せかけようとしても、事実ではなく、単なる仮説で裏打ちしている . . . 本文を読む
12月9日号の週刊金曜日の投書欄に、15歳のタレントである藤波心さんがCS放送の「朝日ニュースター」の来年3月末での中止を惜しむ旨の投書をしている。投書の内容もさることながら、投書先に週刊金曜日を選ぶとはすごい。
こういう若い人の投書が増えれば、読者も多様化して部数ものびると、久野収さんがあの世で思っているに違いない。 . . . 本文を読む