朝の市役所ロビーでのことです。いつものように同年配の老人が三々五々集まって来ては新聞を手にとって静かに読んでいました。私もその中の一人でした。
「何なんだ? グチュグチュうるさいな!」大きな声が隣のテーブルから聞こえてきました。見ると声の主の向かい側に、テーブルを挟んで見覚えのあるジイさんが座っていました。以前、指に唾つけでページを捲っていた私を見て、同じようにイチャモンをつけてきたキツネ目のジイさんです。今回も例の細い目で、例のごとく声の主を睨んでいました。
「唾がついた新聞なんか、誰が読むか!」キツネ目のジイさんはくぐもった声で詰り続けました。言われた方はそりゃ不愉快です。
「それならアンタが読まなきゃイイだけだろう! 指に唾つけぐらいのことで、いちいち人にイチャモンつけるな!」と応戦したので、
「そうですよ! そんな些細なことで言いがかりをつけるなんて可笑しいですよ」と、私もつい加勢してしまいました。
新聞を読んでいた人は腹を立て、私のテーブルの方に席を移して来ました。するとキツネ目のジイさんはその人にくっついて来て、なおも執拗に詰り続けました。とうとう新聞を読んでいた人は根負けして席を立ち、憤懣やるかたない様子で去って行きました。キツネ目のジイさんはしばらく自分の席に座ったままで、今度は私の方をじっと睨んでいました。私は素知らぬふりをし、そのまま新聞を読み続けることにしたのです。
それにしても、あの執拗さはただごとではありません。前回の一悶着以来すでに半年経ちますが、私もキツネ目のジイさんには気をつけてきました。いつも朝10時ぐらいに姿を現しては新聞を読むふりをしつつ、その実、新聞越しに細い目で周りを監視していました。幸いその間、私のようにイビられた人はいなかったのです。今回は久々のイビリでした。
自分は正しいと思い込み、人の行儀の悪さなど単なるクセに過ぎないのに、それが不正としか見えないのです。正した相手からたとえ反発を買っても、自分が正しいのですから悪びれることはありません。いつでも唯我独尊で、何処吹く風と人を詰り続けるだけです。自分の考え採った行動が他人からはいびつに映っているなどとは夢にも思わないのでしょう。
恐らくは多感だった年頃に、指に唾つけをやったことで心に深いキズを負ったのかもしれません。そのときの相手は異性でしょうか。そんな余計なことまで考えてしまいました。
心の闇は、かくのごとく他人には容易く見透かすことができても、本人が気づくのは至難の業なのです。私はそれがわかるだけに、黙っているしか他に対策の立てようがありません。やれやれ当分の間、私も再び重点的監視対象になりそうです。そうなったら私の方も笑顔(?)で睨み返してやりましょうかネ。
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「何なんだ? グチュグチュうるさいな!」大きな声が隣のテーブルから聞こえてきました。見ると声の主の向かい側に、テーブルを挟んで見覚えのあるジイさんが座っていました。以前、指に唾つけでページを捲っていた私を見て、同じようにイチャモンをつけてきたキツネ目のジイさんです。今回も例の細い目で、例のごとく声の主を睨んでいました。
「唾がついた新聞なんか、誰が読むか!」キツネ目のジイさんはくぐもった声で詰り続けました。言われた方はそりゃ不愉快です。
「それならアンタが読まなきゃイイだけだろう! 指に唾つけぐらいのことで、いちいち人にイチャモンつけるな!」と応戦したので、
「そうですよ! そんな些細なことで言いがかりをつけるなんて可笑しいですよ」と、私もつい加勢してしまいました。
新聞を読んでいた人は腹を立て、私のテーブルの方に席を移して来ました。するとキツネ目のジイさんはその人にくっついて来て、なおも執拗に詰り続けました。とうとう新聞を読んでいた人は根負けして席を立ち、憤懣やるかたない様子で去って行きました。キツネ目のジイさんはしばらく自分の席に座ったままで、今度は私の方をじっと睨んでいました。私は素知らぬふりをし、そのまま新聞を読み続けることにしたのです。
それにしても、あの執拗さはただごとではありません。前回の一悶着以来すでに半年経ちますが、私もキツネ目のジイさんには気をつけてきました。いつも朝10時ぐらいに姿を現しては新聞を読むふりをしつつ、その実、新聞越しに細い目で周りを監視していました。幸いその間、私のようにイビられた人はいなかったのです。今回は久々のイビリでした。
自分は正しいと思い込み、人の行儀の悪さなど単なるクセに過ぎないのに、それが不正としか見えないのです。正した相手からたとえ反発を買っても、自分が正しいのですから悪びれることはありません。いつでも唯我独尊で、何処吹く風と人を詰り続けるだけです。自分の
恐らくは多感だった年頃に、指に唾つけをやったことで心に深いキズを負ったのかもしれません。そのときの相手は異性でしょうか。そんな余計なことまで考えてしまいました。
心の闇は、かくのごとく他人には容易く見透かすことができても、本人が気づくのは至難の業なのです。私はそれがわかるだけに、黙っているしか他に対策の立てようがありません。やれやれ当分の間、私も再び重点的監視対象になりそうです。そうなったら私の方も笑顔(?)で睨み返してやりましょうかネ。
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私は、唾をつける方の方が非常識だと思います
個人の持ち物ならば、いくら唾をつけようとも良いと思いますが
公共のものに唾をつけるなんて論外です
気持ち悪くて良い気はしませんし
自分の物でもない物に唾をつける方がおかしいと思います
人の考えは人それぞれですが、
不快な思いをする人間もいるのです
そこを考慮なさってみてはいかがでしょうか?
生意気申し上げてお気を悪くされたらすみません
私もこのことは十分承知しています。
今回の新聞を捲っていた現場を見ていないので何とも言えませんが、
私の場合について少し弁明させてください。
普段は私も唾付けをしないようにしています。
私のときは、どうしてもページがうまく捲れなかったので、
つい指に唾付けをやってしまったのです。
その際、件の老人の詰り方が執拗で陰険だったので、病的な印象が残りました。
今回も全く同様の詰り方だったので記事にしてみたわけです。
“なくて七癖” ですから、誰にでもあり得ることと思っています。
本当に勇気が要りますね。
日本で温泉に週に2回は通っていましたが、
当時他の硫黄温泉で温泉焼けをして
背中が酷い炎症があったのです。
人にうつる種類ではなかったから
(医者から温泉焼けだと診断されたので)
ならあるおばあさんが
私をじっと見て
”あんた、背中すごいよね、あれ何の病気?”と聞いてきました。
私は悪いと思っていたので、何も答えず
にこっと笑ってうなずいて
軽くえじきをしてその人を避けました。
暫く、その人のことばや音程、目つきなどが
忘れられず、かなり凹んでいましたね。
言い訳をすればよかったのか
言い返せばよかったのかなど
かなり考え込んでいました。
今回の筆者様の記事は
『人に良かれ』と思い込む人の心理を客観的に
綴った文だと思います。
人の癖や現れた問題点に文句をつくことによって
自分を正当化する、そう言えば私もしてなくもないのかも。。。
言葉の選択に至らなさがあり、それでうまく伝わらなかったようです。
手直ししてみましたがいかがでしょうか?
言葉の使い方はむずかしいと、つくづく思いました。
公共のものに自分の唾をなすりつけてはいけません。
インフルエンザ他雑菌を、人にうつすことにもなります。
近所の八百屋のお婆さんが、野菜を袋に入れる時唾を付けて袋を束から離すのにぞっとして、もうその店には行っていません。
新聞はツバを吸収してばい菌をうつらないとは思いますが、新聞紙にある印刷類の科学物質が口に入るでしょうね。
他の方は衛生的な面から、結果的には文句屋が
やってくれた!みたいな立場を取っていますが、
私は筆者様が言いたいことは、
人の癖や問題点を公に大げさに言う、文句屋に直接
精神的な被害を受けたことが無いからそう言えると思います。
もし、本当にある人を注意したいなら
他の人が分からないように
個別的にするべきだと思います。
その文句屋は
公に注意したことによって
自分が上になり
やった人に大きな不愉快感を与えました。
その人は
ただそのひとのことが嫌いだけで
実は直してあげたい意向は無いのです。
このような種類の記事は
反対される確率が高いので
書き直しても
それにまた文句がついてきて
人の意見に左右されたことに嫌な感じを及ぶでしょうね。
人はYesかNoかはっきり示せる条件が揃うと
奥の秘めた真意よりは
表面的なことをとるでしょうね。
ー反論を受けると鍛えられるーことです。
皆さんに興味をもってもらえて嬉しいぐらいです。
「思い込みには危うさがある」これがテーマなのですが、
私の力不足が残念なだけです。
皆さんのご指摘通り、唾付けのマナーの悪さは
正されても仕方ないでしょう。
ただそれも、顰蹙を買う品のない行為というだけの話です。
公衆衛生という観点からみれば大した問題ではありません。
科学的にみれば、唾液の抗菌作用は公知の事実です。
口内細菌の増殖を抑え、傷口の殺菌作用も知られています。
私たちの周りは微生物だらけなのです。
私たちヒトの体内にも様々な常在菌が住み着いています。
中には悪さをするものもいますが、
腸内フローラのような常在菌はなくてはならないもので、
私たちの体調維持に貢献しているのも事実です。
恐らく私たちは、完全無菌の状態では生きていけないでしょう。
こういう点から大した問題ではないとしました。
公共の観点からみると、
公園や路上のポイ捨ての方がよっぽど問題だと思っています。
確かに、力量不足???
あっさり認めて下さったので、かなり笑えました。
愉快な応答を頂き、応えてもらえた感じがします。
追伸:私は自分のコメントを確認しないで投稿してしまうので表現上の間違いが多くありますが、筆者様は私の真意を汲みどってくださってありがたく思います。