azusa flutter

ayami yasuyhoのダンサー・栃本あずさが時々思ったオモイ。

海で踊ってきました。

2021-06-10 | 思うこと
先日、大雨の降る前に私にとってとてもとても思い出のある海岸、丹後由良海岸へ踊りに行きました。

私が3歳から8歳まで住んでいた所から車で40分ぐらいで由良海岸に着くので、よく家族で出かけました。
春、夏、秋、冬といろんな季節に海岸へ行き、夕暮れを楽しんだり、バーベキューをしたり、魚釣りをしたり、ただ海を見たり、泳いだりと、いろんな思い出がある場所です。

この由良海岸が好きです。それには理由があります。
それはこの海岸に行くまでには由良川沿いの道路を車で走ります。
海に近づくにつれてだんだん川の幅が大きく広がり、水の量が多くなり、水の色も少しづつ濃くなり流れも雄大にゆっくりになっていきます。
その移り変わっていく川の様子をとてもワクワクして見るのが好きでした。
そしていよいよ海に出る前に広がる景色は川に架かっている長い鉄橋が見え、その先のまだ見えない広い海を想像して心が最高潮に高揚していく感覚が、何んといえない喜びを味わうのです。
それが本当に夢のように幸せでした。
その先にどんな幸せがあるのだろう?と、期待で胸いっぱいになりました。


そんな海岸に私は何か落とし物、忘れ物を探しに行くかのように、20代のころ50ccのバイクを京都市内から行った時代もありました。
理由はわかりません。
でも何か忘れ物をしたような気持ちになり、いてもたってもいられなくなり、バイクで周山、京北を抜け山道を走りました。
でも何も見つかりません。
でもそこには何か懐かしい優しい気持ちになります。
私はその場所が語りかけてくれることを聞き、いろんなことを教わりました。

それから何十年ぶりに由良海岸を思い出しました。
何故かわかりません。
でも、行かなくてはならない。と思い、神戸から丹波篠山を抜け車で行きました。

海岸は廃墟となり、砂浜が海風で削られ荒れ果ていていました。旅館は廃墟となりパーキングには雑草がそびえたちロープが虚しく張られていて、昭和のまま時が止まっていました。

到着した日は夕方から大雨予報が出ていましたが、雨は私の踊りを踊るのを待ってくれました。
その場所は私をあたたかく迎えてくれました。
その場所は私の記憶のままでした。
ただそのまま朽ちていました。

そんな海で踊りました。
夢中で踊りました。
とても楽しいかった。
とても嬉しかった。

踊る。ことが今の私には何なのか正直わかりません。
踊ることは私にとって必要なことなのかわかりません。
でも、踊りたい。
私は踊りたい。
ただそれだけでいいのか?ということもわかりません。
だから踊らなくなった。
踊りを仕事にしなくなった。

そんな気持ちの中、海で踊った。
海は優しい。
風は優しい。
大地は優しい。
空は優しい。
木々は優しい。
鳥は優しい。
私は優しさに包まれて踊ることができた。
とてもあたたかい。

ありがとう。
ありがとう。
ありがとう。


そんな海を後にしてに車で帰宅した。
その帰り道、子供の時住んでいた村を走った。
一番仲良くしていた友達の家が無くなり、空き地には雑草がそびえ立っていた。
海へ行った帰りに家族で食べたレストランもコンクリートが朽ちて廃墟になっていた。
チョコレートパフェやプリンアラモードを注文しその品が目の前に現れた時の喜びが大きかった家族でいった喫茶店も朽ち果てていた。
友達のお母さんが働いていたお蕎麦屋さんも駐車場のコンクリートの間から雑草が生え、空しくチェーンでさくがしてある。

時々道路が新しくなっていて、昔の景色を無くしてしまっている。
大阪、京都に向かう高速道路の大きな大きなコンクリートの柱が空しく田畑をつぶしてたっている。

そんな景色を見ながら住んでいた村に到着した時、廃校になった小学校がなんと出現!!
思わず車をUターンして小学校へ行く。
1つの校舎を残して、跡地は作業所として再利用され、カフェも営業されていました。


懐かしい風景。
その時代の私が遊んでいる。
その時代の私が笑っている。
その時代の私が走っている。
こんにちは!!と、その時代の私が私に声をかけてくれる。
こんにちは!!と、私は言う。

家族が転勤族で私には故郷がないと思っていたけど、こんなに私を迎えてくれる場所があることに気づいた。
フルサト なのかもしれない。
こんな嬉しいことはない。

その時代の私は言う。
元気で頑張ってね!!

私は言う。
うん。頑張ってみるよ。ありがとう。

また来てもいいかな?

もちろん。いつでも来てね!!

さようなら。
さようなら。

またね。
またね。


踊ることがあったから今まで生きてこれた。
でも今は踊ることに不安を感じている。
生き方がわからない。
迷いながらも、いまここにいる。
アトリエに助けてもらっている。
ここで絵を描き、踊り、仕事に出勤し、ご飯を食べ、眠る。

そんな生活が今の私を助けてくれる。

毎日太陽は昇り太陽は沈む。
風は心地よい。


さようなら。
戻る場所があるから、私を受け入れてくれる場所があるから一歩歩くことができる。

ありがとう。
ありがとう。
ありがとう。





























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