社民党 国立市議会議員 藤田たかひろのブログ

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『いつか、きっと』 (つづき)  第72回選手権大会 丸亀高校-平安高校より

2016年09月28日 23時56分12秒 | Weblog
そして、

空振りの三振。

何も君が喫したのではない。

君が投げた渾身の直球に、

打者のバットは空を切った。

0-0で迎えた9回の裏、サヨナラ負けのピンチは回避された。

そして、ピンチの後には、チャンスがあるもの。

延長11回の表、

2死ながらも、走者は二、三塁、

バッターボックスに3番打者。

その彼がはじき返した打球は、だれもいない左中間に飛んだ。

いよいよ均衡やぶれるかと、皆が思った瞬間、

右翼手、打球に向かってダイビングキャッチ。

白球は、そのグラブに収まった。

劇的な得点かと思いきや、劇的な右飛に変わり、

またもや無得点。

しかし、

君のチームは

もう、くじけなかった。

攻める14回の表、2死無走者でも、

6番打者は安打で出塁すると心に決めた。

バットを短く持って、シャープなスイングを心掛け‥。

そして、投げられたのはカーブ。

打者はきっちりたたいて振りぬくと、

打球は右中間へ。

外野手2人の間に見事に落ちた。

打者は進塁を試みる。

中堅手は進塁を阻もうと試みる。

中堅手、回り込んで打球をつかむとすぐさま返球。

打者走者は全力で二塁を目指している。

その塁上に継球、届いて。

打者走者はスライディング。

触球と触塁を競う展開に、

塁審、セーフの宣告。

打者走者がわずかに勝って二塁打となった。

2死無走者から、突然、得点の機会。

もう、迷いはなかった。

続く打者もバットを短く持って構えると、

外角高めの投球を振りぬいた。

打球はラッキーゾーンにはね返り、

クッションボールの処理の間に

二塁走者が生還。打者走者は三塁まで達して、

1点勝ち越し。

この試合、

両軍通じて、初めて

得点表示板に点数が記録された。

でも、人生こんなものだから

あと1点ほしい所で、後続が倒れた。

そして、守るその裏、

2死無走者から、

相手に同点のピンチを作られた。

君のチームが2死無走者から、6番打者が

安打で出て1点取ったように、

相手チームも2死無走者から、6番打者が安打で出塁。

マウンド上の君は、

ここまできたら、引こうにも引けないと

意を決した。

     (つづく)

 第72回選手権大会 丸亀高校-平安高校より。人物の生い立ち、心理描写などは虚構。


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