乳がん多発骨転移・多発肝転移ステージ4です!のぴりぃのボチボチ日記

S43年生。H24年右乳房温存手術、翌年多発骨転移、H28年多発肝転移。治療のことや日常をつづります。前を向いて。

子の心、親知らず

2014-02-05 21:37:43 | 日記
正しい日本語の使い方としては「親の心 子知らず」だと思いますが、今日は敢えて「子の心 親知らず」で。

冷たい風吹く、ある寒い朝。
仲むつまじく談笑しながらベビーカーを押すご夫婦が歩いていました。

ご夫婦は落ち着いた雰囲気で、パッと見た感じは30歳代と思われました。

ベビーカーには2~3歳くらいの女の子が乗っていて、そばにいる私に聞こえる大きさの声で、「おめめが いたい。めが いたい」と、自分で目を押さえながら、何度も言っています。

ご夫婦は我が子の訴えに全く気がついていないご様子。

気づいた私が ご夫婦へ声をかけようかと思った次の瞬間、そのベビーカーは真っ直ぐに前を見て足早に歩くご夫婦に押されて、私から離れて進んで行ってしまいました。

あの後、ベビーカーの子どもの「おめめが…」の訴えに、ご夫婦が早めに気付いて、対応してくれていたら良いなぁと思いました。

私も子どもを持つ母親です。
子どもは可愛いと思うけれど、実は子育てが苦手で、失敗ばかりのダメ親です。

そんな私が言うのも烏滸がましいですが、今の世の中、「子の心、親知らず」が多いなぁと思うのです。

子どもの立場で多くの方のお話を聴くと、子どもが小さな声でSOSを発信している段階で「親は全く気付いてくれなかった」ということが多いことに驚かされます。

さらに、自分自身を傷つけたり、命がけでSOSを発信しても、「親は気づいてくれなかった」と語る若者もたくさんいます。

親達が“子ども”や“若者”だった20年前と、今の“子ども”や“若者”の時代~携帯電話やらインターネットやらが凄まじいスピードで発達した時代~は、本当に何もかもが違うのかもしれません。

時代が違い、環境が大きく違う。

親の時代には気にならなかった程度のことが、今の子どもの時代には悩み苦しむことになっているかもしれません。

親の時代には有り難くて嬉しいと感じたことが、今の子どもの時代には当たり前すぎてどうでもいいと思う程度のことになっているかもしれません。

豊かになった今の時代だからこそ感じる辛さや苦しさを、子どもが抱いているかもしれません。

親が、子どもの発するSOSを早めにキャッチしてあげられたら、問題は解決しやすくなり、子どもも親自身も苦しい時期は短くて済むはずです。

親は、自分の思い込みだけで子どもを見るのではなく、今、目の前にいる子どもをありのままにしっかりと見てあげられたら良いなぁと思います。

しっかりと見るには、子どもとの関係について丁寧に気を配らなければなりませんし、それなりにエネルギーが必要です。
毎日、本気で取り組むのは、実は結構 大変なこと。それが子育てなのかもしれません。

SOSを出し続けても親に気付いてもらえなかった子どもは、いつか自分自身の人生を諦めてしまう場合があります。

そうならないように、子ども達のSOSをキャッチしていけるよう、「子の心、親知らず」を何らかの形で説明し続けていきたいと、改めて思った冬の朝でした。

次回は、今回の逆バージョン、「親の心、子知らず」(正しい日本語)を書けたらと思っています。

読んでいただき、ありがとうございます。