2月29日

日々の思いつき及び読書の感想

読書 中里成章著 『パル判事 インド・ナショナリズムと東京裁判』(岩波新書)

2012-08-16 15:58:15 | 読書
本書は、東京裁判で、インド代表判事であったラダビノド・パル氏の生涯について記載されている。
所得税専門の弁護士で、カルカッタ大学の副学長、カルカッタ高等裁判所の判事代行など法曹エリートであったパル氏は、本来資格がなかったにもかかわらず、判事選定の時間的制限やインド政府の間違いによって、東京裁判の判事に選任された(97ページから99ページ)。
また、東京裁判の被告25名を無罪とした意見書では、極東国際軍事裁判所憲章の「平和に対する罪」と「指導者の個人責任の法理」を検討したところ、事後法的なものとした、当時の国際法で認められていなかったとし、検察側が主張した(被告らによる)「全面的共同謀議」が立証されなかったとして、被告らの無罪であるとした(115ページから117ページ)。
改めて、このパル判事の意見書原文はきちんと読まれるべきであると感じた。
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