持て余した時間が塊になって転がっている。
足の踏み場も無い程に部屋を埋め尽くしているそれは、私の吐息が散らばったものだ。
始めは単なる溜息だったのだが、いつしかそれは形を持ち、そして、ぶつぶつと鳴き声のようなものを発するようにさえなった。
小さな声を聞いてみると「暇だ」「暇・暇」「あぁ暇だ」と言う自分の声だった。
口を開く度に一つ二つと漏れる「暇の塊」に敵意や憎悪を感じていた。
仕舞いには、欠伸をしただけなのにそれまでもが「暇の塊」として口から飛び出し床に転がった。
欠伸から育った大き目の「暇の塊」も、やはり同じように「あぁ暇だ」「暇だなぁ」と呟くように鳴いた。
低く唸る扇風機の風に翻弄されるように転がる「暇の塊」に、私は殺意を覚え、足下でぶつぶつと呟く欠伸の「暇の塊」を力一杯踏みつけた。
「暇の塊」は僅かな弾力を感じさせたものの呆気なく踏みつぶされ、弾けて消えた。
その刹那、ぐぇっ、と小さく唸ったような音が聴こえた気もしたが、私は足裏の意外な感触が小気味良くて、次々と「暇の塊」を踏みつぶした。
午後三時前の一番暑い時に、私は汗だくで「暇の塊」を踏み潰した。
これは面白い。
とても良い暇つぶしになったと、嬉々として脚を踏み降ろし続け、やが「暇の塊」は無くなった。
私はまた暇な時間を元余すようになり、口から「暇の塊」の元になる吐息を吐いていた。
足の踏み場も無い程に部屋を埋め尽くしているそれは、私の吐息が散らばったものだ。
始めは単なる溜息だったのだが、いつしかそれは形を持ち、そして、ぶつぶつと鳴き声のようなものを発するようにさえなった。
小さな声を聞いてみると「暇だ」「暇・暇」「あぁ暇だ」と言う自分の声だった。
口を開く度に一つ二つと漏れる「暇の塊」に敵意や憎悪を感じていた。
仕舞いには、欠伸をしただけなのにそれまでもが「暇の塊」として口から飛び出し床に転がった。
欠伸から育った大き目の「暇の塊」も、やはり同じように「あぁ暇だ」「暇だなぁ」と呟くように鳴いた。
低く唸る扇風機の風に翻弄されるように転がる「暇の塊」に、私は殺意を覚え、足下でぶつぶつと呟く欠伸の「暇の塊」を力一杯踏みつけた。
「暇の塊」は僅かな弾力を感じさせたものの呆気なく踏みつぶされ、弾けて消えた。
その刹那、ぐぇっ、と小さく唸ったような音が聴こえた気もしたが、私は足裏の意外な感触が小気味良くて、次々と「暇の塊」を踏みつぶした。
午後三時前の一番暑い時に、私は汗だくで「暇の塊」を踏み潰した。
これは面白い。
とても良い暇つぶしになったと、嬉々として脚を踏み降ろし続け、やが「暇の塊」は無くなった。
私はまた暇な時間を元余すようになり、口から「暇の塊」の元になる吐息を吐いていた。
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