何人かの方から、夏の甲子園を題材としたブログはいつですかと聞かれたまま、
ずいぶん長い月日が経ってしまいました。
今年の夏の甲子園でのドラマは探してあったのですが、
消防操法の都大会に出場したり、
私が書いた文章の試合展開が事実と合っているのか確認していたら、
こんな時期になってしまいました。
ブログの題名は、冬なのに夏ですが、
せめて1年に1回はブログに掲載しようと考えた結果です。
それでは、面白いか分かりませんがお読みください。
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「最後にチャンスでお前に回す」
ウルトラエラーをした君に、仲間がそう声をかけた。
君は、だれもが取れる単純なフライを取り損ねたのだ。
2死だったので、二塁走者はダイヤモンドを懸命に駆け抜けている。
君のエラーの間に生還し、再び1点差をつけられた。
君は責任を感じた。
でも、仲間が励ましてくれた。
「最後にチャンスでお前に回す」
あと4イニングある攻撃のうち、4番打者として借りを返す機会はきっとある!
君はそう信じた。
でも、野球は人生みたいなものだから残酷。
借りを返すどころか、7回に回った打席では、空振りの三振に倒れた。
君は、恥の上塗りのようで、自分が嫌になった。
そんな試合は3-4の1点差で8回が終わった。
9回の表、君のチームは逆転しないとここで夏が終わる。
1番打者からの好打順だけど、
だれかが出塁しないと4番の君に打順が回らない。
君は借りを返そうと思っても、
自分の力だけでは、なにもできなくなった。
いよいよ、君は追い込まれた。
先頭打者も、2ボール2ストライクと追い込まれた。
しかしその後、投手が投げた5球目を鋭く打ち返す。
ピッチャー返しの白球、内野を抜けてセンターへ。
同点の走者が一塁に出た。
続く打者も、2ボール2ストライクと追い込まれた。
負けじとバントの構えをして揺さぶる。
5球目、バットを引いてバスターに切り替えたら、
三遊間を抜けるヒットになった。
逆転の走者も出た。
3番打者は送りバント。
見事に決まって、二塁と三塁へ。
そして、
ここで、君に打順が回った。
仲間の言った通り、
本当に、最後のチャンスで君に打順が回った。
前の打席は空振りの三振。
その前の打席は、チームが同点に追いついた直後、
2死一塁三塁の勝ち越しの場面で回ったが、一塁へのゴロでアウト。
君はこの日、内野安打で出塁はあったものの、
チャンスでは、すべて凡退だった。
でも勇気を出して頑張れば、過去の恥はエピソードに変わるのだ。
人生、追いつめられると不思議なもの。
君は、緊張や恐怖より、強気になった。
塁上の走者は、皆2ストライクまで追い込まれたのに、ヒットを打ったのだ。
そして、前の打者も、
初球は送りバントがファールになったけど、2球目をうまく転がし走者を進めた。
周りのみんなはちゃんと結果を出すのに、
君だけはうまくいかないー。
それは、試合の途中までの話しで、結末では違うのだ。
野球は人生みたいなものだから、最後はつじつまが合う。
準々決勝の第三試合、1点を追いかける9回の表、
1死、二塁三塁。
君は打席に立った。
そして、ファールとボールのあと、
3球目。
君が打った白球は、大きくバウンド。
野手の間を抜けて、白球はセンターへと転がった。
一人還り同点。
さらに二塁走者も生還し逆転となった。
周りのみんなはちゃんと結果を出すのに、
君だけはうまくいかないー。
それは、試合の途中までの話しで、結末では、
やっぱり違うのだ。
勇気を出して頑張れば、過去の恥はエピソードに変わるのだ。
9回の裏、君のチームは三者凡退で切り抜け、
初めて、夏の甲子園で準決勝に進出した。
そんな、君のドラマが、
決勝戦まで、続いた。
第104回選手権大会 下関国際高校ー大阪桐蔭高校より。人物の生い立ち、心理描写などは虚構。