とりあえず普通に国境を渡り仕事をしてまた国境を渡り米国に戻る、いつも通りの生活を続けております。周りにはマスクをしているひともちらほらとはいますがそれほど多くありません。国境が閉まる様子も今のところなし、取り急ぎ普通に生活していることだけお伝えします。
(毎日新聞 - 04月29日 02:42)
世界保健機関(WHO)は、新型インフルエンザ(豚インフルエンザ)の世界的大流行(パンデミック)に備える警戒レベルを初めて「フェーズ4」に引き上げた。WHOによると、「4」は大流行に移行する可能性がある段階だ。この事態をどう受け止めればいいのか。感染の疑いがある場合、どう対処したらいいのか。【江口一、関東晋慈】
◇フェーズ4にはどんな意味があるのか
今回のWHOの措置について、国立感染症研究所の岡部信彦・感染症情報センター長は、初めて感染者が出たメキシコや北米に加え、欧州やオセアニアにまで感染が広がったことで「パンデミックになりうる新しい型のウイルスと判断したため」とみている。
WHOがフェーズを4に引き上げたことで、政府は感染症法に基づき新型インフルエンザとして対策行動計画に沿った対応を取ることができる。
今回の引き上げについてWHOは「強い警告をすることで、各国が拡大を防ぐための対策を取れるようになる」と説明。岡部センター長も「確かにパンデミックにつながる可能性があり、フェーズが引き上げられたが、行政にとっては、発生の監視など積極的に対応する一つの道筋が見える」と話している。
◇政府が想定していた新型インフルエンザとはどう違うのか
政府が想定していた新型インフルエンザは、強毒性の鳥インフルエンザ(H5N1型)から変異するものだった。行動計画では1918年にパンデミックとなったスペイン風邪並みの致死率(2%)を想定、国内の死者数は64万人としていた。
鳥インフルエンザを巡っては、インドネシアで鶏から人への集団感染が発覚。事態を重く見たWHOが05年に警戒レベルを3に引き上げた経緯がある。
一方、今回政府が発生を宣言した新型インフルエンザは、H1N1型の豚インフルエンザから変異したもの。日本で毎冬流行する「Aソ連型」と同じ型で、祖先は同じとされる。H1N1型の豚インフルエンザも過去に人に感染したことがあり、弱毒性とされている。今回の感染者はメキシコで多くの死者が出ているものの、詳しい原因は不明で、米国など他国の患者はほとんどが軽症とされる。
岡部センター長は「メキシコの致死率が高い理由を知りたいところだが、他国では重症者がほとんど見られない。これ以上目立った被害が出ないままウイルスの毒性が分からず、1カ月で終息する可能性もある。過剰に心配する必要はない」と冷静な対応を求める。
◇感染が疑われるのはどんなケースか
新型インフルエンザの患者の症状は、季節インフルエンザと同様、急な発熱やせき、のどの痛み、頭痛、体の痛みなどだ。だが現段階では国内で感染が広がっていないため、こうした症状の人がすべて疑われるわけではない。疑われるのはメキシコなど発生国から帰国して10日以内に症状がある場合だ。
新型インフルエンザはA、B、C型の3種類あるインフルエンザウイルスのうちのA型。患者は簡易診断キットで口の粘液を採取し、A型かどうかを医療機関で判断する。検査時間は約15分。この段階ではA型のうち従来の季節性なのか新型なのかは判別できない。
◇A型と診断されたら次は、どんな検査をするのか
採取した検体が陽性なら、都道府県などの地方衛生研究所や国立感染症研究所に送られ、遺伝子解析で詳しく検査される。遺伝子が新型と一致すれば、感染が確定する。遺伝子の検査は1日で終了するという。
検査をするには、実際に新型に感染した患者からウイルスを採取する必要がある。だが国内には現在患者がおらず、ウイルスを入手できないため、国立感染症研究所が米疾病対策センター(CDC)などから取り寄せる手続きを進めている。その間に疑わしい患者が出た場合、既に明らかになっている新型ウイルスの遺伝子情報を基に仮検査を進める。最終的な確定はウイルス入手後になるという。
◇感染が確定すると、どういう措置、治療がとられるのか
感染症法に基づき隔離措置がとられ、抗インフルエンザウイルス薬の投与などの治療が始まる。また、家族など患者と接触した人をリストアップし、健康観察を10日間続けて感染の有無を調べる。
CDCでも新型への感染例で治療薬のタミフルやリレンザの効果が確認されており、岡部センター長は「このままウイルスが変異しなければいいが、今後どう変わるかは分からない。他の感染症を含めて普段の体調管理を心がけ、心配なら医療機関に相談してほしい」と呼びかけている。
◇予防ワクチンの効き目はどうか
新型に変異する前の豚インフルエンザと同じH1N1型のワクチンはあるが、人型と豚型のウイルスの違いから効果は期待できない。WHOによると、新型をもとにしたワクチン開発には今後4~6カ月かかるという。